5.入学式を経て
「お、お、お、お前はお使いもできんのかぁー!!!!」
”””ピシャーン”””
雷が落ちてしまった。そう、俺はちゃんと正直に話した。
道に迷って待機所に遅刻した挙句、ユーブルー家の人に接触できなかったことを。端的に。そう、端的に。第4王子のアキト先輩に道案内をさせてしまったことは伏せておいた。なぜなら俺があまり王子様と関わりを持ちたくないからである。大丈夫なはずだ。俺が頼まれていたのはユーブルー家の人への接触だったから。。。
「ユーグリーン家はな、領地の立地的にも常に情報が不足するんだ。だからこそ情報交換できる友人を得なければならなかったのだ。」
「大変申し訳ありませんでした。。」
こうなったらもう素直に謝るしかない。カイトの10年がそう俺に語りかけてくる。まー俺も直感的にそう思うがな。
「過ぎてしまったことはもうどうにもならん。帰ったらすぐに素振りだ!素振り!こうなったら最後の最後まで足掻くしかないぞ。」
終わった。。。これは確実に徹夜コースだ。テストまでに1時間でも睡眠できたらいい方だな。
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【アキト視点】
カイトを待機所へ送り届けた後、僕はユーグリーン家の5男について側近に調べさせた。
「カイト様お待たせいたしました。ユーグリーン公爵家5男カイト・ユーグリーンについての調査が終了いたしました。」
「ありがとう。早速教えてくれ。」
「カイト・ユーグリーン10歳。ユーグリーン公爵家の5男で末っ子。一昨年首席で騎士養成学園を卒業したアイク・ユーグリーンの教育にあたっていた影響か、直近まで武力に関して特段の指導が行われていなかったようです。さらにはカイト・ユーグリーン本人には武の才が無いようです。明日のクラス分けテストでもEクラスに配属されるであろうとのことです。また、貴族社会に全くと言っていいほど興味がなく、今日の入学式まで王都の屋敷にすら足を踏み出していないようです。」
「フフフッなんて面白いんだ。僕の顔を知らなくても王都に来たことが無いなら仕方ないね。」
「なんと!!我らが第4王子の顔を知らない公爵家の人間がいようとは!!!!」
「しかもさ、女の子と間違えられちゃったよ。なんて愉快な子なんだろう。気に入っちゃった。」
「王子を女の子にですと!?命知らずにも程があるではないか。気に入ったということは・・・王子は彼にするのですか?公爵家から選ぶというのは過去に見ない例ですが・・・」
「まだそうと決まったわけじゃないけど、この1年しっかりと見させてもらおうかな。まーそんなこととは関係なしに仲良くなりたいけどね。彼がどんな顔をするのか楽しみだ。」
「王子・・・すごく悪い笑顔ですぞ・・・」
「あーごめんごめん。カイトすっごく面白い子だったんだ。」
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「ハーックション!!!!!」
「汚いぞ!カイト!誰が見てるかわからんから外では大人しくしててくれ・・・」
「す、すみません。」
誰か俺の噂でもしているのだろうか。すごく嫌な予感がするのだが。。面倒ごとの予感だ。。
この日カイトの魔法師としての1日が始まった。生涯の盟友ともなる第4王子アキトとの出会いは今後のカイトの運命を大きく左右することになる。




