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第六十二話 The price of choice

「それと、先輩からの伝言です。“若様には奴隷商人でありながら人として扱って頂き、本当にありがとうございました。家を転々としてきた私達は、いつも家畜以下の扱いを受けてきました……。だから、若様には返しきれない程の恩があります。奴隷の夜明けを……、あの世で待っています”」


 約束しよう。必ず夜明けを見せてみせる。それが俺のできる唯一の贖罪だから。


「アイリス、行こうか」

「どこへ行くのですか?」

「ハルモニア家だ。俺と同じ情景を見ていなければいいが……」


 ハルモニア家ではアリシャールが暴君ルキウスと対峙していた。


「ルキウス!お前は絶対に殺す……」

「家族を殺されたからか?なら、それは理由にはならない。お前が殺した兵士にも家族がいて、その死を悲しむ者もいる。どっちみち戦争をした時点でそこに正義はない。あるのは大義を語る悪だけだ」

「違う、根源的悪は存在する」

「聞こう、何が悪だ?」

「奴隷制度を生み出したことだ」

「なら、餓死するほうが良かったのか?」

「どういうことだ?」

「口減らしだよ。この国はすぐに人口が増える。そうなれば限られた土地では食料が行き渡らなくなる。つまり、戦争して土地を増やすか人を減らすかのどちらかしか選択肢は無かった。なあ、教えてくれよ、他の選択肢を」

「……」

「俺だって好きで暴君をやっているわけじゃない。ただ、誰かがやらなければならなかった。彼らは誰かの犠牲になったんだ。お前だって分かるだろう?この世界は何かを得ようとすると何かを代償として求める」

「違う、こんなの……」


 僕は……間違っているのだろうか?奴隷制度は間違っているのだろうか?どんな理由であれ、間違っていると思っていた。だが、地獄を回避するため地獄を選択したのなら……。いや、間違っている。人の命のために人の命が犠牲になる時点で最悪の選択肢だ。何か別の選択肢は……。昔、父さんが言っていた。“アイデアが枯渇したときは己の原点に戻れ”原点……、そうか国なんてモノがあるからいけないんだ。国に守ってもらわなくても自分達で守れるように。冒険者主体の土地を作ろう。税がなければ物流はより発達するし、侵略されたら冒険者達が自衛のため全力で守り合う。そこに軍隊のような統率力は無いが思いの強さは他の国の追随を許さない。


「こんなの間違ってる。命の為に命が犠牲になるなんて!僕はここに冒険者の国を作る。お互い守り合う理想の国を」

「あくまでも理想だ。現実をみろ。そんなことしたらスラム街が……。いや、ダンジョンか」

「今はただの厄災だが、冒険者からすれば金のなる木だ。もちろんスラム街の住民も一攫千金を狙い挑むはずだ」

「そういうことか……。すると、その為には国が一度滅ばねばならない。つまり、俺が処刑される必要があるが……、やだね」

「やっぱり、お前は暴君だ」


 刹那、アリシャールの“インドラ”による雷撃とルキウスの“プリティヴィー”による砂の弾丸がぶつかった……。


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