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第六十話 The power of sacred treasures

「フォーチュン、今さら聞くが本当にいいのか?」


 俺はフォーチュンに最後の意思確認をした。


「もちろん。言ったでしょ?あのクソ暴君に個人的な恨みがあるって」

「分かった、ありがとう。そういえば、その個人的な恨みって?何があったの?」

「前に私一人でもダンジョンを攻略出来るって言ったじゃない?あれ、実は本当に攻略していたの。もちろん神器も手に入れたのだけど神器を手に入れたその日、家で寝てたら隠密部隊に神器を取られちゃったんだよね……。もちろん取り返そうとしたけど神器のない私じゃ国を一人で相手するのはきつかったから。」


 そうだったのか……。いや、ちょっと待てよ……。隠密部隊はどうやって情報を仕入れたんだ?嫌な予感がする……、まさか!?


 魔力感知をしてみると数十人の隠密部隊と思われる者たちがこちらを伺っていた。おそらく、隙を見て神器を奪取するつもりなのだろう。なら、ちょうどいい神器の異能を試してみるか……。


「フォーチュン、少し暴れてもいいかい?」

「え?ああ、そういうこと。いいよ、見せてその力」


 俺が天羽々斬を隠密部隊が隠れている木に向かって振ると、竜巻が発生しあたりの木々を吸込みながら隠密部隊を天空へと巻き上げた。竜巻が通った後にはえぐれた地面と木々の雨が落ちるばかりだ。


「いいねえ、これを街中で放てば血の雨が降る!」


 フォーチュンが興奮していると生き残りの隠密部隊が襲撃してきた。が、問題なし。俺は斬撃を飛ばすイメージで隠密部隊に風の斬撃を放った。すると、風刃は隠密部隊の数名を貫き、木々を貫き、遠くの山すらも斬ってしまった。


「うっそ……」


 皆が同じことを口にした。隠密部隊ですらも……。これ、その気になれば王宮を真二つにすることも造作もないんじゃ……。そんなことを考えていたら、この異常事態に隠密部隊は全員撤退を決断したのだろう。煙幕を焚き撤退し始めたのだ。俺は追おうとするとアリシャールが腕を掴み止めた。


「今、追うのは無駄だよ。それよりも暴君ルキウスを最優先で討つべきだ。僕がハルモニア家とグロピウス家に張った防護結界を唯一破れる人を野放しには出来ない。シンドバットも知ってるでしょ?あいつが暴君で居れるのもその強さゆえだと言うことを」

「ああ、急がないと。あいつに我が家を狙われたらひとたまりもない」


 俺たちは全速力で王宮へと向かったが嫌な予感がする。王宮に着くとやけに静かだった。王宮内を歩けど誰もいない。そのまま最上階の王の間に入ると、そこには玉座がポツンとあるだけだ。いや、玉座をよく見ると一枚の紙がある。そこには“南の窓を見てみろ”とだけ書いてあった。まさか……。


「あ……、ああああああっ……!」


 南の窓には二つの黒い煙が立ち上るのが見えた。それはアリシャールとシンドバットの家が焼かれていることを意味している。おそらく、もう……。


「まだ、希望を捨てちゃダメ。時間はそんなに経ってないから間に合うかも」


「面白かった」


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