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第五十二話 イザナミとイザナギ

「イザナギは特殊なスキルでね。イザナミのスキルを持つ者と同時にスキルを発動することで、この世界の全てを書き換えることが出来るスキルだった。そして、イザナミのスキルを持っていたのはクレバトロン・シオン。リベルテの母だ」


 何!?俺の母だって?そういえば昔、父さんのことを聞かされた時に必要なことだって言っていたけど……。そのことが気になり俺は父さんに聞いた。


「昔、母さんから聞かされたよ。父さん曰く必要な事だったって。もしかして世界を変えようと……」

「それなら何故その言葉が出てくる。俺が父親だってことを隠せと言ったはずだが?」

「初めは隠していたけど、シンドバット王にばれてしまったから」


 すると、父さんはシンドバッド王をにらみつけて言った。


「どういう事だ?シンドバット」

「偶然リベルテと会った時にすぐに気づいたさ。バルバット国を蹂躙したフレイランス・ニースその人の息子だと。知らないわけじゃ無いだろう?血が近いほど波動の波長は似る。」

「俺の息子に何をした?」

「力を与えた。お前を倒すための力を。」


 シンドバット王の言葉に父さんは高笑いした。


「それなら当てが外れたな。こいつが俺を倒すことはない。」

「どういうことだ?」

「話の続きを聞けば分かる。さて、続きだ。俺は息子の言うように世界を変えようとしたのでは無い。世界をいや、妻と息子を守ろうとした。だが、イザナミとイザナギのスキルには代償があった。スキルを発動する二人が生贄となり死なねばならない」

「俺を?」

「そうだ。俺が妻のもとを去ったあの時、妻は新たなる命を体に宿していた。それがリベルテ、お前だ。あの時、妻には自覚がなかったようだが魔人半覚醒を起こしていた。お前の魔力量が人並外れているのは妻の魔力が身体に大量に流れてきたからだろう。だから、妻と息子だ」

「つまり母さんが生贄になるのを防ぐためにイザナギのスキル保有者がいるオルマーン帝国を襲撃した、そういう事?」

「大体は合っている。付け加えると、イザナギとイザナミはそれぞれ固有の能力がある。イザナギはイザナミ保有者の探知とスキルの詳細を知ることができる。反対にイザナミはそれらを知ることはないが世界を変える変更事項の決定権を持つ」

「じゃあ、母さんが決定しなければ大丈夫なんじゃ……」

「甘い。そんなもの拷問や恐喝などでどうにでもなる。だが、変更時に存在を消すなりして道連れには出来るとは思うが。そんなの誰も望まない」


 だが、ここでシンドバット王に一つ疑問が生じた。


「それを何故お前が知る?」

「それはシンドバッドのもとに流れた大和の国の国宝、神器・天叢雲剣を取り返すことを見返りに大和の国の忍に教えてもらったからだ」

「忍?」

「大和の国の隠密部隊だ。そしてその忍の名は宮本帰蝶、ライナの育て親だ」


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