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信号が変わったら
雨みたいな足音は
途端に静まり返る
ボタンを一つ押した
少年は誇らしげだ
イヤホンを垂らす人
スマホを見つめる人
不規則な早いリズムで
汚れた革靴を鳴らす人
時間になったらお別れだね
風みたいに車は
優雅に走り去っていく
ボタンを一つ押した
少年はもう一度
空を見上げる人
鏡を見つめる人
人差し指を早いリズムで
へたれた鞄を鳴らす人
時間になったらお別れだね
信号が変わったら
皆足早に進んでいく
さっきまでのことなんて
すぐに忘れてしまうよ
それを理解できるのは
また信号が変わるときなんだろう




