東条 菜々編 三話
「優あの話マジだったんだ!冗談かと思ったよ。俺は佐藤 風太だよろしくな!」
「こんちはー!風君の彼女の華でーす!!西野君にはいつも風君がお世話になっておりますー。東条さんもよろしくねー!」
「........西野 優ですよろしく......」
めっちゃみられてるやーん。やべえわ殺意が目に見えるレベルだよこれ。見えるぞ!!私にも(殺意が)見える!!!こうなるから東条と昼食一緒に食べるとか嫌だったのにさー。学校の外ならともかく学校内であんたと一緒にご飯食べりゃそりゃあこうなりますわぁ......ヘイト集めるのは趣味じゃないんだけどなぁ。
「西野君ちょっとこっちに来なさい。」
ちょい耳引っ張るなよ。俺は綺麗なお姉さんをナンパしたりしてないじゃないか。
「あの二人は何?」
「何って俺の親友とその彼女だけど?」
「あなたに親友なんていたのね。親友とその彼女役合わせて一時間いくらでレンタルしたのか是非聞いてみたいものだわ。私に許可なく他の人を呼ぶのは間違っているんじゃなくて?それとも貴方には勝手に他人を呼ばないといけない理由でもあるのかしら?」
「二人だけだと目立つから他に人がいた方がいいかなと......許可取らなかったのは俺が悪いな次から気をつけるわ。」
「次はないと言いたいところだけど一度の失敗で絶縁ていうのも大人げないわね。今日は許してあげましょう。」
東条に聞かなかった俺も悪いけどここまで言われることか...?いや今回は俺が悪いな。後でちゃんと謝ろ。
「お待たせしました。東条 菜々と申します。佐藤さん華さん本日はよろしくお願いいたします。」
「東条さん急に西野君の耳引っ張って連れてっちゃうからびっくりしたよぉ。ちょっと遅くなったけどさあご飯食べよー。」
華さんと強調するあたりに初対面の自己紹介でフルネーム名乗らんとか舐めとんのかという意味が込められてそうだが当の本人は特に意に介してないようだ......
皆が弁当なので各々弁当箱を開ける。風太と華さんの弁当の中身が同じなのは華さんに作って貰ったってことか。うっ羨ましくなんてないんだからねっ!!東条のはなんかおせちみたいだな。豪華すぎねえか?毎日こんなに食ってるのかこいつ。
「ほら風君あーん。」
「いや中身同じなのにそれやる必要ないじゃん。さすがにここでそれは恥ずかしいって。」
「私が風君にあーんしてあげたいの。ダメかな......?」
「全然ダメじゃないよ。」
「やった!じゃあお口開けて。」
「あっあーん。」
そういうのは二人きりの時にした方がよろしいのでは......
「私達もあれやった方がいいのかしら?」
「いや友達同士ではあんなことやらねえよ。」
「恋人と友達の違いって何なんでしょうね。あの二人も私達も組み合わせは男と女だけど私達はあなた曰く?友達であの二人は恋人なのよね。」
「友達と恋人の違いねえ......俺恋愛経験ないからよくわかんないけど心おきなく話せるかどうかとか、触れたときにドキッとするかどうかとか?そこら辺の違いなんじゃない?」
「なるほどね。あなたは私に心を開いていないし私にボディタッチされても全くドキッとしないと。わかったわ。」
「少しキレ気味に聞こえたのは気のせいかな?まあでも組み合わせによってはどちらかが相手のことを友達以上もしてみてても友情を保てる場合もあると思う。」
「恋愛に積極的か消極的かとかそこら辺の話なのかしら。」
「そうそう。心理学的には肉食系女子×草食系男子、草食系男子×草食系女子は友達関係を築きやすいらしいよ。肉食×草食は肉食女子は草食男子を好きになりにくいし、草食男子は肉食女子のこと好きでもそれを口には中々ださない。草食×草食はどちらかあるいは両方が意識していてもどちらも友情が崩れることを恐れてただの友達でいようとするからなんだってさ。」
「私達は二人とも恋愛経験ないから草食系×草食系の組み合わせかしら。いい友達関係になれそうで良かったわね。私があなたを好きになることはないから。崩れるとしたらあなたが原因だと思うわ。」
「俺も君を好きになることはないよ。顔は好みだけど。」
「私に今まで告白してきた男達はみんな私の顔が好みだから告白してきたのにあなたは顔は好みでも私に付き合って欲しいとか言わないのね。」
「顔が好みで告白してきたって本人達はそんなことは言ってないんじゃないか?」
「口では色々綺麗ごと並べてくるけど視線でわかるわよ。あの人達私をいやらしい目でみてきたもの。女にとって好きでもない男に告白されたりそういう目でみられたりするほど不快なことはないわ。その点あなたは私に付き合って欲しいとは言わないしいやらしい目でみてはこなかったから特別に友達になってあげたのよ。」
相変わらず上から目線だなーこの人。
「そういうのってわかるもんなのな。でも太陽が綺麗って思っても太陽が欲しいとは思わないだろ?俺は基本そういうスタンスだからさ。」
「自分の価値を正しく判断できてるのね。目が腐ってるのに。」
「目が腐ってるのは関係な」
「お二人さん仲いいねー。」
野生のバカプッルが乱入してきた!
「ほんとそれなー俺達いらないじゃん。意外と相性良さそうだしいっそそのまま付き合っちゃえば?」
「もしそうなったら私達とダブルデート行こうよねえ風君。」
「ナイスアイディアだ。」
「それはないな。」
「ないわね。」
珍しく気が合うじゃん。
「ほら息ぴったりだし絶対二人が付き合ったら上手くいくって私達には負けるけどさ。ねー風君。」
「付き合うかどうかはともかく案外仲良さそうで良かった。こいつ俺くらいしか友達いないからこれからも仲良くしてあげてな東条さん。」
「友達としてなら別に......ところで今日の放課後は予定空いてるの西野君。」
「いや今日はバイト。」
「そう、なら土曜日とかどう?」
「土曜日なら大丈夫。」
「場所と時間はあなたに任せるわ。後でメールしてね。」
「了解。」
東条は一足先に席をたつ。
それが俺と彼女の最後の会話だった......なんてのは嘘だけど。
場所と時間はあなたに任せるか。ただ丸投げしてるだけじゃねーか!!やられたわ。
「おっデートか。いいねー。」
「ただ遊ぶだけだよ。今日はありがとな。」
「デートでも遊ぶでもどっちでもいいけどそろそろ沼谷みたいな奴らが絡んで来る頃だ。気をつけろよ。」
風太はそう耳うちすると席をたった。
「西野君じゃあまたねー。」
華さんもその後についていく。
俺は二人の姿がみえなくなった後ゆっくりと席をたつ。
「西野お前面貸せよ。」
ほら来た。この声は沼谷か出たな1号!!




