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第5話 DTED

この話でいったん区切ります。

頭の悪い下ネタ注意。

 その日の晩。

 カケルの部屋にはカケルとココロと、ぷかぷかと浮いているおいちゃんがいる。

 おいちゃんは何も言わずに、悲しい目をして2人を見つめていた。



「・・・・・・・・・・・・ココロ。もう満足しただろ」


 ポプルン。ポプルルン。


「・・・・・・なあ、ココロ。頼むから」


 ポポプルルン。ポプルルルルン。


「ココロ、いい加減怒るぞ」

「えへへー、カケルくんありがとう」


 ココロは興奮で顔を赤くしながら、手をワキワキさせて感謝した。

 先ほどまでひたすらめたもるふぉーぜ☆したカケルの胸を触ったり揉んだりしていたのだった。

 ココロは両頬に手を当てて満足げに息を吐く。


「カケルくんのおっぱい本当に凄いよう。マシュマロなんてもんじゃないもん。新体験の新感触だよ。何度でも触りたくなる魔性のおっぱいだよう」

「・・・・・・なあ、おいちゃん。変身解いてくれるか」


 キャアア、と可愛らしい悲鳴をあげるココロから目をそらし、カケルは死んだような目でおいちゃんにお願いする。おいちゃんは深くうなずいて手を叩く。するとめたもるふぉーぜ☆が解けて元の姿へと戻った。ちょっと残念そうな顔をするココロからカケルは必死に顔を背ける。

 そして話の内容を変えようと、おいちゃんに尋ねる。



「それでちゃんと説明してほしい。おいちゃんは何者なのか。何で戦うのにわざわざ変身しなくちゃいけないのか」

『そうやんなあ。どこから説明せんといかんかのう』

「ねえねえ、何でおいちゃんはそういうしゃべり方なの? 独特なしゃべりとイントネーションで、関西弁にしてもおかしいし。それに日本語としても安定してないよね」


『じゃあまずココロのじょうちゃんのギモンから話そうか。おいちゃんはな、異世界から来たセーレーなんよ。いろんなワールドまわるんけど、どうしてもワールドによって言葉かわんねん。それでもしゃべらなあかんから、むりやりしゃべっとるっちゅうわけや。おいちゃんのモットーは「きさくに。気楽に。とりあえずコミュニケーション」だからカタクルシイ言葉はつかえんのよ。むりやりはなすわけだから、しゃべりもアンテイせんしなあ』

「それって『ヒラガナ』『片仮名』『かんじ』みたいになっちゃうってことなのかな? あといろんな国の言葉を使えるけど、母国語ってわけじゃないから一定しない、と」


 ココロはおいちゃんの説明に完全に納得したわけではないが、とりあえず理解はしたらしい。ふーん、と相づちを打って会話を止める。

 逆にカケルの方は「異世界」や「精霊(変な言い方だったが、おそらくこれだと思われる)」という単語に頭を悩ませる。ただそういったファンタジー要素があるのならば、今朝のバトルに説明がつく。だからこそカケルはそのことに関しては口を挟まなかった。




「つまりおいちゃんは今朝のエビルっていう化け物を倒すために異世界から遣わされたってわけか」

『せやで。おいちゃんのパワーはそのワールドのヒトに乙女戦士(ヴァルゴファイター)の力を与えるんや』


 乙女戦士(ヴァルゴファイター)。その単語は今朝もエビルが口にしていた。

 カケルが変身したのもその力によるものだと理解した。


「だけど何でそれで俺が乙女戦士にならないといけなかったんだよ」

『それでたすかったんやで。もんくいわれるんはおかしいやろ』

「でもだからってあんな格好。もうちょっとなんとかならなかったのか」

『そないなこといわれてもなあ。「乙女」のパワーかりるわけやし』


 おいちゃんはブスーとふてくされる。


『乙女戦士にならなエビルはたおせん。どんなマホーでも兵器でもムリ。だからそのワールドのヒトに乙女戦士になってもらわんとあかんの。それともなにか? カケルはココロのじょうちゃんに戦えいうんか』

「そんなこと言ってないだろ」


 おいちゃんの言葉にカケルは目と語気を鋭くする。しかしおいちゃんはそれに怯えることなく話を続ける。


『ま、どっちにしてもココロのじょうちゃんは乙女戦士になれん。乙女戦士になんには条件が2つあんねん』

「条件?」




『まず、童貞か処女であること』




 次の瞬間、おいちゃんがカケルによってはたき落とされる。カケルの手には傍に置いてあった雑誌が握られていた。おいちゃんは床にバウンドしてから倒れ込む。そして頭を押さえて起きあがった。



『なにすんのやあああああああああ』

「お前が変なこと口にするからだろ」

『ほんとのことやからしゃーないやろ! 乙女戦士いうんやから清いカラダでないとあかんの!』

「だからって、そんな堂々と言うやつがあるか! 大体それどうやって判別してんだよ!」

『アンシンしいよ。カケルは童貞やし、ココロのじょうちゃんも処女だから。それにかんしてはどっちも条件はずれてへん』

「そんなこと聞いてねえんだよ! いい加減にしろよこのボケライオン! その鬣と耳ネズミにかじらせて強制的ド○えもんにしてやろうか!!」

「カケルくん、声大きいよ。カケルくんのご両親びっくりしちゃうから」


 カケルの叫びにココロが慌てて仲裁に入る。

 おいちゃんは再度宙に浮かび、カケルをにらむ。


『おいちゃんの存在がみえるのは、童貞処女しかおらんねん。カケルの父ちゃん、母ちゃんにおいちゃんのことはみえないし、なにもきこえんの。だから騒いでもおいちゃんのこえはきこえんからな』


 つまりカケルとおいちゃんがが叫んだとしても、部屋の外にいる両親にはカケルの声しか聞こえていないことになる。過去、カケルはココロに暴言や暴力を振るったことがあるので変な誤解をされても困る。カケルは怒りをなんとか押しとどめた。





『んで2つめは、乙女と相性のいい星にうまれたこと。これ異世界だとさがすのムズイんよ。でもこのワールドは楽やったわあ。なんせ星座っちゅうんがあるからな。乙女座であればオールOK』

「そっか、カケルくん乙女座だもんね。私は射手座だからダメなのかあ」


 納得がいったようにココロは何度もうなずいた。未だ苛立ちが治まらないカケルは鼻で笑い、おいちゃんの方を見ようとしない。


「つまりお前ら精霊は条件さえ合えば、誰でも戦わせようってわけかよ」

『いんや。もうおいちゃんは乙女戦士は男にしかさせへんおもうてる』


 その言葉を聞いてカケルは複雑な表情をおいちゃんに向ける。


「何、そういう趣味あるのか? 怒り通り越してドン引きだぞ」

『おいちゃんをなんだとおもってんの。おいちゃんはいろんなワールドで乙女戦士のパワーあたえたんやぞ。はるかむかしじゃ、乙女戦士はみんな女やったし』

「むしろあの格好になるなら、女が普通だろ」


 カケルの返しにおいちゃんは悲しげに目を伏せた。その姿は哀愁を漂わせる。


『ただなあ、女の子たちがバトルしてきずつくんはもうみたないねん。戦いに男も女もかんけいないいうたって、女のこがバトルして怪我して泣くのいややねん。逆においちゃんの方がトラウマになるわ。そうおもわんか、カケル』

「まあ、わからないわけでもないが・・・・・・」

『せやから男ががんばらんかいっちゅうことや。まあ、男は戦ってナンボやろ。たしょうのトラウマくらい男やったらはねのけんかい。はっきりいうて、おいちゃんも男やから同じ男がどうなろうとそんな罪悪感かんじんしな』

「最後の発言が本音だろ絶対」


 胡乱な目をしてカケルが言う。おいちゃんはパッと表情に戻すと、体を横にして頬杖をつく。そして大きなあくびをかいた。


『ほかにもおいちゃんが乙女戦士を男にするワケあるんよ。乙女戦士はヒトの精力によってパワーがかわんねん』

「せ、精力って・・・・・・」

『そなことではずかしがってどうすんの。だからDTちゃうんかい』

「だからそれは関係ない!」

『話つづけるで。女は周期でパワーがかわるけど、男はエブリデイふる稼働。だから精力をパワーにかえんのに、男のほうがツゴウええの。パワーにかえるから女のこは生理こーへんし、男はスタンドアップせんくなるけどな』



「ちょっと待て」



 カケルは怒りの赤から、焦りの青へと顔色が変わる。

 おいちゃんの言葉に背中に嫌な汗が流れ続ける。




「おいちゃん、今何て言った?」

『女のこは生理こーへんし、男はスタンドアップせんくなるけどな』

「おい、それってつまり・・・・・・」

『このワールドのことばつかうんなら、「ED」やな』




 その瞬間、カケルは立ち上がり急いで(といっても右膝の故障により、速歩きであるが)部屋を抜け出した。しばらくして(トイレ)の閉まる音がココロとおいちゃんの耳に入る。

 十数分後、おぼつかない足取りでカケルは自室に戻ってきた。

 そして右膝が痛むのもかまわず、ガクリと膝をつく。手のひらまで床につき、うなだれている。



「俺のが・・・・・・俺のが、完全に不能に」



 これ以上とない絶望を含んだ声が、カケルの口から漏れる。

 普段のカケルであれば、ちょっとした下ネタも口にすることはそうそうないのだが、このときばかりはカケルの精神が崩れていた。

 そばにいるココロも、あまりの悲愴感に「うわー・・・・・・」と小さくつぶやいた。


「おい・・・・・・おいちゃん」

『なんや?』

「お前を殺せば、乙女戦士はやめられるのか?」

『おいちゃん死んだことないからわからんわあ。それにそうなったらこのワールド、ジ・エンドやで。ココロちゃんのじょうちゃんもしんでまうよ』



「くそったれがああああああああああああああああああ」



 カケルの叫びが家中に響く。

 数分後、息子の発狂した声に心配した両親をココロが説得するのであった。





『なあなあカケル』

「・・・・・・なんだよ」

『トイレでかくにんしたとき、オカズはなににしたん? やっぱココロちゃんか?』

「お前は本気で一回死ね!!!」





 これは「DT」なのに「ED」となってしまった少年が、早期解決を目指すため乙女戦士(ヴァルゴ・ファイター)として奮闘するお話である。



大学時代に見た夢

DTの少年が乙女戦士になってEDになり、さっさと終わらせたいために敵と戦うという話。


夢の中でココロはカケルが乙女戦士になったことは知らなかったし、マスコットキャラはもっとゲスイ性格してました。

でも根底の設定は夢で見た内容と、この話の内容は同じです。


……酷い話だ。


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