↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第2章 ジパニック編
PR
46/60

第45話 対面

 ジパニックの元首、タイヨウは今年41歳を迎える。イニスよりも年齢も在位歴も長い。


「イニス殿。久しぶりだな」


「タイヨウ殿。お元気そうでなによりです」


 元首の部屋についたイニスとタイヨウは、握手を交わした。

 イニスが国王になって首脳会談を行うのは、3回目である。2人は、友好な関係を築いている。しかし、心の中では何を考えているかは分からない。お互い、相手を完全に信用してはいないのだ。


「驚きましたよ。まさか、タイヨウ殿のご子息が2人もアリステルにいるとは」


 イニスは、さっそく本題の内の1つを切り出した。アリステル側にとって、アスカの件を先に片付けておくことは、最良の手段である。前置きなんて必要ないのだ。


「それについては、申し訳ない」


 タイヨウは、素直に謝った。

 アスカとヒバリをアリステルに送り込んだのは、タイヨウである。たとえその目的がアリステルを脅かすものではないとしても、アリステル側からしてみれば脅威になりうるのだ。


「それで、アスカは」


 タイヨウの目は、すでに黒い髪をした我が子に向いている。イニスも、後ろにいるアスカの方を振り返った。


「アスカ」


 タイヨウが、アスカの名前を呼ぶ。アスカとタイヨウの視線が交わった。


「っつ!」


 しかし、アスカは突然身を翻し、部屋の外に出て行った。


「あ、おい」


「アスカ!」


 タイヨウの横に、黒い戦闘服に身を包んだヒバリが現れる。前触れもなく現れたヒバリに、イニス達は驚きの表情を見せる。


「父上。俺が」


「オレが行きます!」


 ヒバリを遮って声を上げたのは、ゼクスだった。ゼクスは、誰の答えも聞かずに、すでに扉の方へ走って行っている。


「ゼクスさん!」


「ラーク。オレに任せろ。アスカは、オレたちの仲間でもあるんだ」


「分かりました。お願いします」


 ゼクスは、アスカを追って部屋から出て行った。



 イニスは、扉の方へ向けていた意識を、タイヨウの方に戻す。イニスもアスカのことは心配だが、ここにいないアスカの心配をしていても、始まらない。


「ラーク。いや、ヒバリの方がいいのかな。ジパニックの隊員なのか?」


 イニスは、ヒバリの黒い戦闘服に目を移す。

 アリステルの人間にとって、四聖将を見るのは初めてである。だから、四聖将が一般の隊員と戦闘服の色が違うことは知っていても、その戦闘服が黒だということまでは知らないのだ。


「父上。俺について、言ってもいいですか?」


「ああ。カルラのことを考えると、アリステルは他国ではなく、共にオーリウスに対抗する味方だろう。味方だから、もう隠す必要はない。戦力は、見せておかなくてはな。アサヒ。カンナ。お前たちも、姿を見せなさい」


 タイヨウの言葉が止むと同時に、アサヒとカンナがヒバリの隣に姿を見せる。ヒバリ同様、黒い戦闘服に身を包んでいる。


「彼らは、我が国の、四聖将と呼ばれる存在だ」


 他国とあまり交流のないジパニックにとって、戦力を全て開示するのは、得策ではない。内情が知られすぎると簡単に攻め込まれる可能性があるのだ。そのため、四聖将は他国の者がいる時には姿を出させないようにしていた。


「ジパニック軍隊長兼四聖将が1人、アサヒ・クロガネと申します」


「同じく、四聖将が1人、カンナ・マンジと申します」


「同じく、四聖将が1人、ラーク・イストック改め、ヒバリと申します」


 3人が、一様に頭を下げる。

 イニスを含むアリステルの人間は、ただ3人を見つめることしかできなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。