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コンビニで貰った特別クーポンを使ったら大変なことになった もーっと人生編  作者: 熊出


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英雄の死5

 親父を背負い、春歌を抱き上げる。

 そして、縮地を使って移動を始めた。


「にーちゃんも縮地使えるのかい。手練れだなあ」


 感心したように言う親父。


「帰るんだよ、岳志さん」


 言い聞かせるように言う。


「遥香を探したいんだ」


「遥香さんは今海外留学中だ。しばらく俺達の家にいてくれ」


 親父はしばし考え込んだ後、呟いた。


「そうか、遥香にも大学があったな」


 胸を締め付けられる。

 本格的に突きつけられた。

 親父は、若い時代を生きている。


 家に帰ると、お袋と愛が出迎えてくれた。

 春歌を即時に降ろし、親父をゆっくりと降ろす。


 お袋が抱きついてきた。


「ありがとうね、春武。もう岳志が帰ってこないと思っていたわ」


「お婆ちゃん、遥香の面差しがあるね」


 親父の言葉に、お袋が目を見開いた。


「遥香を探してるんだ。親族なら連絡取れないかな」


「岳志さん、言っただろう。遥香さんは海外留学中なんだ」


「けど連絡は取りたいよ」


 お袋はしばらくわなないていたが、すべてを察したように優しく微笑んだ。


「岳志君、遥香さんはね、貴方の勉強を私に託していったの」


「そうなのか?」


「そう。だから家で勉強しましょうね」


 しばし思案する親父。

 そのうち、呟くように言った。


「わかった」


「どうする? 施設に入れるか?」


 お袋に耳打ちする。


「それは酷だわ」


 お袋は目を伏せる。


「けどあんたの負担が半端ないだろ」


「どうにかしてみせる。最期まで、一緒に……」


 春武は苦笑した。


「じゃあ、俺も付き合うよ」


 お袋が驚いたような表情になる。


「俺達も、少しは家族らしいことをしてもいいだろう?」


「仕事とかは、良いの?」


「金は有り余るほどある」


「これだから成功者って嫌い」


 愛はぼやくように言う。


「お前だって成功者で成功者の妻だろうに」


 俺もぼやくように返す。


「けど良いわ、満足するまで付き合ってあげなさい。鮮火は、私に任せて」


「ああ、頼む」


 思わぬ日本滞在。

 ゆっくりとした家族の時間を取り戻す人生のターニングポイントかも知れない。



つづく

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