3.騎士養成学園
ついにこの日を迎えてしまった。そう騎士養成学園入学式だ。入学してしまったら卒業まで学校を去ることはできない。だが明日のテストの結果によっては父上の雷が落ちるだろう。
おかしい。父上は水の魔法適性のはずなのに、絶対雷の魔法使ってるよ。・・・
俺はあの素振りをさせられた日以降も父上の指導のもと地獄のようなスケジュールで特訓させられた。
朝起きてすぐ素振り。朝ごはん食べて素振り。昼ごはん前に副団長の4男との模擬戦。昼ごはん後に素振り。夕飯前に筋トレ。夕飯後に素振り。
思い出したくないし、もう2度とやりたくない。
特訓の成果はどうかって?ふん、才能がないんだ。全くもって上達などしなかったさ。
とはいえ俺は剣でのテストなどやるつもりもないからな。フフフッ
「カイト!準備できたなら行くぞ!!」
「はい。父上!すぐに参ります!」
問題は今日の入学式と明日のクラス分けテストに父上も同伴することだ。入学式は普通に家紋がバレるし、クラス分けテストなんて剣を使わなかった時点で怒られるだろう。だが剣よりも自信のある武器があるんだ仕方がないだろう。
ついに俺は騎士養成学園に着いてしまった。なんか無駄に広いし、キラキラしてるし、男ばっかりだ。女の子は?俺の青春は?
「ユーグリーン家の方がいらしゃったぞ。一昨年卒業した息子は優秀だったよな。」
「長男のヤルド様ももうネルを授けられているほど優秀らしいぞ。」
「じゃあ、末の息子殿も優秀に違いないな!」
気まずい。猛烈に馬車から出たくない。優秀な兄を持つとこんなことになるのか。流石に盲点だ。
実力が分からないことからの落胆よりも、実力を大幅に上に見積もられてからの落胆など、同じ落胆でも全く別物だ。
終わった。今ならまだ入学取りやめられるかな・・・
「行くぞ。カイト。せめて気品だけは持って入学式に臨むんだ。その後のことはこの父に任せろ。なんとかする。」
もう親父も諦めてんじゃん。ダメだ、俺もすでに心折れそう。
「はい。できる限り頑張ります。」
「そうしろ。」
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「カイト様!」
「カイト様!」
「カイト様!」
「・・・ニコ」
俺はとりあえず笑顔で手を振ることにした。愛想良くってよく分からないし、とりあえず笑えばいいかなって。・・
安直な考えなのはわかってる。
「うおーー!手を振ってくださったぞ!!」
「いや、俺にだろ!」
「いや俺だろ!」
え、単純すぎね?ちなみに手を振ったのは奥にいる女の子にだ。俺だって男の子だからな
「カイト。とりあえずお前は入学式で他の公爵家の子供に接触しておけ。今後はクラスが分かれて無理だろうからな。最低限ユーグリーンとの繋がりを持っておけ。特にユーブルー家は他の兄弟がお前の兄たちと学年が被って無かったからな。」
「は、はい。最善を尽くします。」
え、この国の公爵家ユーの後に続くの色なの?ダサくね?
そんなことを考えながら俺は入学式会場へと進んで行った。




