1-⑮
良くないものだと、本能的に分かった。
それでも、目が離せなかった。
空が割れる
この表現が正しい物なのか分からないが、ただ、そうとしか見えないのだ。
目の前にあった夜空に出来た直線
それが上下に開き、そこは、暗い闇だった。
大きく開いているわけではないが、夜空を切り裂いた闇の存在から、目が離せない。
「何なの…」
目を離したいのに離せない。
怖い。
でも、目が離せない。
逃げることもできない。
そしてさらに
…………!!
見えてしまった。
闇の中に2つの赤い光。
1度消え、また光る
ドクン…
それは、瞬きのようで
ドクン……ドクン
背筋の凍るその感覚は、おそらくその何かの気配からではないか
「…っ!」
分からないはずなのに、分かってしまうのだ。
そうでないか、と。
「…ちっ。鬼門かよ」
「え?」
その声で、横に彼がいたこと、そして自分の鼓動の自分がほとんど呼吸をしていなかったことに気づいた。
「これが…鬼門?」
さっき話していた『この世界に存在する空間の歪』だっただとうか。
「ね、ねぇ、これどうするの?」
声が震え、思わず彼の洋服の裾を掴む。
「さぁ…どうすっかね…」
「どうすっかねって…!」
そのあまりに気の抜けた返事に思わず声を荒げようとしたとき
『ギギギギギギ…』
「!!」
鬼門の中からだった。
嫌な声。
音ではなく、声だ。
赤い目
頭に響く嫌な鳴き声
「あぁ…厄介なところにつながった鬼門ですね。」
「!」
目の前の光景にとらわれすぎて気づかなかった。
いつもまにか隣にコンジキがいたのだ。
「コンジキさん!これって!」
急いで私はすがる相手を変える。
明らかに彼よりはコンジキのほうが頼りになりそうなのだ。
「これが鬼門ですよ。しかも、珍しい魔界につながる鬼門ですね。」
にっこり笑って話すその顔に焦りはない。
「いったいどうすれば…」
半分涙声だった。
「大丈夫ですよ。このレベルの魔界の鬼門なら。」
「え?」
大丈夫?
こんな空が割れているのに?
中には得体のしれない赤い目玉とへんな鳴き声の奴がいるのに?
なんでコンジキはこんなに余裕そうに言うのだ?
「ただ、中の奴が邪魔ですね…」




