第七話 世界神話
「では、お互いに杖を胸の前に構えて礼!」
と、先生が合図を出して礼をさせた。これは相手への敬意を表すとともに、感情と闘争本能を統制するためだ。授業が終わると、授業が終わった後に先生が話しかけてきた……。
「君、凄い魔力量だね。僕が今まで見てきた生徒の中でトップクラスに大きいウォーターボールだったよ。君ならかなり戦士になれるよ」
「ありがとうございます。けど、俺は魔術師になるつもりなんです」
そう言うと先生は少し驚いた顔をした。
「そうか、頑張ってね。男が魔術師になるのは大変だけど、君の魔力量ならきっと素晴らしい魔術師になれるよ」
俺はお礼を言って、次の授業に向かった。
次の国語学は各国に伝わる神話や伝承のついて学ぶというもので、今日はこの世界で一番有名な神話についての話だった。もちろん、俺みたいな小さい子供でも知っている。
少しするとブロンドの女性の先生が軽い自己紹介と授業説明の後、その神話の音読を始めた。
「むかしむかしあるところに、ブリソニア・アランという名のものづくりの得意な青年がいました。彼の国は決して裕福ではありませんでしたが、皆幸せでした……。
しかしある時、隣の国で人々が魔物になってしまう事件が起きてしまいます。その魔物達はとても強く、賢くもありました。また、魔物達は酷く人を憎んでおり人を見つけては手当たり次第に殺してしまいます。ついにはその魔物を誰も倒すことができず隣の国は滅びてしまいました。
隣の国が滅びると今度はアランのいる国に攻撃を仕掛けました。そこで、アランはその魔物から国を守るために草薙剣と言う一本の強力な剣を作ります。
その剣はどんな物でも切ることができ、今までは硬すぎて傷つけることが出来なかった魔物の皮膚も切ることが出来るようになりました。そうして魔物を倒すことが出来るようになります……。
やがて長く激しい戦いの末に東の果てに追い詰められた魔物達はアラン達への降伏と、今後人々に危害を加えない事を条件に自分達の国を認めてほしいと言いました。そこで彼らを魔人と呼ぶことにし、そこに国を作り平和に過ごしました……。
彼はその功績から英雄と呼ばれるようになります。その後アランもまた、東の最果ての地で愛する妻と共に平和に暮らしました……。
彼は晩年、魔人の脅威から人類を守るため、世界各地に20のダンジョンを建造しました。そのダンジョンの奥には神器が秘められており、人類はその力によって魔人から身を守れるようになりました。この力によりアランが亡くなっても人類と魔人の力関係は同じくらいに保たれました。
そして、この世界に平和が作られましたとさ……。おしまい」
先生は静かに本を閉じた。辺りを見回すと何人か寝ていたので、その本で頭をバシッと叩いたて話を続けた。
「皆さんも知っている通り、人間はその後神器を人類同士の戦争に使ってしまいアランが作った平和は壊されてしまいます。どんな物でも要は使いようです。本だって誰かさんのように昼寝の枕にするか、その中にある知識を得るかで全然違いますよね?そういうことです。さて、そろそろ終わりの時間です。よく頑張りましたね。では、さようなら。」
その言葉を待ってましたとばかりに、脱兎のごとく男子生徒達は飛び出していった。アカデミーの一日はこんな感じで過ぎていった。そうして、秋が過ぎ、冬が過ぎ、春も中旬を迎えたころ、期末試験が近づいてきた。この間に色々あったが、それは後々語ろうと思う。ひとまずはこの試験に受からなければならない。受かりさえすれば、後はひと時の自由なのだから……。
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