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アオ  作者: 未知
第1章
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9/23

1-⑦

「まず、パラレルワールド、という言葉を聞いたことはあるか?」


少年が中央の椅子に座り、ゆっくりと話し始めたのは、私がその椅子の前にできた卵型の椅子(座るところがふわふわで気持ちがいい)に座ってすぐだった。


ちなみに先ほどまでなかったはずのこの椅子は、少年がそこへ手を伸ばした瞬間にあらわれたもので、すでに驚く元気も残っていなかった為、促されるまま座ってしまった。


「たしか、いくつもの未来につながる世界が自分の知らない場所に存在して、その世界のことをそれぞれパラレルワールドって言ったような…」


たしか何かの漫画か何かで、そんなような話が出ていた気がする。


「まぁ、そんなところだ。つまり、同じ時間を過ごすいくつもの世界が存在しているということで、ここはその世界の1つというわけだ。ここまでは、分かるか?」


「…」


『分かるか?』と、聞かれても…


パラレルワールドなんて漫画や小説の話のはず…信じられるはずがない…


(けど)


「今ここで起きていることを思い返せば、信じずにはいられない…だろう?」


「!」


少年はまるで思っていることを分かるような言い方だ。


「…はい。」


どうしてか知りたいところだが、とにかく話を全て聞いたほうがよさそうだ。


ここは、うなずくしかないのだろう。


「この世界と、未知が暮らす世界は時を同じくして誕生し、そして同じ時間軸に存在する世界となった。そして、大きく異なる世界となっている理由は、未知の世界に科学を糧に生きているように、こちらの世界では魔力を糧に生きている、ということだ。」


「魔力?」


「そうだ。魔法と、いわれることもあるようだ。」


(魔力に魔法…)


ますます物語の世界だ。


「この世界に生まれた人間は、多かれ少なかれ魔力を持ち、それを使いこなしながら生活をしている…様々な能力を、な。」


(…?)


『様々な』そこだで、強調していたような…?


「つまり、未知の質問『ここはどこなのか』の答えは、未知の世界とは違う、けれど平行して存在する異なる世界、まぁ、チキュウとカタカナで表現するのがわかりやすいか」


「…チキュウ」


「そうだ。」


「でも、どうしてそんなところに私が来てしまったんですか?」


漫画や小説のようだ、なんて思うことはやめにした。


すでにここに私がいるのだ。


それを認めない限り、話が進まないと判断した。


「現実から目をそらさない、いい心がけだ…まぁ、流れる血の記憶のためでもあるか。」


「え?」


「いや、次の質問だな。『どうしてここへ未知がきたのか』だったな。それは」


「鬼門の裂け目に落ちたから、ですよ。」


それは、まったく違うところから聞こえてきた。



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