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第七十五話 受け継ぐ者

 この国に二人の国民的魔術師が誕生した。一人は戦士一強の時代を終わらせた者。そして、もう一人はスキルと併用して魔法を使えるようになり戦術の幅を大きく広げた者。


 この騒動は国内外に大きな騒ぎをもたらした。そのせいで俺とフォーチュンは街を歩けば大歓声が沸き起こるため、うかうか街を歩けなくなってしまった……。だが、こういうのも悪くない。


 一方ライナには俺たちが研究にいそしんでいる間に西で大暴れしているドレド帝国が作り出した魔人化のエネルギーで動く通称魔人兵器の討伐に向かってもらっていた……。


 魔人兵器は巨躯でありながら俊敏、しかも常時莫大な魔力で守られる魔力防御を持つ。そのせいで波動を合致させるか、魔力防御を突破できるほどの超高火力でなければ倒せなかった。だが、西には神聖ペンドラゴン帝国にいるアーサー、ランスロット、マーリンの三人のみしか波動を扱うことが出来ない。そのため、西の地方は壊滅的な被害を受けていた。


 しかし、ライナが西に向かった事で戦況は激変する。ニース並みの身体能力に世界最高峰の聖力操作を持つライナにとって、魔人兵器を倒すことは造作もなかった。


 トレド帝国が作り出した百体の魔導兵器のうち八十三体をライナが倒したというのだから驚きだ。そして、討伐完了までの日数およそ一週間。凄まじいスピードで撃墜した事になる。はたして、今のライナに勝てる人間が一体何人いるだろうか……?


 そして、ライナもまた世界的英雄になり、俺たちのパーティーはシンドバットパーティーに続いて世界最強のパーティーとして世界から認識される事なった。アカデミーで魔術師になりたいと言って笑われてから十年、ようやくここまで……。


 今のアカデミー生は性別に囚われずに夢を言えるようになった。例えば、女性が戦士に、男性が魔術師に……。昔なら考えられなかったことだ。


 そして、昔なら考えられなかったといえばもう一つ。これまでの研究でスキルを編集出来る可能性が見えてきたのだ。というのも、スキルの魔法式にロックのようなものが発見され、ロックを解除する事で魔法式を改竄出来るようなシステムになっていたのだ。


 これは世紀の大発見だった。なにせ、今までスキルは一度決められたら絶対に変えられないと思っていたのだから。何より、スキルの編集が可能になればニースの願いである“シオンの救済”が成就される。そして、これを最終目標として研究が再発進された……。


 それから、さらに十年の月日が経った現在。俺達はとうとうロックの解除に至る……。


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