第五十四話 世界の意思
「イザナミとイザナギのスキルは唯一座標の世界に行くことが出来るスキルだ。ただし、スキルにこの世界の座標が組み込まれていた。つまり、いつでも神様の気分次第で殺すことができる。愛する者が気分次第で殺されてしまう、この気持ちが分かるかシンドバッド!」
「……、分かるよ。だから、俺はここにいる。気分次第で国一つを滅ぼすことが出来るお前を倒さねばならないから」
父さんは少しの沈黙の後、話を続けた。
「お前が妻を娶らないのは、バルバット国がシンドバッドの愛するモノだからか……。どうやら俺は大きな勘違いをしていたようだ」
するとシンドバット王は覚悟を決めた顔で言った。
「これで最後の質問だ、ニース。お前は神殺しの先に何を見る?」
「世界の自由を……!」
すると、シンドバット王は神器・天羽々斬を懐から抜き取りニースを斬ろうとした。ニースはそれを受け止めると右手から聖力の炎圧弾を無詠唱で放った。
「聖力の魔法だと!?それも無詠唱で……」
シンドバット王はとても驚いていたが、それは俺たちも同じだ。父さんがあの時、魔封印結界下で大和の国へ時空間魔法で飛べたのはアリシャールさんの読み通り聖力を用いた魔法だったか……。ん?時空間魔法?そうか、無詠唱で発動出来たのは俺の作った異空間魔導書呼応術を使ったからか!
いや、そんなことよりも何故父さんの口から世界の自由という言葉が出て来たんだ?俺が聖力覚醒したときにダチュラさんが言っていた世界を解放する事と何か関係があるのだろうか?だが、あの事は父さんが知るはずはない。だとすれば考えたくないがダチュラさんが俺たちの思考を操作し世界の解放へ誘導している可能性がある。それなら、何のために?
そんなことを考えていたらシンドバット王が叫んだ。
「リベルテ臨戦態勢を取れ!何をぼさっとしているんだ!」
だが、そこでシンドバッド王は少し前に父さんが言った言葉を思い出してハッとした。“こいつが俺を倒すことはない。話を聞けば分かる”と。俺が動けないでいる理由をシンドバット王は聞いてきた。
「どうしたリベルテ。何があった?」
「俺は父さんに聞かねばならない事があります」
そして、俺は父さんのほうを向き言った。
「父さん、ダチュラという名は知ってる?」
「知らないな」
つまり、父さんの答えが本当ならば偶然父さんとダチュラさんの意思が重なったことになる。だが、ここまで来れば偶然では片付けられない。すると、父さんは話をつづけた。
「そいつがどうかしたのか?」
「この世界の神の名だ」
父さんはニヤッと笑うと好奇の目で俺を見ていった。
「それをどこで知った?」
「俺が英雄としてこの世に生まれる前にダチュラという“この世界を導く存在”と名乗る一人の女性に出会い、その女性に俺はこの世界に送られたんだ」
「なら、そいつは間違いなく神だ。条件にピッタリ当てはまる。だが、少し意外だったな。てっきり神の名はラプラスだと思っていた」
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