第四十八話 新たなる時空間魔法
アイリスの波動について考えていたら、雨が降ってきた。そういえば、アカデミー卒業試験の時も雨が降ってきたな。あの時、たしか……。ああ、そうだ雷だ。だとすれば、今度も雷をぶつけようとするのだろうか。だが、雷は聖力や魔力がもとではないから波動の合致でシヴァを透かすこともできない。どう来る、アイリス?
思考を巡らしていると次第に雨は強くなり雷鳴が鳴り響いた。アイリスはあの時と同じように上空へ飛び雷柱を放った。雷が雷柱に当たり、80メートル程の球状に膨らむとアイリスはポケットから魔法式が書かれた一枚の紙を出した。その紙を雷撃球に近づけると雷撃球は紙へと吸い込まれた。理屈はよく分からないが時空間魔法の一種だろう。
「行くよ、リル!」
アイリスは叫ぶとこちらに向かってきた。俺に白炎の弾丸を放ちながら紙をそこら辺に設置しているようだった。
「発!」
アイリスの言葉に応じて紙から凄まじい量の霧が出てきた。おそらく、俺の“未来視”を潰しに来たのだろう。だが、これだけなら風魔法で吹き飛ばせばいい。
「ウィン……」
呪文を唱えかけたその時俺の横に何枚かの紙が舞っていた。なにかとてつもなく嫌な予感がする……。
「散!」
すると、アイリスの言葉に応じて紙から五枚程の紙が出てきた。周囲に見えるだけで五十枚近くに増えた。この紙がどんな作用をもたらすかは分からない以上不安要素は取り除かなければならない。今度こそ……。
「ウィンドバ……!」
「爆!」
俺とアイリスの声はほぼ同時だったが、言葉が短いのはアイリスだ。そのせいで、呪文を言い終える前に発動してしまった。そして、紙が赤く輝いたと思えば凄まじい爆発を放った。とても魔法で魔法では防ぎきれないので全身にシヴァを展開した……。
全身にシヴァを展開した以上五感からはなにも感じられず酸素も取り込むこともできない。とはいえ、息も限界なので口周りだけ“シヴァ”を解除した。すると、肺に火傷する程の高音の空気が入って来て思わずむせてしまった。爆発で空気が熱くなったのだろう。となれば、爆発で周囲の酸素も消費しきったはずだ。仕方がないので上空に上がると、そこにはアイリスがいた。
「おまけの一枚、発!」
すると、その紙から先程紙に吸収した雷撃球が現れた。そして、アイリスは時空間魔法でどこかに飛んだ。
そして俺はようやく気付いた、この紙は魔法をためることが出来るものだった事に。だが、それが分かった所でもう遅い。呼吸が限界だった俺にもう一度シヴァを全身に覆う、つまり酸素を遮断することは不可能だった。となるともう、これしかない。俺はスキル“創造者”で体をゴムへと変化させた……。
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