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第五十六話 Kingdom of slaves

「おそらく、リベルテが魔人覚醒した時、その唯一がラプラスの支配が及ばぬ空間にいける手段だ」


 そうか……、その空間こそ父さんが直接神を倒すことが出来るというわけか。じゃあ、やっぱり父さんは殺さなきゃダメだ。だけど、それはラプラスの非支配空間に移動して、この世界からスキルを消滅させた後。スキルの魔法式の解読が唯一出来る父さんを今殺せば後々詰むことになる。でも、それを抜きにしてもシンドバット王は父さんを殺そうとするだろう。


 なぜなら、父さんはシンドバット王の最愛の人を殺した張本人だから。殺した本人はそんなこと一切気づいてなかったみたいだが……。


 かつて、バルバット国があった土地にはジンダス王国という暴君に支配された国があった。通称、奴隷の国。そう呼ばれる程に奴隷貿易で栄えた国だ。その地獄のような国でシンドバットは奴隷商家の長男として生まれた。商人としての才覚だけでなく剣術、カリスマ性などを兼ね備えた将来を期待された逸材だった。だが、ある日一人の少女に出会いシンドバットの人生は激変する……。


「君、名はあるのか?」


 シンドバットは檻の中で鎖につながれた少女に話しかけた。だが、少女は死んだ目をしたまま何も答えなかった。その様子を見たシンドバットの部下が鞭で檻を叩き脅そうとしたが、それをシンドバットは制した。心をさらに閉ざすような真似は意味がないからだ。だが、本来奴隷商人にとって奴隷の心などどうでも良いはずだ。だが、シンドバットにとってその少女は気になる人だった。


「答えられる名が無いのなら俺が与えよう。名は……、アイリスだ」

「アイリス……」

「そうだ。そして、これからはグロピウス家の奴隷だ。よく働くように」

「……、はい」


 そうしてアイリスは奴隷としてグロピウス家に来ることになった。仕事内容はシンドバットの身の回りの世話だ。だが、主の身の回りの世話など本来奴隷の中でも位の上の者がやる仕事だ。そのことからアイリスはシンドバットのお気に入りとして認知されていた。アイリスがグロピウス家に来て数日、シンドバットは父に呼び出された。


「父様、お呼びでしょうか?」

「ああ、最近お前が雇った奴隷についてだ」

「アイリスのことですか。働きもので問題は無いと……」


 シンドバットの父は話を遮り言った。


「違う。問題があるのはお前だ。まさか奴隷に気があるのではないだろうな?」

「いえ、そんなことはありえません」


 シンドバッドは胸に鈍い痛みを感じた。初めて親に噓をついたからだろうか。だが、今噓をつかねばアイリスの身が危うい。


「なら、なぜあの待遇だ?」

「適材適所に配置したまでです」

「……、ひとまずお前の言葉を信じる。お前にしか見えぬものもあるのだろう。だから、くれぐれも変な気は起こすなよ」

「ええ、分かっています」


 また、胸に鈍い痛みを感じる。今度は自分に噓をついたからか。違う、自分に噓など数え切れぬほどついた。この痛みは心が言葉を受け入れることを拒むことによるものだ。あーあ、なんで奴隷に恋なんてしてしまったんだろう。アイリス、君は俺の事どう思っているんだ?おそらく、主人としか思っていないだろう。なにより、本心を聞き出すにはアイリスが奴隷から解放されなければならない。


 だが、この国では奴隷は何があろうと一生奴隷で終わる。だから、この国を変えなければならない。そのためには人と力が必要になる。さて、まずは幼馴染のアリシャールを訪ねるか。


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