東条 菜々編 二話
ミステリーってキーワードいれといてミステリー要素がどこなのか自分でもよくわからないという謎......
朝か、スマホをみるとメールが一件届いていた。風太からかな。Nana?あぁ東条 菜々か(放課後 生徒会室 集合)なんか女の子からメールもらってテンション下がるのって初めてかも。いうてほとんどメールきたことなんてないけどな。
そういえば昨日日記書けてない。日記帳の昨日のページを開くと既にノートの字で埋まっていた。
「寝てしまった君の代わりにわざわざ日記を書いてあげたんだ。感謝したまえ。」
俺が消しゴムを持つとノートは空気を読んで字を消した。7:30起床、15:13東条 菜々と接触とかこいつどこまでみえてるんだ?趣味の悪い日記だ。昨日の分の日記は直ぐに書き直した。
下に降りると姉さんがちょうど家を出ようとしていた。
「優君おはよー!朝ごはん昨日の残りが冷蔵庫にあるから。あと服脱ぎっぱなしはダメよ。」
「姉さんおはよう。」
また部屋勝手に入ったのか。日記はみつかってないだろうけど。
「優君さ......」
「姉さんどうかしたの?」
「ううん何でもない。行ってくるね!」
「行ってらっしゃーい。」
なんだったんだろ今朝の姉さん変だったな。朝食は姉さんが昨日作ったハンバーグですませた。母さんは俺の作る朝ごはん食べたかったと文句垂れていたが普通にスルーする。
俺が教室に入った瞬間それまで騒がしかった教室が静まりかえる。よくも悪くも昨日の一件で有名人になってしまったようだ。ここまで来る間も結構じろじろみられてた。目立つことは嫌いなんだけどな。
「おー!優おはよう!!聞いたぜー昨日あの東条に友達になろうって言ったんだって?」
「あぁ......おはよう風太」
「優の好みってああいうタイプだったのなー。にしてもあんな有名人と友達になろうとか言ってみんなの注目集めるとからしくないよな。急にどうしたん?」
「......別になんも............」
「なんもないことはないだろ。俺達の仲じゃんか教えろよー」
「そういう風太は彼女とどう?上手くいってる?」
「それ聞いちゃう?実は昨日さー」
「調子に乗るなよ......」
急に話に割り込んできた。誰だっけこいつ沼谷だったかな?
「ちょっと東条さんと仲良くなれたくらいで調子に乗るんじゃねえぞ西野!!」
声がでけーよアホ鼓膜破れるだろうが。
「俺別に調子になんて乗ってないけど。」
「なんだと......」
「おいおい落ち着けって沼谷。東条にふられたからって西野に当たるのはよくないぞー。」
「黙れ佐藤!!」
沼谷はばつが悪くなったのか教室を出る。そっかー沼谷君東条にふられちゃったのねー御愁傷様でーす。
「沼谷確かにふられてたな去年の11月だっけ?」
「でも西野は許せん......東条さんと友達になるなんて......羨ましすぎる。」
「西野は生かしておけないが焦る必要はない......じっくりと追い詰めて確実に仕留めるべきだ。」
「その通りだ目的を果たすためには軽挙妄動は慎まねばなるまい。」
「これは面白くなってきたー!!!氷咲はどう思う?」
「あれが西野か。」
「そろそろ覚えてあげなって氷咲。それよりどう思うよこの展開?」
「顔面至上主義のクレイジーな根暗と運動部の単細胞が喧嘩しそうになっただけじゃん。何が面白いのか私にはさっぱり。」
「でたー氷咲節ーーー!」
顔面至上主義のクレイジーな根暗ってボロカスにいうのな。本人がいないところで言ってくれよ。こりゃあ安藤 氷咲と接触するときは注意が必要だな。あまり印象は良くないっぽいぞ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
生徒会室はここか。
「こんにちわ西野君。」
東条は椅子に腰かけ本を読んでいる。それだけたったそれだけの動作だが実に絵になっていた。やはり性格はあれだが見た目に関しては文句のつけようがないな。
「今日バイトがあるので帰ってもよろしいですか?」
「昨日から思ってたけど下手な敬語を使う必要はないのよ。私達友達なんだから。それとすぐに終わるから私の手伝いをしてからバイトに行きなさい。」
「OKタメ語でいいってことな。で?なにすればいいんだ?」
「あら昨日と違って素直じゃない。ここにあるプリントを職員室にいってそれぞれ付箋に書かれてる数字の数だけコピーしてきて欲しいの。」
「了解。」
プリントをコピーし生徒会室に戻ると相変わらず東条は本を読んでいた。
「お疲れ様。」
「なあこれって俺が来る必要あった?」
「あなたの一人称は俺なのね......意外だわ。わざわざ呼んだのはあなたと私が友達だからよ。」
「俺を顎で使って雑用させるのが友達との関係性だと思ってるならそれは違うぞ東条。」
きょとんとした顔してるけどまさかいたことないとかじゃないよな。俺でさえいるのに?いや自分を卑下するのはあまりよくないな。
「違うならあなたの思う友達との関係性というのがどういうものなのか教えて欲しいわね。」
「うーんと、休み時間は一緒にくだらないこと喋ったり、昼休みは一緒にご飯食べたり、放課後とか土日に予定があったらどっかで遊んだり?そういうのが友達だと俺は思うけどな。」
「なるほどなら明日からあなたと休み時間一緒に話たり、昼食を一緒に食べたり、放課後都合が合えば一緒にどこかに行けばいいのね?」
「えっ?」
「嫌そうな顔をするのね。あなたは私と友達になりたいんでしょう?今の関係性が嫌ならあなたの言うようにしてみるのが妥当な気がするのだけれど。」
「いや俺は勿論そうしたいけど......東条さんが俺と変な噂たてられて嫌な思いするかもよ?」
今でさえ目立ってるのにそんなことになったら余計にめんどくさいことになる。沼谷2号や沼谷3号に絡まれること間違いなしじゃん。それはめんどいからやだ。
「他人からどう言われようと私とあなたはあくまでも友達と答えればいいだけの話よ。それよりあなたバイトの時間は大丈夫なの?」
「あっやべ。」
「今日はありがとうまた明日ね。」
美人は好きだけど面倒は嫌いなんだけどな。
「先輩今日結構ギリギリで来ましたね~」
「だからどうした?」
「別になんもないですよ~それより私お好み焼き食べたいな~今度行きましょうよ~」
「...........今度な.......」
「やった~先輩優しい~」
どうせ俺の奢りになんだろうな。だが断れない。後輩ちゃんに食事に誘われても断れと言うのは夏にアイスを食うなと言われることに等しい。そんなことは不可能である。だから俺は誘われたら勿論行く。美人観察は好きだしな。
「いらっしゃいませー!」
営業スマイルモード起動......
明日二人でってのはさすがに目立つな風太にも同席してもらえるか頼んでみるか。
「先輩って好きな人とかいるんですか~?」
この質問に何か意味があるのだろうか?好きな人の有無なんて聞かれたのはかなり久しぶりな気がする。
「いるって言ったらどうする?」
「別にどうもしませんよ~」
「なら聞くなよ。」
「単なる会話のネタじゃないですか~もしかして自分に脈あるかもとか思っちゃいました~?」
「思ってねーよじゃあな。」
「先輩さよなら~」
なんであんなこと聞いたんだろ。先輩に好きな人がいようがいまいが私には関係ないじゃんか。関係ないよね......?
「やるねー。これで友達と遊ぶという名目で東条 菜々をデートに誘うことができるね。女性と交際経験がないわりには中々上出来じゃないか。君にはジゴロの才能があるのかもしれないね。」
日記書くのに邪魔だ。消えてろ。
「冷たいなー。相良 氷柱にはだだ甘なのに人によって態度を変えるのはよくないと思うよ。」
お前は人じゃないだろうが。
「それもそうか。」
ノートさえ現れなければ俺は平穏な生活を送れていたというのにやれやれだ全く。
「でも案外楽しんでいないか君?今までの君ならまずありえない非日常の世界もそう悪くないと思ってるようにもみえるが。」
............んなわけねーだろ
「まあどちらでもいいけどね。私としては君が嫌々やっていようが楽しんでいようがやることをやってくれれば問題ない。」
日記帳を閉じて俺は考える。ノートの言ってることは案外的を射てるのかもしれないと。口では不平不満をいいながら実はそれを楽しんでいる。そんなやれやれ系主人公みたいな部分が俺にもあるのかもしれない。恋愛なんてしないって決めときながらどこかで誰かを愛し誰かに愛されたいと願っているのかもしれない。自分でそれをはっきり認められるほど純粋にはできてないけど。




