■最終章④「終わらない場所」
……第七監獄。
時間は止まり、存在だけが濃密に積み重なる場所。
「来ましたか」
そこにいた。
先輩。
相変わらずの笑顔。
「遅いですよ」
「申し訳ありません」
その奥。
巨大な“気配”。
「……いる」
「ええ」
「全部です」
鬼。
皇帝憑鬼。
そして――
“あの老婆”。
「待っていたよ」
その声が、世界全体から響く。
「やっと、“器”が来た」
副校長は、静かに前に出る。
「アンタが黒幕か」
「黒幕?」
「違うよ」
「“仕組み”さ」
「人間はね」
「悪を抱えきれない」
「だから、分けた」
「そしてまた、同じことを繰り返す」
「だから私は管理する」
「均衡を」
「強制的に」
静寂。
副校長は、ただ一言。
「違うな」
「何がだい?」
「抱えきれないんじゃねぇ」
「抱えようとしてねぇだけだ」
「人間は弱い」
「でもな」
「だからこそ“選べる”んだよ」
「善も」
「悪も」
「全部ひっくるめてな」
沈黙。
「……なら、証明してみせなさい」
「その在り方を」
空間が崩壊する。
鬼が動く。
世界が終わる音。
副校長は、笑う。
「いいぜ」
「全部、受け止めてやる」
黒と光が、交わる。
――戦いではない。
“存在”のぶつかり合い。




