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第四十七話 代償

 観客の目から俺がアイリスの天照に撃ち抜かれる姿が“未来視”で見えた。まさか、波動の合致を……。そう思った刹那アイリスの指先が白く輝いた。


 まずい、このままでは撃ち抜かれる。というのも、六道の性質変化対象は各道に対して一つまでという制限がある。なので、俺は一度地面のマグマ化を解除して輝く指先から放たれる絨毯爆撃の位置を波動と“未来視”から断定した。


 放たれた白炎の弾丸は俺に向かってそれぞれ綺麗な曲線を描きながら飛んできた。だが、全ての弾丸は俺の体を透ける事になった。


「あれ?合致していたはずなのに……。」


 アイリスは首をかしげながら言った。だが、合致が失敗したと勘違いするのも無理はない。アイリスから見ればマグマ化した俺の体をそのまま貫いたように見えるのだから。だが、実際は違う。俺は予測した被弾箇所を被弾する寸前に体を流動させて空洞を作り出したのだ。とはいえ、これではマグマで攻撃が出来ない。なので、俺は人間道で米粒ほどの大きさになった。これなら早々攻撃は当たるまい。


「なら……。」


 アイリスはそう言うと、体全体を白く輝かせた。何をするつもりだ?そう思っていると体から強力な熱風を放った。なるほど、範囲攻撃なら小さくても関係なく当たる。だが、その代わりに威力を代償としている。これなら……。俺は氷の壁を作り出し熱風を防いだ。


「そこか!」


 そう言うと、アイリスは白炎の弾丸を氷の壁に向かって放った。おそらく氷の壁を作り出した際に発生した魔力の変化で気づかれたのだろう。さて、どうしたものか……。時空間魔法で逃げるにしても移動先の座標を仕込む暇がなかったので飛ぶこともできない。もう残された手は一か八かこちらも波動の合致を成功させてマグマで相殺するしか……。だが、練習での成功率は十分の一。失敗すればただでは済まない。集中しろ、俺……。


「今!」


 右腕をマグマへと変化させ生み出した巨大なマグマの拳はアイリスの放った弾丸と衝突した。何とか成功できたみたいだ。


「あれ、貫かない?」


 集中しすぎていてよく聞こえなかったがアイリスがそんなことを言っていたような気がする。しかし、あそこまで波動の合致を成功させてくるとは……。波動の合致は本来、相手を動揺させて不規則に変化させている波動を自然な状態にしてようやく成功するもの。なのに、アイリスは不規則な波動を感じ取りその都度合わせているのだろう。


 そんなことを考えていたら雨が降ってきた……。


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