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第六十三話 Buddy

 アリシャールの“インドラ”による雷撃とルキウスの“プリティヴィー”による砂の弾丸がぶつかった……。だが、絶縁体である砂に雷撃が効かないと気づいたアリシャールはフォーチュンを呼ぶことにした。フォーチュンのスキル“アグニ”は万物の炎を操作し増幅する能力を持つ。おかげで家の鎮火はすぐに終わったが、家族を救うことは叶わなかった。火傷後は皆無だったことから、殺害が最優先で行われたのだろう……。


「フォーチュン!ルキウスの相手を頼む。分が悪いんだ」

「ちょっと耐えてて!今いく」


 すると、フォーチュンは手に持っている蠟燭の火を数百倍に増幅させ数百人の敵兵を薙ぎ払った。


「お待たせ」

「ありがとう」


 今度はフォーチュンとルキウスが対峙する形になった。火炎であれば相手が砂でも勝負になる。フォーチュンは火炎を繰り出すとルキウスは再び砂の防壁を貼り防いだ。そこで、より火力と密度を高くし弾丸のようにして再び放つと砂は赤く輝き液体と化した。おそらく、さらに威力を上げれば防壁を貫通することは可能だろう。


 すると、ルキウスはフォーチュンの真似をして砂を圧縮した弾丸を生成し放った。砂の弾丸を防ぐために聖力で防御しようとすると、突如弾丸が弾け飛んだ。


「何とか間に合った!」


 その声はシンドバットだ。おそらく、風の刃で砂を飛ばしたのだろう。


「今の受けてたら、砂が体の中から貫いて死ぬところだったよ」


 フォーチュンはとても驚いた顔をしていた。それもそのはず、俺は“未来視”で分かったが無ければこんな攻撃方法想定できないだろう。初見殺しもいいところだ。さて、雑兵はアリシャールとフォーチュンが片付けてくれたが残るはA級以上の強さを持つ幹部クラス十人か。特に最高幹部の三人はS級に匹敵する強さを持つ。それを一人で相手にしている羽目になっているアリシャールは流石にきつそうだ。となれば……。


「フォーチュン、こいつは俺が倒す。アリシャールの援護を頼む」


 さて、いよいよ最終決戦だ。ルキウスさえ倒せば後はどうにでもなる。それが一番大変そうだが……。


「待っていたぞ、シンドバッド!!」

「地獄に落ちろ、腐れ外道が!」


 俺はルキウスに竜巻を放ったが砂の防壁で防がれてしまった。おそらく、斬撃を飛ばしても防がれるだろう。ならば、あれしかない。ルキウスが波動を極めていないのが幸いだった。俺は神器に聖力を纏わせ、砂の防壁を切り裂いた。が、これではルキウス自身には届かずダメージはない。だが、俺は広範囲で精密な聖力操作が可能だ。つまり、波動を合致させた聖力をルキウスまで伸ばして当てることが出来る。そうして、俺はルキウスを殴り飛ばしたはずなのだが何か硬いものに当たった。なんだろうか?


「俺が神器を持っていなかったら危なかったな。こいつは……」


 すると、フォーチュンがブチ切れながら言った。


「布都御霊ノ剣だろ!泥棒!返せ!」

「そんなに欲しけりゃ取り返してみろ!」

「本当は公開処刑のつもりだったのだけど、もういい。死ね」


 すると、フォーチュンは空に向かって巨大な火柱を放った。


「アリシャール、後は頼んだよ」

「ああ、すべて終わらせる」


 そう言うと、アリシャールは風魔法で空へ飛ぶと生成された雷雲と“インドラ”の聖力をつなげた。そして、フォーチュンが俺に“アリシャールの波動を合致させて防護壁を貼って”と耳打ちした。


「雷堕」


 刹那、空が白く輝いたと思ったら閃光とともに周囲に滝のような雷が降り注いだ。もし防護壁を貼っていなかったら塵も残らず消し飛んでいた……。防護壁を解除し辺りを見てみると、何も残っていない。すべて、無数の雷で吹き飛ばされたのだろう。すると、空から一本の剣が降ってきた。例の布都御霊ノ剣だ。


「お帰り、相棒」


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