番外編4,ヘンリー様の臨時専属メイド
本編投稿出来てなかったので番外編を投稿しました。しばらく番外編続きかも?
最近、ヘンリーが来ない。
かれこれ一ヶ月は経つよ。
いつもだっら一週間に一、二度のペースで来るのに。
風の噂に寄れば家で幾度も嘔吐や腹痛を訴えているらしい。
一ヶ月前から少し顔色が悪かったけど、大丈夫だろうと腹を括ってた。シャーロット様の専属メイドとして恥ずかしき行為だ。
ゲーム設定でもヘンリーは身体虚弱だったけど、やはりストレスとかもあるのだろうか。今はシナリオ改変しているから、問題ないと思っていたが、重症だ。
シャーロット様が居ても、ゲームの強制力やこの世界での現実には勝てないようだ。
今度、シャーロット様に御願いして行かせてもらおうかな?
でも、専属メイドの分際じゃ、駄目か。
大体、何でこうもシャーロット様の父、つまり当主がいないのだ。母はゲーム上の設定により、シャーロット様が三歳の時に流行り病で亡くなっている。
そして父は家に帰って来ないと言う大問題。
ヘンリーの問題と良い、シャーロット様の家族関係と良い、何故こうも一癖も二癖も有るのか。
大体、ゲーム設定の内容が重いんだよ!!
しかもヤンデレゲームでヒロイン死亡フラグ持ちと来た。
これはまう乙女ゲームとは言わない。
これはもう、サイコホラー的な残酷ゲームだ。
しかもヘンリーの片目は視力低下してて暗明位しか見えてないし。(すっかり忘れていた事は秘す)
「ねえ、セレス」外を見ながらシャーロット様が私を読んだ!?
「はい、何でしょう」虚ろな眼なのだけれどっ!?
「ヘンリー様のお見舞いに行ってきてくれないかしら?」
「はい、分かりマ」
「…………ってええ!?何故ですかっ!?!?!!??」
「そんなに大声出さなくて良いわ。今日から三日間、ルーカスと遠出するから、その間お父様も居ないから、ヘンリー様の家から依頼的なのが来たの」
「え!?だったら、私も!!」
「駄目。セレスは方向音痴だから。多分、全科十犯位はあるんじゃなない?」
はい、否定できません。
「だから。使用人にも伝えてあるし、皆休暇。嫌だったら断るから良いけれど」断れるんだったら早々に言います。
しかもシャーロット様から言われたら断ろうにも断れない!!
「イイエ」
「……そう」何か怪訝そうに見られてるんデスガ?
★ ★ ★
シャーロット様の遠出は約一週間だった。
その間私は臨時のヘンリーの専属メイドー。
シャーロット様に会えない七日間。
私は精一杯ヘンリーの世話を勤めようとおもう。
「ヘンリー様ー。今日から一週間、臨時の専属メイドになりました。セレスティア・デイサンズともうします」
「………セレス?」
「はい、セレスでございます」
「………何で?いるの?」
「長くなりますよ?」
「問題ない。暇だし」どこが。めちゃくちゃ具合悪そうですぜ。
どこか冷たいのは避けられてる?
「シャーロット様が遠出で、その間臨時の専属メイドに雇われまして。そして行ってみたらヘンリー様だった、と言う訳でして」
「そうなのか」どこか感心して、納得していた。
いや、納得しないでよ!
「そう言うわけなので、なにかやることはこざいますか?何なりとお申し付けください」
「何でも?」
「はい。私に出きることでしたら何でも」
「そう。じゃあ、傍にいてくれる?」
「………はい?」
「傍に、いてくれる? ……駄目かな」
「い、いいえっ!大丈夫ですっ!」
「そう、ありがとう」うん。何か穏やかな笑みを向けられたのですが?
★ ★ ★
傍に居るのは良いけれど。
何もしないのも専属メイドとして嫌だ。
横になって休んでるヘンリーだけど、やはり辛そうだ。
私に出きることは何一つ無い。
……それはある意味悲しい事だと思ってしまう。
この世界の現実は前世よりも重い。
私が前に言ったことも、所詮は綺麗事に過ぎないし、私は健康そのもの。どんなに怖がられても、どんなに恐れられても変わらない。人と違うのはその人にとって畏怖の対象だ。
同じ人間だと言う事は知っている。
だが、怖いものは怖い。
人と違うというのはそう言うことだ。
分かっていても、だ。
きっと人によるのは確実だが、現実はそう甘くない。
嬉しいだとか悲しいだとか所詮は人間の感情でもある。
その気持ちが畏怖を引き起こしているのか、いないのか。
私は内心、溜め息が出る。
「私に出きることは、無いでしょうか」
私はヘンリー様の事を分からないから、何も出来ない。
きっと私は裕福なのだ。
ある程度の生活は出来て、シャーロット様の傍にいれて、こんな幸せな事は無い。
………傷付いているのは、ヘンリーだけじゃない。
畏怖の対象とされる全員が傷付いている。
「私には出来ないから、せめていつまでも微笑っていられますように」意味は籠らない。ただ、純粋な気持ちだ。
早く良くなってシャーロット様の所に来てね。
そんな気持ちは、あるのかも。
ヘンリーがほんの少し微笑ったのを私は見逃さなかった。
ほのぼのした感じをイメージした筈なのですけれど……。




