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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第1章 アリステル編
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33/60

第33話 決着

 第一戦闘部隊には、隊員が多く在籍している。それは、養成学校の主席が毎年必ず入るからである。しかし、隊員が待機室にいることはほとんどない。主席であるがゆえに、プライドと向上心が高く、暇があれば訓練をしているのである。


「兄貴、16年前のこと聞いたよ。ごめん」


「ゼクス」


 『第一戦闘部隊待機室』には、珍しく5人の人間がいた。


「コージュ。ゼクスを認めたのは、本当なんだな?」


「俺は、まだ言ってませんが、なぜそのことを。ラーク、お前か」


 コージュは、いつも通り笑っている人物に顔を向ける。


「真っ先に俺が出てくるのは光栄ですが、今回は俺ではないですよ。な?」


「すいません。僕です」


 ラークの問いかけの先に、弱弱しく手を上げる人物がいた。


「お前は、ルドルフのところの」


「ちゃんとご挨拶するのは、初めてでしたよね。第四戦闘部隊所属、アスカ・シノノメです」


「なら、ゼクスに16年前のこと話したのも」


「僕です。セッカさんから聞きました」


「あいつ。あれほど話すなって言ったのに」


 コージュの低い声に、アスカは怯える。その空気を破ったのは、キルクだった。


「まあ、いいじゃないか。お前はゼクスを認めたんだろう?」


「はい。俺が無知でした」


「よろしい。なら、約束どおり家督はコージュに継がせる。ゼクスも、異存はないな」


「はい」


 ゼクスは、当たり前だという顔で頷く。ゼクスは、初めからそれを望んでいたのだ。


「なら、私の仕事もこれで終わりだな。コージュ、アスカの訓練してやれよ」


 キルクは、コージュに席をゆずり、待機室を出て行った。



 そもそも、アスカは訓練をしてもらうために『第一戦闘部隊待機室』に来たのだ。そのせいで、ショークブルク家のお家騒動に巻き込まれた。


「訓練か。そうだな。アスカ、ラークと試合をしろ」


「え?」


「勝てとは言わない。さすがに主席には勝てんだろう。俺が、お前の力を見極めてやる」


「いやです」


 否定の言葉を発したのは、意外にもラークだった。ラーク以外の3人は、驚きの表情を浮かべる。

 アスカも、ラークと戦いたいとまでは思っていない。しかし、まさかラークが拒否するとは思わなかったのだ。


「なぜだ?」


「俺は、アスカを守ることが使命です。守るべき人と、戦うことはできません」


「隊長命令だ」


「それでも、いや、です」


「お前、何でそこまで」


 ラークは、隊長命令とまで言われても、頑なに拒否する。

 隊長であるコージュの命令に従わない理由として考えられるのは、コージュよりも立場が上の人物に止められていること。しかし、コージュの上にいるのはイニスのみ。イニスが、ラークとアスカの試合を禁止しているとは考えにくい。


「それは」


 ラークは、押し黙る。待機室の中を、重い空気が流れる。


「失礼します」


「リュン」


 『第一戦闘部隊待機室』に入ってきたのは、リュンだった。


「コージュさん。ラークっていう人いますか? あれ、アスカ。君もこっちいたの?」


 リュンは、4人を見渡す。


「ラークは、俺です」


 ラークが、手を上げると、リュンの視点が、ラークに定まる。


「君が、ラークか。アスカも、ちょうど良かった。僕の方が一区切りついたから、明日コールスへ行こう」


「え、でも」


 アスカは、コージュの方を見る。第一戦闘部隊の訓練がまだ終わっていない上に、その訓練すら実行できるか危ういのだ。


「アスカ、ラーク。先にコールスの方に行って来い。リュンも忙しいだろうから」


 コージュは、了承の意を示す。ラークも、拒絶を示す気はないようだ。

 リュンの一区切りがついたとはいえ、いつまた忙しくなるかは分からない。オーリウスの侵攻があるほど、リュンは忙しくなるのだ。


「分かりました。リュンさん、お願いします」


 アスカも、了承の意を示した。


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