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脇役の花道2
「お帰り、球団の人との話し合い、どうだった?」
家に帰ると、包丁でネギを調理する静かな恋人。
それが今は不穏に見えた。
次の瞬間に刺されそう。
後ろめたさがそう感じさせた。
「解雇だって。色々報道が出てるから、当面俺は野球に関われない」
「そっか。次、考えてる?」
「いや、まだ……」
人生は長い。野球の後も、人生は続く。
セカンドキャリアというのも雄一のような微妙な立ち位置の選手には重要なものだ。
「そっか。長い間、お疲れ様」
恋人は、優しい声でそう言った。
戸惑った。
なぜ怒らないのだ。
失望しているのか?
恋人は料理を作り終えると、エプロンを外して、玄関に向かった。
「じゃ、また、調理しに来るから。次の仕事探そうね」
優しい声で言われる。
戸惑いは加速する。
「うん」
「大学卒業すれば良いんじゃないかな。今休学中でしょ?」
「うん」
「卒業すれば、また、道は拓けるよ」
道。
開くのだろうか。
後輩が評したように脇役の自分。
今や世間的には悪役の印象すらある。
挽回できるのだろうか。
見捨てられなかった、という事実が今更安堵を覚えさせた。
つづく




