↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第2章 ジパニック編
PR
45/60

第44話 心境

 四聖将は、4人によって構成されており、1人1人がある能力に長けている。


「あれ? そういえば、カムイは?」


 ヒバリが周りを見渡す。現在、ヒバリの周りにはアサヒとカンナしかいない。

 四聖将は一緒に行動することが常であるが、1人だけ例外がいた。


「カムイは、オーリウスで隠密の任務についている」


 カムイ・トキ。四聖将の1人であり、隠密の能力に秀でている。そのため、スパイとして他国に潜入していることが多い。


「オーリウスで? 危険じゃないか」


「だから、カムイが行ったんだ。ヒバリがアリステルで仕入れたカルラの情報をもとに、俺らも動いている。カルラが関わっている以上、オーリウスのことはもはやアリステルだけの問題ではないからな」


 3人は、一様に悔やんだ表情をする。


「これから大変になるわよ。ヒバリ、腕は落ちてないでしょうね」


 カンナは、暗い空気を払拭するように言った。その手は、腰に提げてある刀に触れている。

 ジパニックの軍隊が使う主な武器は刀である。そのため、他国に侍がいる国だと噂されていた。


「当たり前だろ」


 ヒバリも、刀に手をかける。2人は、刀を抜こうと力を入れた。しかし、その瞬間、2人の脳に強い言葉が浮かんだ。


『止めろ』


 2人の動きが突然止まる。2人の目はアサヒを見ていた。

 アサヒは、一言も発していない。


「アサヒ。力使わないでよ」


 カンナとヒバリは、刀から手を放す。


「お前らが、こんな時に戦おうとするからだろ」


 アサヒは、純血のジパニック人であり、タイヨウの家系の血も組み込まれている。そのため、片方の力を受け継いでいた。

 ジパニック人の中に、タイヨウの家系の血が入っている人間は多い。しかし、全員が力を受け継ぐわけではなく、片方の力だけでも、受け継ぐ者は少ない。そして、片方の力を受け継いだ者のほとんどは、ヒバリやニーナのような心を読む能力の方だった。

 対して、アサヒは想いを伝える能力の方を受け継いでいた。加えて、その能力は特異なものだった。

 アサヒの能力は、想いを伝え、言うことを聞かせる能力である。力の有効期限は一瞬にしか過ぎず、複雑な命令はできない。しかし、アサヒはその力を駆使して、軍隊長にまで登りつめた。


「ヒバリ。カンナ。今年は、問題が山積みだ。頼むぞ」


 アサヒの真剣な目が、ヒバリとカンナを捉える。そこには、先ほどのふざけた雰囲気はなく、ジパニックの四聖将然とした2人がいた。



 アリステルとジパニックが面している国境には、山が連なっている。アリステル側は、その山を越えていかなければいけない。そして、その山を越えると、タイヨウのいる城が見えてくる。


「アスカ。大丈夫か」


 ラークは、ジパニック領に入ったところで、偵察に出かけた。今、トラックは、最後の山を越えていた。


「ゼクスさん」


 トラックの窓から外を見ていたアスカに、ゼクスが話しかけた。

アスカは、ジパニックが近づくにつれて増す不安な気持ちを隠そうと、他の者とは離れたところに座っていた。しかし、そのことにはゼクスを含む全員が気づいていた。


「不安か?」


「はい」


 ゼクスが、アスカの隣に座る。アスカは、自分の気持ちを隠さずに話した。それは、ゼクスに対する信頼の表れでもあった。


「アスカ。ラークの言ったとおり、お前はジパニックの人間なのかもしれない。でも、オレたちの仲間でもあるんだ。忘れるな。オレたちは何があっても、お前の味方だ」


「ゼクスさん」


 アスカには、人の心を読む力はない。だから、ゼクスが言っていることが、本当なのかどうかを見抜くことはできない。


「ありがとうございます」


 アスカは、信じる方を選んだ。心なんて読めなくても、人を信じることができる。それが、アスカの強みだった。


「見えてきたぞ。ジパニックだ」


 車内に、ルドルフの声が響く。全員が、窓の外に映る城に目を向けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。