1-⑥
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なんなの、なんなのホントに!!!
私の頭のキャパシティはだいぶ前に崩壊したと思っていたが、さらにその瓦礫すら粉々にしているようだ。
白い光に包まれ、目の前が開けると、そこはすでにあの薄暗い場所ではなかった。
先ほどの部屋の軽く10倍はあるスペース。
ドーム状の空間で周りはすべて透明ガラス張り
今は夜のようなので、当然暗いはずなのだが
(うわぁぁぁ…)
この状況を一瞬忘れそうになった。
ガラス一面に移る星、星、星
プラネタリウムなんか目ではない
本当にきれいな星空が見える。
しかも、ここは相当上のほうにあるのだろう。
空が、近かった。
「すごい」
今まで見てきた空の中でも確実に上位にくる美しさだ。
「…ちっ」
「!」
そうだ、そんなことをしている場合ではないのだ。
ここに来たのは私だけではなかった。
あの青年も少し離れた場所にいた。
(出口…)
それを探そうと目線をずらしたとき
「何の用だよ」
「え?」
青年が私を通り越してさらに後ろを見ていった。
「それはこれから話すよ。」
「!!」
今日何回目の驚きだろう。
確実に寿命が縮んでいる気がする。
私のすぐ後ろからの声に超スピードで振り向く。
「こんにちわ」
その声は、さっき白い光に包まれる前に聞こえた声だった。
「…」
声が出ない。
その人は、頭の上から足先まで銀色のマントに包まれていた。
かろうじて見えているのは瞳だけ。
私と同じくらいの目線、おそらく160センチほどか。
大きな瞳には澄んでいて、その声からもなんとなく少年なのではないかという印象だ。
「あ…の」
ようやく出た声は自分でも驚くくらい震えていた。
「怖い目に合わせてしまい、すまなかった。あいつは加減を知らないから。」
あいつ、といったときに一瞬視線が青年へと動いたが、少年(そう言うしかない)はまっすぐ私を見て言った。
「あの…いったいここは、どこなんですか」
ようやく、聞きたいことを言葉にできた。
すると少年はゆっくりと手を挙げ、頭の上でこぶしを握る。
「え!?」
すると不思議なことに、ガラス張りだったはずの天井はただの天井に代わり、何もなかった部屋の中心には、絵本に出てくる王様が座るような背もたれの長い立派な椅子が現れた。
そこで、ようやく部屋の明かりがある場所で、改めて2人を眺めることになった。
バチン
青年と目が合うと、
(…何?この感じ…)
なんだか、体の奥がざわつく。
「やはり、契約をむすんだのだな。」
少年が静かに言った。
「契約?」
今度は青年が聞き返す。
「そうだ。お前は、この娘の契約鬼となったのだ。」
(…娘って。)
自分よりもおそらく年下の子に言われるのは違和感がある。
「契約鬼?なんだそれ」
「吸魔鬼と契約鬼、聞いたことくらいあるだろう。」
「ないね。」
私が呆れている間に、話が進んでしまう。
「あの、話の途中にすみません。私、今この状況に全然ついていけてないんです。ここっていったいどこなんでしょう?」
私は、少年のほうを向いて聞く。
少なくとも、首を絞められそうになった青年に聞くよりはましだと判断したからだ。
「あぁ、すまない。娘、名は?」
「兼良未知です。」
「そうか、では未知。今から、話すことはおそらくとても信じられることではないだろう。だが、事実として今この場にいることを認めるならば、信じるしかなくなるだろう。」
「はい。」
覚悟を決め、静かに同意するしかなかった。
まっすぐに少年の目を見て。
「では、話すぞ。」
そう言った少年の目は、少し細められ、表情が柔らかくなったように感じた(実際にはマスクでわからないが)




