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番外編その1 彼女の1人勝ちでした

前話での後。ココロとトーカの話。


本当は前話に入れたかったが収集つかなくなりそうだったので番外編に。


(と、とりあえずモデルはやめないってことでいいんだよね)


 カケルとトーカの会話を聞いて、ココロはほっと胸をなで下ろした。そしてトーカの姿を頭のてっぺんから足の先まで凝視する。まばたきすら最低限だ。鼻息が荒くなりそうなのを必死で抑え込んでいた。


(トーカちゃんだああああああああ。生トーカちゃんだよおおおおおおお。あばばばばば、美しいよ。神々しいよ。どうしよう、たった今この地に女神が光臨なさっておいでですよ。顔ちっさ、手足なっが、スタイル素敵、なによりお美しい、可愛い!!!)


「ほわあああああああああああああ」


 思わずココロの口から声が漏れる。

 その声にトーカがココロの存在に気づく。今までカケル(ヴァルゴレッド)しか見えていなかったため、その他の存在に一切気づかなかったのである。


「何アンタ?」


 カケルがいたときのしおらしい姿はなく、ココロを蔑んだ目で見ていた。

 その冷たい瞳にココロは



(ひょああああああああああああああ。ありがとうございますうううううううう)



 めちゃくちゃ興奮していた。

 美人から蔑んだ目で見下されることに、ココロは感謝感激雨あられ状態だ。

 そんな心中でこの上なく喜んでいるココロに、トーカは目つきを鋭くして近づいていく。しかしほぼ神として讃えているトーカに近づくことにココロは躊躇いを感じる。そしてトーカが近づく度に、ココロは後退していく。

 それを怖がられていると勘違いしたトーカはさらに機嫌を悪くした。

 じりじりとココロとトーカの一進一退がしばらく続くが、ココロの背に壁が当たり、逃げられなくなる。そしてトーカはココロの側に寄ると、ココロのすぐ横をトーカの足が壁を蹴る。

 ギロリとにらみつけるトーカにココロは震えながらうつむいた。



(壁ドンされったあああああああああ。ブーム去ったけどトキメキはご健在です。ありがとうございます。うっひゃああああ、可愛い女の子の壁ドンだよ。何、私死んじゃうの!?)



 そして心中の叫びをあげる。「ん”んっ」と思わず声が漏れた。

 トーカはそれを怖がっていると勘違いし、威圧感を与えながら口を開いた。


「ねぇアンタさあ、ヴァルゴレッドさんとどういう関係なわけ?」

「ど、どういう関係と言われましても」

「じゃあ何でここにあの人とアンタが一緒にいたのよ!」


 キッと悔しそうにトーカが言った。

 ココロはというと近距離にいるトーカを直視できず、目を合わせすぐにそらすことを繰り返していた。その反応すらトーカには苛立ちでしかない。


「ちょっと話聞いてんの」

「はいいいいいい、聞いてます聞いてます。ご褒美です」

「はあ?」

「いえ何でもないです」


 思わず失言がこぼれるココロ。すぐに首を横に振る。

 怪訝な顔をするトーカだったが、気にせず話を続けた。


「で、アタシの質問に答えてくれない?」

「あの、乙女戦士(ヴァルゴファイター)さんとはいろいろと縁があるといいますか」

「はあ”?」


 トーカの脅し声に、ココロは胸に手を当て「ああっ」と喜びの声をあげる。


「あああああ、女神様ぁ」

「何叫んでんだか知らないけど、神頼みしたってアンタが逃げられるわけじゃないんだから」

「あの、既に私はあなたに捕らわれてると言いますか」

「アンタ鈍くさそうだもんね。この状況で逃げられないってのは理解してるみたいね」





 ツッコミがここに存在しない。





「まあ、いいわ。ヴァルゴレッドさんについてわかってること全部教えてちょうだい」


 トーカのセリフにココロは固まる。そして思考する。


(えっと、これはどこまで話していいのかな。私としては全て洗いざらい吐いても問題はないんだけど。トーカちゃんのためならば悪魔にでも魂売る気満々ですけれども。でもなあ、カケルくん=ヴァルゴレッドとは思わないだろうし。ここで全部吐き出したらトーカちゃんと会う機会もなくなっちゃうし)


 そこまで考え、ココロは決めた。


「ごめんなさい。私、あなたに話せることなんてありません」


 その一言にトーカの顔が歪む。


「アタシに盾突こうっての?」

「私はあなたのことをよく知りません。どこまで話せばいいのか、あなたを信用していいのか判断しかねています」


 だから、とココロは期待を込めて言い放つ。




「互いに連絡先交換しましょう。私が、あなたを信用できるように」











「いいやあっったあああああ。トーカちゃんの電話番号、メールアドレス、LI○E全てGETだぜ!!!」


 トーカと別れたココロは両手を握りしめガッツポーズをする。喜びで体が震えた。あまりの歓喜に涙が滲む。


「ああもうカケルくん本当にありがとう。カケルくんが幼なじみで良かったって、これほどまでに感じたことなんてないよ。ああもうカケルくん大好きい」


 るんるんとした歩みで、ココロは帰路につくのであった。


書き始めたときはヒロインこんなんじゃなかったんだぜ。

書いているうちにこうなったんだぜ……。

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