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DTED・乙女戦士(ヴァルゴファイター)  作者: カタリノ
この作品には、下ネタがキーワードに入ってます
43/61

第4話 離れても繋がる大切なもの

小学生レベルの下ネタ注意

 ビュオオオオオオオ


 校庭に風が吹き荒れる。日差しが強く地面を照らす。

 ぽたり、カケルの頬を汗が流れ落ちた。




 ブブブブブブブブブブブブブ


 エビルの股の間のドリルが震える。

 ブルン、ドリルがさらに上下に揺れた。




「もういい加減にしろよおおおおおおおおおおおお」


 カケルが力強く叫びながら、股間のドリルを指した。

 治まっていたはずの吐き気がまたぶり返してきた。


『ドリリリリリリリ。私のドリルに恐れを為したか』

「ある意味、恐怖だよ。運営とかに目付けられないかいろいろと不安だよ」

『何を言っているのかわからないな。私は股の間からドリルを出しただけにすぎない。そもそもこんな小学生の下ネタ程度のことでゴチャゴチャいうほど、この作品を他人が見ていると思うなあああああ。これで文句あるならば下ネタなんぞできぬわああああ』

「そもそも下ネタに走ろうとするなあああああ」


 意志疎通ができるのに、いやできるからこそ、カケルはこのエビルが最低最悪のエビルだと決めつけた。もう対峙するのもしんどかった。カケルはダッ、と走り始める。

 さっさと倒そう。そう決めた。すぐにでもこの猥褻物陳列罪を潰さなければならない。


『来るか、乙女戦士(ヴァルゴファイター)。私のドリルの錆にしてくれよう』


 両手と股間のドリルが回転する。

 それが目に付いてしまったカケルはさらに走るスピードをあげた。






「とうっ!!!」


 そこに現れたのは乙女戦士に変身したトールだった。

 テレポートによって飛んできたトールは、エビルと対峙するとギョッとした。


「常時、臨戦態勢・・・・・・だと」


 エビルを見て、特に例のドリルを見て、トールは冷や汗を流した。そしてギリィと歯を噛んだ。


「テメェ・・・・・・こっちのブツは役に立たねぇのに、そっちはいつでもスタンドアップだってのかよ!!」

「そういう反応しなくていいわ!」

「テメェは絶対にぶっ倒す!!!」

「こんなに最低な宣戦布告もそうそうないからな!!」


 トールの言葉にカケルがツッコミをいれた。

 すぐさまトールが構えに入る。


投球用意(セット)


 右手にボールが現れる。トールはすぐさまそれを握った。


乙女入魂(ヴァルゴショット)!!」


 そしてかけ声とともにエビルに投げつけた。エビルに向かって回転を上げながらボールが放たれる。

 エビルの瞳がキラリと光る。そして両手のドリルの回転が増した。そのドリルを体の前で構え、ボールを受ける。ボールの回転とドリルの回転が重なり、火花が散る。そしてボールは勢いよく弾かれた。

 トールは舌打ちをして、弾かれ戻ったボールを捕る。その光景を見てカケルも、冷静に頭を働かせた。


 エビルの両手にあるドリルの威力は凄まじい。もしも乙女による防壁(バリアー・バイ・ザ・メイデン)でエビルに突撃したとし、その盾が弱かった場合、盾が壊れた瞬間にあのドリルで体を抉られるだろう。


処女充電(メイデンチャージ)をできる限り貯めて、乙女による防壁(バリアー・バイ・ザ・メイデン)を強固にすべきか。それとも他に方法が・・・・・・)


 カケルが悩みながらもとにかく走る。何にしても処女充電が溜まらなければ、次に進まない。

 そして攻撃を弾き返されたトールは苛立たしげにボールを握りしめた。

 トールの怒りの表情にエビルがニタニタと笑いながら、トールに向かって走り出した。その足は遅くも速くもない。しかし鋭く回転するドリルが迫ってくる姿にトールはたじろいでしまう。

 トールの動きが一瞬だけ止まったのを見計らい、エビルは走りながらドリルを地面に突き刺し、地面を抉りながら腕を振り上げる。土が上空に舞い砂埃となる。トールは思わず目を閉ざしてしまう。




「おい、前!!」


 カケルの叫びが聞こえ、薄目を開けるとエビルが近くまで寄っている。エビルは右手を後ろに振り上げた。そして前へと突き刺した。

 トールはギリギリ顔をずらしそれを避ける。しかし今度は第2撃となる左手を突き出した。それもなんとかスレスレのところで体をそらし避ける。反射神経においてトールはカケルよりも勝っている。

 エビルは再度右手のドリルをトールに向けようとして、動きを止める。そして勢いよく後ろを振り返った。数mほどの距離にまで、カケルが近づいていた。すぐさまエビルはドリルをカケルに向ける。

 それを難なく避けたカケルは、トールの側まで駆け寄るとその体を抱き抱え、エビルから距離をとる。


『さすが乙女戦士。そのスピードと反射神経は厄介だ』

「こっちもそのドリルは厄介だよ」


 トールを降ろしながら、カケルがエビルに返す。トールも体勢を整えエビルに視線を集中させる。視線はそのままにトールがカケルに話しかける。


「おい、お前の攻撃手段って何だよ。俺、知らねぇんだけど」

乙女による防壁(バリアー・バイ・ザ・メイデン)による結界で周囲を覆って突撃。走る分だけ結界が強くなる。逆に走らなかったら結界すら作れない」

「だからお前、無駄に走ってたのかよ」


 トールが顔をしかめる。カケルがすぐに攻撃に移れないことを悟ったようだ。


「つまりどうすりゃいいんだよ」

「とにかく走って処女充電を貯めて結界強くするしかない。だから防御とかの壁を作る余裕はないから、それまで打出は打出でなんとかしろ」

「なんとかって、俺の攻撃効かなかったじゃねぇか」

「効かないというより、あのドリルが邪魔なんだ。ドリルに邪魔されずに打出の攻撃を当てるには・・・・・・・・・・・・あっ」


 ふとカケルがあることを思いつく。そしてボソリとトールに話してみた。聞いたトールはなるほどと手を打った。






 カケルがトールから離れて走り出す。トールは右手のボールを軽く上に投げた。

 エビルがトールの方を向き、ドリルの回転を緩める。


『ドリリリリリ。青の乙女戦士、貴様の攻撃は弱すぎる。それでは私のドリルに傷すらつけられぬわ』

「やってみなけりゃわかんねぇだろうが」


 トールはそう吐き捨てながら、またボールを投げつけた。

 先ほどと同じように鋭い回転でエビルへと向かっていく。

 エビルもまた同じように両手のドリルを回転させた。そして向かってくるボールを受け止めようとする。




 それを見たトールが右の手首を動かす。

 するとボールはグリン、と進む方向を変える。両手のドリルの下を潜り抜けようとした。


『ボールの進む方向は変えられないのか』


 それは先ほどカケルがトールに言った言葉である。

 そしてトールも初めて乙女戦士になったとき、投げたボールの軌道が急に角度を変えたことを思い出した。

 つまりボールの動く道はトールの思いのままということだ。




 まるで生き物のように動きを変えたボールにエビルは焦る。


『させぬわ!!』


 すぐさまドリルでボールを叩き落とした。しかし叩き落ちたボールは回転が収まることはない。地面で回転しエビルへと向かっていった。

 ボールが叩き落とされた時点で、トールはその攻撃をあきらめていた。だから落とされたボールが地面を勢いよく跳ねたのは想定外だった。






 跳ねたボールは、


 エビルの股間のドリルに直撃した。






『#$%&+`*?>+`@;!!?』


 エビルが声にならない叫びをあげてその場に膝を着く。


 その痛々しさを見て、トールは返ってきたボールを受け取りながら顔を歪める。

 カケルも思わず立ち止まり、青い顔をした。

 カケルもトールも思わずエビルがぶつけた場所と同じ部位を押さえ、今女の体になっていることを思いだしすぐに手を離した。


「あ”あ、悪い・・・・・・。さすがに、それは、するつもりじゃ、なかった」

「打出、お前・・・・・・それはねぇよ。ちょ、おま、あ、いて、いたた」


 敵とはいえ、その痛みがわかるトールとカケル。自身も痛くないのに、痛い気がする。

 エビルはプルプルと立ち上がる。


『乙女戦士・・・・・・、女はすぐにそうやって護身のために、男の急所を狙い打つ。そういうの良くないと思うぞ!!』

「悪い。本当に悪い。そのつもりはなかった」

『許さん。絶対に許んぞ、乙女戦士』



 エビルは両手のドリルを顔の前で交差させた。


『ドドドドドドドドドドドドドドドドドド』


 そしてそう叫ぶ。あくまでエビルの叫び声である。決してあの効果音ではない。

 エビルは交差させた両手のドリルを、勢いよく体の横に移動させる。そして起こった光景に、カケルもトールも言葉をなくした。



 エビルの股間にあったドリルがエビルから離れ、空を飛んだ。

 映像であったら、モザイク処理が空に浮いていただろう。




「ムスコが、空を飛んだだと!!!」

「声に出すな!」


 トールの言葉を被し気味にカケルが答える。

 だが2人ともその宙に浮いたドリルを凝視してしまう。

 エビルが高笑いをする。


『私のこのドリルは特別製でな。私の側から離れ、私の意志で動かすことができる』

「過去1番最低の技だ!!」


 カケルが叫んだ。トールは疑問に思い、エビルに尋ねる。


「なあ、じゃあお前今女なわけ?」

「凄まじくどうでもいい質問だ」

『離れていても繋がっているものは存在するんだ!!』

「かっこよく返す言葉でもない!」


 トールとエビルの会話に、カケルがツッコミを入れる。










「ヴァルゴレッドさん!?」


 突如聞こえてきた声に、カケルは慌ててその方を向いた。

 校庭に入ってきた2人の姿。声をかけたのはトーカ。そしてその後ろにはココロがいる。



「何でよりによってこのタイミングだよ」



 カケルは叫ぶ元気すらなくなり、頭を抱えるのであった。

やっちまったぜ!!

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