第四十九話 カウントダウン
俺はスキル“創造者”で体を絶縁体であるゴムに変化させた。電気を通さないとはいえ、高熱は覚悟しなければならない。俺は思わず眼を閉じた……。
雷撃球が体に触れた瞬間、辺りに膨大な電気エネルギーを放出した。雷撃が触れた場所は消し炭になっており、俺も例外ではない。だが、聖力はなんとか持続できているので損壊部分をすぐに回復させた。
「これでも倒れないの!?」
アイリスは驚いた顔をしていった。ま、俺以外なら即死級の攻撃だったから驚くのも無理はない。いや、俺でも判断が遅ければ死んでいただろう。
「なんとかね。にしても今の攻撃、殺すつもりだったのか?」
「まさか、だけど君は殺すつもりで行かないと倒せないから」
「そりゃどうも。なら、その覚悟に敬意を表さないと」
激闘によりこれ以上集中力が持たないと判断した俺は分身を作り出し、分身にありったけの聖力と魔方式を組み込んだ。さらに、分身を小さくしてアイリスのもとに向かわせた。
「さあ、行って来い!」
分身はアイリスの近くに行くと分身自身の胸に手を当てた。すると魔方式が輝き出し魔法陣が展開した。
「いつのまに近くに?」
「時空間魔法の座標は空中には付けられない以上逃げ場はない、そうだろう!」
刹那、分身は全聖力を消費し観客を守るための防護結界にひびが入るほどの大爆発を放った。外で放てば地形を変えることが出来るだけの火力だ、全身白炎化しなければ防ぐことはできないだろう。
「なに、今の……?って、真っ暗!そっか、さっきので。」
そう言うと、アイリスは眼を聖力で回復させた。だが、そんなことしたところでもう遅い。先程の分身に座標を仕込んでおいたのでアイリスの近くに飛び触れることに成功した。そして、その時魔力封印も仕込んだ。つまり、集中力が切れた瞬間アイリスの負けだ。だが波動が時々自然状態に戻っている所を見ると終わりは近いだろう。すると、アイリスは手を挙げた。
「負けよ、私の」
「そこまで!」
先生が試合終了の笛を鳴らした……。
すると、アイリスは背伸びしながら言った。
「あーあ、負けちゃった!」
「変わったね」
「そう?」
「いつもなら滅茶苦茶悔しがるのに。今はむしろ爽やかな顔をしてる」
「私の持てる全てを出せたから。何より楽しかったし。さ、これからどうするリル?」
「行こう、大和の国へ」
それから俺たちはシンドバット王に大和の国へ向かうことを伝えた。シンドバット王はすぐに出国の準備に取り掛かった。というのも、シンドバット王にはもう殆ど時間が残されて無いのだ……。
その時の俺たちは思いもしなかった、俺たちが信じた常識がこれから全てひっくり返されることに。運命の歯車はもうとっくに狂っていることに。
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