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第3話 めたもるふぉーぜ☆

こっからテンション変わります。

ギャグです。女体化、女装注意。


衣装、ちょっと編集しました



 カケルの肩を、テシテシと何かが叩きつける。


『あにさん、あにさん。おいちゃんと会話してーなー。めっちゃさみしいんよ。おいちゃんはなあ、さみしくなったらしんじゃうんよ。おいちゃんの心はセンチメンタルなのよ』


 めっちゃいい声をした何かがテシテシと叩き続けながら声をかけ続けている。霞んだ視界にはそれが何なのかはわからなかったし、死ぬ一歩手前状態のカケルにそれを尋ねる余裕などなかった。ただめっちゃいい声をした何かがいるのだけはわかった。


『まあ、おいちゃんのことはみえそうだしええか。じゃあちょいとききたいんだけど、あにさんの星座おしえてくれん? あ、むり? しゃべれない? デスヨネー。しょうがないから、かってにのぞかせてなー』


 めっちゃいい声をした何かは勝手に自己完結すると今度はカケルの頭をテシテシテシテシと叩き続ける。


『誕生日は8月27日、星座は乙女座。よっしゃ、どんぴしゃ。さすがおいちゃん』


 めっちゃいい声をした何かはカケルの髪をギニュッと掴む。声だけ聞くととても嬉しそうだ。

 しかしやはり瀕死状態のカケルには気にかける余裕はなかった。



『んじゃ、さっそくめたもるふぉーぜ☆といったるかい』



 その言葉と共に、カケルは自身の体が白く光り輝くのがわかった。首を締め付ける触手がドロドロと溶けていき、そしてジュワと消えてしまう。そしてその光は辺り一面に広がった。




『ナ、ナンダッ!?』


 魔物もその光に驚いた声をあげる。しかしカケルは魔物より、めっちゃいい声をした

何かより、ただココロの方を見た。ココロに巻き付いていた触手も溶け始めている。そしてココロの体はその場に落下する。


「ココロォオ!!!」


 カケルは飛び上がり、ココロの体を抱えると地に降りる。目を閉じて力のないココロに、カケルは鼓動を激しくしながら何度も呼びかける。もしこのまま目を覚まさなかったら、という強い不安がカケルの心中をよぎる。

 しかしココロはゆっくりではあるが、目を開き始めた。それにカケルはほっと息をつく。次第にココロは目をシパシパさせて目を丸くする。


「ココロ、良かった。大丈夫か」

「え、え? もしかしてカケルくん・・・・・・なの?」


 ココロは驚いたようにカケルを上から下まで見る。




「カケルくん、どうしたのその姿?」



 そしてそう告げた。

 カケルはココロの言う意味がわからず首をひねり、自分の体を見て、そして固まった。




 先ほどまで来ていた学ラン成分はどこにもない。

 肩むき出しの真っ赤なドレス。スカート丈は膝より上でフリルが揺れる。スカートと赤のブーティーの間から生足がよく映えた。両腕にはロング手袋がはめられ、左手にはラメが輝く白の腕時計がついている。髪も黒から赤に変わり、大きなリボンで止められたポニーテールが腰の辺りまで伸びている。

 そして何よりないはずの豊かな胸がそこにはあった。

 説明がめんどうなので、プ○キュアの巨乳バージョンと考えてほしい。




「な、な、な、な」


 ココロを降ろし、改めて自分の格好を見たカケルは言葉にならなかった。

 自分は男のはずで、先ほどまで高校指定の学ランを着ていたはずだった。何がどうしてこうなった。おそるおそるカケルはその巨乳に触れてみる。感覚がある。どうしよう現実だ。


『よっしゃ。めたもるふぉーぜ☆だいせいこうやね』


 そう言ってぷわりとカケルの前に現れたのは、カケルが死ぬ寸前に聞いためっちゃいい声をした何かだった。

 それは子猫や子犬サイズの、鬣を持った大人のライオンのような物体。しかし瞳や顔つきは子供ライオンのように可愛らしい。それが宙を浮いてテシテシとカケルのほっぺたを叩く。


『さっすが、おいちゃんやわ。あ、あにさん、カケルいうとったな。おいちゃん、シシルシエール・ライ・オイ・チャンいうんやけど、おいちゃんって呼んでええかんな』


 テシテシテシテシテシテシテシ。

 めっちゃいい声でおいちゃんはカケルのほっぺたを叩き続ける。

 カケルはおいちゃんの体を手で力強く捕まえた。その目は据わっている。


「どういうことか説明しろ」

『ちょいまち。身が、身がでる。グロ映像まったなしになるから。キレるわかものマジこわい』

「いいから、何で俺はこんな格好になってんだ。それに、こんな、女の体に・・・・・・」


 カケルは自分の体を見下ろして徐々に顔を赤くする。ドレスから見える胸の谷間に、思わず目を瞑ってしまう。


『説明してもいいけど、そんまえにやらなあかんことあるやろい!』

「この状況で説明以外の何が優先だ!」


 カケルはおいちゃんを強く握る。おいちゃんは苦しさに「キュエエエエエエ」と鳴くがめっちゃいい声なので、可愛らしさはまったくなかった。ただの断末魔である。

 カケルは苛立ちに掴む手に力を込めていたが、不意に視界の端から黒い触手がこちらへと向かうのが見えた。すぐさまおいちゃんを手放し、ココロを横抱きにすると飛び上がり早足でその地点から走り逃げる。カケルを捕らえることはできず、触手の攻撃は空振った。



『グギギ、乙女戦士ヴァルゴファイターメ。コロス、コロスウウウ』


 魔物が憎々しげに口を開く。カケルは聞き慣れない言葉、そして妙にスースーする脚や腕やうなじに眉を寄せる。未だに危機的状況から逃げられないという不安感と、女装(体も女性なので女装といえるかは不明であるが)という今のファッションスタイルに疑問と情けなさと苛立ちとが混ざり合い、カケルは悲しめばいいのか怒ればいいのかわからなかった。




「カケルくん」

「ココロ。怖いだろうけど我慢してくれ。逃げ道探すから。それとあんまり俺を見ないでくれるとありがたいんだが」

「おっぱい触っていい?」

「この状況で何言い出した!?」


 ココロは両手で口元を押さえながら、カケルの巨乳を凝視していた。特にドレスから覗く谷間に視線が集中している。


「今さっきカケルくんが私を抱えて逃げたときに、腕におっぱいが当たっちゃったの。そしたらね、そしたらね、おっぱいがプルルンのポヨンポヨンしたの。私の腕にねプルルンのポヨンポヨンしたの。凄い新感覚に思わず感動しちゃって。心の中でヒャアアとかキャアアとか叫んじゃって。カケルくん凄いよこのおっぱい。プルルンのポヨンポヨンで、あえて言うならポルルルルンって感じだった!」

「いや、説明されても困るんだが」

「このおっぱいサイズいくつなんだろ。Eかな。Fかな。もしかしてGなのかな。私なんかつい最近、Bカップになったばっかりなのに」

「そんなことカミングアウトされても困るんだが!!」


 カケルは真っ赤な顔でココロから顔を背け叫ぶ。キラキラとした瞳の幼なじみの視線に泣きたくなった。

 そんなカケルの目の前を申し訳なさそうにおいちゃんが、ぷわぷわと浮かぶ。


『なかいいとこ、わるいなあ。そろそろエビルとバトルファイトしてほしいんやけど』

「エビル?」


 聞き慣れない言葉をカケルは聞き直す。


『エビルいうんは、あのバケモンのことや。あれヒトの命ころしてめっちゃデカくなんねん。このまんまにしたら地球終了のおしらせやで。にげるんやない、とっこうや』

「サラッととんでもないこと言うなよ。というより何で俺がこんな格好に」

『いっぱんピーポーがエビルと戦うんにひつようなんよ。ええやん、あのまんまやったらカケルも、じょうちゃんも死んどっとんやし』

「それには感謝するけれど。でももうちょっとなんとかならなかったのか。特にこの・・・・・・胸、とか。スカートも短くて、落ち着かないし」

『なにはずかしがっとんの。ウブやなー、DTやなー』

「うるっさい!!」



 カケルは既に「なんでもする」と心中で叫んだことを後悔していた。



ココロを気絶させるか悩みましたが、カケルの恥ずかしさを上げるため起こしました。

ちなみに数年前に夢で見た内容に少し脚色したものになります。夢の中では、おいちゃんはリスでした。


……夢の中で女体化した少年が触手とバトルとか、改めて酷い夢だな。

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