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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第2章 ジパニック編
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第47話 メディアン・ツナット

 城の隣にある建物には、2階以上にジパニック軍の部屋が、1階に他国の者のための部屋が存在していた。その部屋の数は、10部屋以上。

 アリステルに与えられた部屋は、1部隊に1部屋である。各戦闘部隊はそこで身体を休め、今後の作戦を確認していた。


「いいか。各々ちゃんと作戦を覚えておけよ」


 一番右端の部屋は、第5戦闘部隊となっていた。部屋の中には、セッカとルカが座って話し合っている。


「あの、セッカさん」


「なんだ」


「メディアンさんがいませんが」


 セッカは、慌てて部屋の中を見渡す。ついさっきまでいると思っていた、メディアンの姿は、どこにも見当たらない。


「あいつ。もしかして」


 心当たりのあるセッカは、頭を抱えた。



 第5戦闘部隊の隣から、第3戦闘部隊、イニスの部屋と続き、端に第4戦闘部隊の部屋が置かれている。


「首脳会談は2日後。それまで何をするのも自由だ。イニス様の警護は順番に行う」


 ルドルフが、目の前にいる4人を見渡す。

 ジパニックで滞在が許されている間、基本動き回るのは自由だ。街に行くこともできる。しかし、いくら城にいるからといって、イニスになんの危険がないわけではない。警護は、第5戦闘部隊、第3戦闘部隊から1人、第4戦闘部隊から2人を順番に出して行うこととなっていた。


「その、順番なんだが」


 ルドルフが、続けようとした時、部屋の扉が開いた。


「アスカ・シノノメ!」


 全員が、扉の方を向く。部屋の中に第4戦闘部隊の隊員はそろっており、訪ねてくる者に心当たりはない。

 しかし、扉を開いた人物を見た瞬間、アスカ以外の隊員は例外なく苦い顔をした。


「メディアン」


 第5戦闘部隊所属、メディアン・ツナット。赤い短髪に、茶色い目をした男性である。背が低いがすばしっこく、城などの建造物や障害物の多い場所での戦闘に長けている。

 メディアンは、アスカに向かって一直線に進んだ。


「オレは、第5戦闘部隊所属、メディアン・ツナット。アスカ・シノノメ、オレと勝負しろ。それで、負けたらオレと代われ」


「え?」


「やめろ!」


 メディアンの頭に、こぶしが振り落される。


「いった!」


 メディアンは後ろを振り向く。そこには、厳しい顔をしたセッカが立っていた。


「メディアン。作戦会議中にどっかに行くな。それに、もうコアへの入隊は断られてんだから諦めろ。行くぞ」


 セッカは、メディアンの首根っこを掴み、部屋から出ていく。


「邪魔したな。ルドルフ」


「オレは諦めないからな!」


 メディアンの声は、部屋から出て行った後も聞こえていた。


「あの。彼はいったい」


 突然宣戦布告されたアスカには、全く心当たりがない。


「あいつは、第5戦闘部隊のメディアン・ツナット。確か、ニーナと同期だったよな?」


 ゼクスの問いに、ニーナは首を縦に振る。


「彼は、第4戦闘部隊に入りたいんです。それで、コアの隊員に勝負をふっかけて、自分の力を示そうとするんです」


「なんで、最初の配属の時に入れなかったんですか?」


 養成学校の卒業生は最初の配属の際に、主席以外は希望を出すことができる。希望が多い場合は均等になるように成績を考慮するのだが、コアは入隊者がそんなに多いわけでもない。アスカもコアを第1希望にし、配属されたのだ。


「だれでも受け入れるわけではない。一応、コアの入隊には基準があるんだ」


「基準?」


「周りの者に、恐がられ、敬遠されている者。だ」


 アスカは、トラウマが発現した後の周りの反応を思い出す。

 暗い顔をしたアスカに、ルドルフは優しい笑みを浮かべる。


「アスカだけでなく。ここにいる全員な」


 アスカの見開いた目が、全員の曖昧な表情を捉えた。


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