年の差ラヴァー4
最高の素材は揃った。
本当なら模造創世石が欲しかったところだが、それは春武のスキルイーターを作った時に消費されている。
そこから思考に至る。
天界。
神、天使、精霊が過ごす世界。
そこで武器になるのはなんだろう。
身を守ることだ、と歴戦の直感からその結論に辿り着いた。
身さえ守れれば、春歌はそつなくその場をこなせる。
つまりこれから武器に付与すべきは耐性。
初めての試みだ。
しかし、やらねばなるまい。
四大属性への耐性を盛り込んだ武器。
持っているだけで防壁になるようならなお良い。
これから作るのは武具というよりは本質的に防具だった。
「勤」
親方が優しい声で言う。
「なんですか、今ちょっとアイディアを形にするのに苦心してるところです」
「なら、心強い援軍だな」
振り返ると、親方は優しく微笑んでいた。
その背後からひょっこりと春歌が顔を出す。
「おっす! 加勢に来たぜ!」
「春歌。天界に行く準備は良いのか?」
「天才の私だよー。身一つあれば十分さ。それより、アイディアは出来てるみたいだね。どんな感じ?」
「武具と言うよりは防具だな。持っているだけで四大属性から身を守るシールドを張れるような」
「さっすが勤。それは理想的だね。形にできる?」
「一人だと難しいと思っていたところだが……」
春歌の顔を見て唇の片端を上げる。
「お前となら」
「うん」
春歌が勢い良く頷いた。
二人で両手を広げ、扇子型の武器の形をイメージする。
「懐かしいね」
「そうだな」
心が一つになっているのがわかった。
「春武のスキルイーターを作った時もこうやって協力した」
「あれがきっかけだった。あれがなければ、俺はまだまともにお前と会話できなかっただろう」
「それはちょっと困るな」
苦笑する春歌。
しかし、コントロールは乱れていない。
天性のバランス感覚。
天才を自負するだけはある。
そして、その扇子は出来上がった。
「行ってくるよ」
そう言って、春歌は背伸びした。
唇と唇が、振れた。
二人の、ファーストキス。
春歌は、少し震えていた。
止めようか、と迷う。
「ああ、待ってる」
待つことしか出来ない自分だ。自由にやらせてやろうとそう思った。
それから五年経った。
春歌からの連絡は途絶えたままだ。
つづく




