神話 創造~世界の誕生
初めまして、済[すみ]と申します。
ここまで、読んで頂いて誠にありがとう御座います。ご挨拶が遅くなり申し訳ありません。
こちらの話は、「深緑の森 -開拓村の再開拓物語-」の世界を設定する上で済が必要かなと思ったものを書いてみた物になります。物語には、直接関係が無いのでナンバリングを付けずに掲載しようと思います。なので、設定等が苦手な方は、読み飛ばしていただく事も可能です。
最後に、再度の言葉になりますが、ここまで読んで下さり本当にありがとう御座います。そして、これからも、「深緑の森 -開拓村の再開拓物語-」を作者共々宜しくお願いします。
= 済 =
ここに記すものは、数多くの司祭や司教が大陸を巡り、各地に残る伝承や神話を書き残し、得る事の出来た多くの資料を編纂した物を要約したものである。基となった膨大な記録は今、光の精霊神殿の図書館に所蔵されている。もし、興味と時間を持て余してる者は、一度訪れるとよい。そこには、神と精霊と竜、そして数多の種族が織りなす神話と歴史を見る事が出来るであろう。
何も無い場所に、一柱の神が訪れた。神は光を生み出し満足して去って行った。
次の神は、光を眩しく思い闇を創り去って行った。
やがて、光と闇は混ざり合い混沌の世界が始まった。
暫くして、新しい神が混ざり合っていない光と闇を半分に分け、光を昼に闇を夜とした。
昼と夜を象徴するものとして、太陽と星を大空に描いて満足し去って行った。
その後、四柱の神が訪れ一柱の神は、混沌をかき混ぜ大地と海を創りだした。
一柱の神は、混沌をかき混ぜ大地と海に住まう動植物を創りだした。
一柱の神は、自らの姿に似せた世界を管理する”人”を創りだした。
最後の一柱の神は、世界に漂う神の力を管理する六つの精霊とその僕を創りだした。
四柱の神は、創りだした世界に満足して去って行った。
神の去った世界。神の力を管理する精霊達は、残った神の力を自らに取り込んでいき、やがて大いなる力を持つ六精霊王となり、新たに自らの属性を付与した精霊の眷属を増やしていった。
神に与えられた僕は始め粘態として型を成さないものであった。スライムは、精霊王が神の力で創りだしたモノの中で、失敗したモノを取り込み自らの糧としていた。ある時、光地水火風のスライム達は自我を持ち神の力の断片を蓄え、それぞれ自らの体を変化させ最後にはあらゆる生物の力を体を基にした新しい生物である竜となった。しかし、闇の精霊王の僕のスライムだけは、自らの主の力の下で怠惰に眠りこけており、ドラゴンになる事が無かったのである。闇の精霊王は、そんなスライムをこよなく愛しみ、自らはスライムを手元に置いて世界を見続けた。
やがて、始めの五匹のドラゴンは圧倒的な力をその身に宿した為、いつの頃からか精霊王と眷属の精霊を疎ましく思いだした。そして、五匹のドラゴンは自らの主である精霊王に牙を向けたのである。
ドラゴン達は、始め眷属の精霊を飲み込んでいき、新たな力としていった。その貪欲な力への渇望から、精霊王の力の源であり管理している神の力を欲するようになった。やがて、その欲望を知る事になった精霊王は、ドラゴンの討伐を力を持った眷属の精霊に課した。しかし、膨大な力を手に入れていたドラゴンに精霊達は勝つ事が出来ず、逆にその力はドラゴンの一部となってしまう。
精霊王は、自らドラゴンと対峙する。精霊の力まで手に入れたドラゴンとの戦いに、神の力まで使い精霊王はドラゴンに大きな災いをもたらす事ができたが、自らの力も大きく減じる事となった。
ドラゴン達は、自らの身に起きた災いに翼を焼かれ牙と爪は折られ戦う術を大きく減じる事になる。しかし、最後に放った魔力の息が力を減らした精霊王達にとどき、神の力の多くを使い自らを護った。更に力を失い弱り果てた精霊王をドラゴン達は残った力ごと自らに取り込もうとした時、争いに加わらなかった闇の精霊王が現れ、自らの眷属のスライムにドラゴン達を取り込ませた。ドラゴン達の力をその身に帯びる災いごと取り込んだ闇のスライムは一度大きく跳ねると闇の精霊王の下に戻り、また眠りに就いたのである。
闇のスライムに喰われたドラゴン達のブレスによる魔力の残滓や精霊王達との戦いで傷付いたさいに撒かれた血肉は、各地の生き物や植物を魔物に変えていき、今の世まで地上の各地に災いを残した。
力の多くを失った精霊王達は世界各地の災いを管理し癒す事が出来なくなっていたので、闇の精霊王の力とスライムの力を皆に渡すように願った。闇の精霊王は、その願いを聞き届け宿した神の力まで、他の精霊王に分け与えた。そして、自ら夜空に月を造り、その地に住まいを設けて永い眠りに付いた。後に、一度目を覚ました闇のスライムは、主と共に要る事を願い、月に従う小さな月にて眠りに就いたのである。この時より、大きな月と小さな月を天空に見る事が出来るようになったのである。
地上に残った精霊王達は、分け与えられた力を使い、災いを世界の幾つかの場所に抑え込む事ができた。しかし、思うよりも強いドラゴンの残した災いの力を消し去る事はできなかった。
世界各地にある迷宮や魔物が生まれる地は、こうして出来上がったのである。
「精霊教創世記 (要旨)」




