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人間、想像しえないものを目の当たりにすると、騒いだり、叫んだり、泣いたりするのもだと思っていた。
けど、実際は喜怒哀楽の感情が追い付かず、声も出ないことを学んだ。
そして、そんなことを一日のうち何度も何度も体験していくと、驚くことに
「今度は一体なんなんですか。」
「は…?」
コンジキは、優しい表情は崩さなかったが、驚いたような表情を見せた。
ここは、先ほどコンジキから案内された私用の部屋。
あのあとすぐにここに戻ってきたのだ。
そして、すぐに私は聞いた。
今度は一体何なのだ、と。
「…何か、変なこと聞きましたか?」
コンジキの表情に疑問を抱き、聞いてしまった。
「あ、いえ。少し驚いたもので。ああいった経験のあとなのに意外と冷静なのだと…」
「あぁ…そうですね。」
なるほど、確かにその通りだ。
こんな状況、話に聞いただけなら信じられることではない。
だけど…
「多分、慣れてしまったんだと思います。」
「慣れて…?」
「はい。一日に何度も信じられないことに遭遇して、頭の許容量なんて最初の方でパンクしてしまって。さっきもいきなり空が割れて、気持ちの悪い声が聞こえて、その場は怖かったけど、終わってしまった今は、落ち着いている気持です。」
「…そうですか。これもまた神官様の言われていた『血の記憶』ということになるのでしょうね。」
「え?」
「いえ、お気になさらず。」
「それで、話は戻るんですが、一体さっきのは何なんですか?」
「あぁ、そうでしたね。でも、ここでは何ですから少し座りましょうか。」
そう言ってコンジキが指したのは、小さめのテーブルと椅子だった。




