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目覚めはラビットガールの膝の上  作者: あたまポンチョ


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第三話-スタートライン-

昨日は散々だった

一ヶ月で中級魔法を使えとか、責任放棄のジジイとか、俺の最強チートスキルで異世界無双ライフはどこにあるんだ


そんなことを考えながらニンジンの壁紙を眺めていると


コンコン


「ショータ起きてる?朝ごはんだよぉ」

「いま行く」


シィミルだけが俺の癒しだ、いやシィミル以外がダメなせいかもしれない


「さぁさぁ、早く座って」

「う、うん」

強引に椅子に座らされた、ん?今日のスープは少し変だ

ニンジンの輪切りに真ん中をくり抜かれた跡がある、しかしくり抜いたあとにまたハメたようだ


「シィミルこれは?」

見るとシィミルは真剣な顔でグッと親指を立てている

意味がわからない

どうしてシィミルはニンジンを一度くり抜いたんだ

なんの意味があってニンジンを、いや

これはなにかのサインもしくは俺に伝えたいことがあるに違いない、もしかすると俺が魔法の使い方がわからないからニンジンを使って何か教えてくれているのかも


くり抜いてまたハメる、穴にまた、はめて、塞ぐ?

そうか、穴を塞ぐ、なにかを塞ぐ感覚なのか

だがシィミルは感覚派、教えるのがあまり得意ではなさそうだ、いや感覚派の方がコツの掴み方がよくわかっているのかもしれない

これはありがたい、コツの掴み方が分かればかなり進歩する


「シィミル、サンキュー」

二人でグッドポーズをした、ログロージュは困惑しているみたいだ


「では行って来ます」

「ボクも行くよー、まだ一人は危ないからね」

「ありがとうシィミル、朝からいろいろ」

シィミルはシーと口に人差し指を当てた

「あ、昨日の夜に月見るの忘れてた」

「ふふふ、ボクが見といたから大丈夫だよ、ショータは試験に集中して」

「ほんとにシィミルに助けてもらってばかりだね、いつかきっと、次は俺が助けるから」

「待ってるね!」


それから丘に行きアルスの家に着いた、重いドアを押し開けるとまた足を乗っけて座っている、またあの圧迫感だ

俺は軽く挨拶を済ませてから階段を急いで登った


今日はいろいろ試してみる、まずは心臓の鼓動に意識を向けてみる、心臓はマナ器官、それが一番重要だと思った

無心になり自分の鼓動と向き合う


ドクン ドクン ドクン




ダメだった、何もわからず何も掴めず

目を瞑っていたせいで眠くなってしまう

それどころか三十分くらい寝てしまった、かなりの時間ロスだ、俺はなんてバカなんだ


「クソ!」

怒りに任せて床を殴る、いまはただただ自分が憎い

床に落ちる汗、そして青白い光


「あれ」

なんだ今のは、オーブ?いや頭に血が登っていて変なものが見えただけか

それともこれが"マナ"というやつなのか、でもなぜ今出てきた、なにがトリガーだ


「うるさいぞ、なにをした」

「すみませんただ自分にムカついて床に八つ当たりをしてしまいました」

「次やったら追い出す」

「すみません」


危なかった、ヒエー

アルスが下にいるの忘れてたぁ、あの声を聞いたら恐怖で正気に戻れた

しかしなんとなくトリガーはわかった、"感情"だ

いまの怒りがトリガーだったなら納得がいく、そうか感情の高まりで無意識にマナを引き出したんだ

これをコントロールできれば

いける!


「シィミル見ててくれ」

外にシィミルを呼び出した、なにを見せてくれるのかソワソワしていて耳がピクピクしている


俺は木に向かって立った

「いくぞ」


「ふぅぅ、、、俺は!魔法の使い方が知りたかっただけなんだぁぁ!!!!!」

渾身の一撃を木にお見舞いする

「わわっ急になんなの!」


ふわぁふわぁ


青白い光が周囲に舞う


「これって」

「あぁ、やっとわかったよ」

「スゴイよスゴイよ!!さすがショータ」

俺の手を握りブンブン上下に降ってくる、痛いけど悪くない


やっと掴んだこの感触

「出し方さえ分かればこっちのもん」



「さあここからがスタートラインだ」



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