第六十九話 Guardian
「アイリス、アイリス!!」
波動を感知してみたが何も感じない……。本当に、本当に……もう……。そう思うと、俺の中に深い絶望と共にニースへの憎しみが膨れ上がっているのを感じる。アイリスが命を賭けて更生させようとした生徒を俺は……殺したくて堪らない。頭では分かっている。アイリスの行動の意味と望みを。だけど、アイリスを奪ったという事実が理解を拒絶する。俺はどうしたら……。
絶望に暮れているとフォーチュンとアリシャール戻ってきた。
「アイリス!僕のせいだ……。すまない……、シンドバッド。あの時アイリスの願いを断るべきだった」
「願い?」
「“夫に救われた人生を今度は私が守りたい。その力を夫には秘密で私に授けてほしい”と、建国して少し経った頃言われたんだ。きっと、夫は国にもしもがあった時に自分を犠牲に守ろうとするからって……」
「アリシャール、お前は何も悪くない。実際俺はその通りで今、俺がここにいるのはアイリスとアリシャールのおかげだ。……、分かった。アイリスの意志を酌んで、この封印術は禁術にする」
「さて、そうと決まったらニースを確保しないと。もうこれ以上被害は増やせない」
俺たちはニース逮捕のため、現地に赴くとそこには地獄が広がっていた……。ニースが立ち向かってくる数多の冒険者達を蹂躙していたのだ。ニースの強さは想像以上で如何なるスキルも波動の合致で即座に無効化していた。加えて圧倒的身体能力。波動で動きが予測できても動けなければ意味がない。そのため、S級冒険者ですらも瞬殺だった。
「まずいな……、早く止めねば国が崩壊する!」
「けど、あんな怪物どうやって止めれば……」
皆が国の滅亡を覚悟した時、独特な服を着た一人の女性が突如ニースの横に現れた。
「もう十分です。行きましょう、約束の地へ」
「そうだったな……目的は達成された」
そう言ってニースと謎の女性は時空間魔法でどこかへと飛んで行った……。となれば、次はS級モンスターの処理だ。だが、先程まで感じていた憎悪が感知できない。それどころか存在そのものが消滅している。
「フォーチュン、S級モンスターはどうしたんだ?」
「アイリスがニースの魔力を全部奪ったでしょ?あの時、S級モンスターにかかっていた精神魔法も解けたみたいなの。それだけじゃない、S級モンスターに掛けられていた身体強化魔法も効果切れを起こしたから倒すことが出来たのよ」
アイリス……、本当に俺は死んでもなお君に救われてばかりだ。ありがとう、この国を救ってくれて……。
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