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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第1章 アリステル編
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第13話 隊長の仕事・後

 『資料室』というプレートが掲げられている部屋は、『第9戦闘部隊専用戦略室』の隣にある。『資料室』には、『第9戦闘部隊専用戦略室』以上の情報や資料が置いてあり、城の中で一番の広さを誇る部屋である。活用する者も多く、セッカとレオも戦略を立てるためによく使っている。


「だからな、ここが」


「でも、それだとこっちが」


 セッカとレオは机に地図を広げて議論をしていた。

 地図に書かれているのは、ジパニック。セッカは、今度開催されるアリステルとジパニックの首脳会談のための警備の見直しをイニスに任されたのだ。そのための知識を借りるため、レオを連れて『資料室』まで来ていた。


「失礼します。こちらに、セッカさんは」


「アスカ」


 『資料室』にアスカが入ってきた。アスカは初めて入るため、少し腰が引けている。


「副隊長。セッカさん」


 アスカもレオとセッカを見つけ、2人のそばに近寄る。


「そういえば、お前ジパニックの出身だよな。ちょっと知恵貸してくれないか」


「い、いえ。父はジパニックの出身ですが、僕はアリステル生まれでジパニックに行った事はないんです。って、これ、ジパニックの地図ですか? 何をしているんですか?」


「今度開催されるイニス様とジパニックの現元首タイヨウ様の首脳会談の警備の見直しをしているんですよ」


「首脳会談?」


 アリステルとジパニックの首脳会談は5年に1回開催される。5年以上前から戦闘部隊にいるレオやセッカにとっては当たり前でも、アスカにとっては初耳の行事だった。


「ああ。イニス様がジパニックに行くんだ」


「それって、僕も付いて行ったりできませんか?」


「付いて行くもなにも、コアはイニス様の警備のため行きますよ」


「本当ですか!」


 予期せずして手に入った、ジパニックへの切符。アスカは『資料室』に来た本来の目的も忘れ、舞い上がっていた。


「ところで、お前。ここに何しに来たんだ?」


「あ、セッカさん。訓練なんですけど」


「ああ。あれか。そうだな、何にしようかな」


「セッカさん。ちゃんと考えてあげてくださいね」


 レオは、笑顔ながらも、表情とは全く逆の雰囲気を醸し出しながら言う。

 レオの訓練の時、セッカはまだ副隊長だった。しかしその頃から副隊長の地位以上の力を発揮し、加えて当時の第5戦闘部隊の隊長が引退目前だったため、セッカの冗談で言った訓練をそのままレオの訓練として採用した。その内容は冗談で言ったにしては、過酷なものだった。


「あれでも、お前の能力を見るのには最適だったろ? お前の勉強にもなったし」


「そうですけど! あんな訓練きつすぎます」


 セッカは、レオの怒りをものともせずに笑う。さすがは、いつも機嫌の悪いコージュに唯一話しかけることができる人物である。


「何だったんですか? 内容」


 セッカは笑顔のまま、『資料室』の天井を指差す。


「ここにある資料を1週間で全て頭に入れること」


 アスカの顔が驚きの表情に変わる。『資料室』にある資料は、とても1週間で読める量ではない。レオは、その訓練のため寝る間も惜しんで資料を読み漁ったのだ。

 ゼクスとニーナの訓練を担当したのも隊長となったセッカだったが、2人はレオとは強さの形が違うため、訓練の内容も別のものだった。


「うーん。レオの時のがダメとなると」


 アスカの強さは、赤き制裁(レッドキル)を抜きにすればレオと似ているもの。しかし、レオの怒り様を見ると、さすがに同じものは使えない。


「なら、お前の戦闘の強さを見してくれないか」


 アスカの強さについて尋ねた時のルドルフの答えは、曖昧なものであり、結局強いのかどうか分からない。


「どうやって」


「もちろん、戦ってだ」


 セッカはアスカの目の前でチャクラムを回した。


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