第四十六話 魔導学院卒業試験
バルバット国に帰国すると早速、波動の合致の修行が始まった。不規則に動く波動に自身の聖力を合わせるというものだった。ひたすら繰り返していくうちに精度は徐々に高まっていった。そんな中、アリシャールさんがある一言を発した。
「そういえば、ニースがスキルは聖力がエネルギーの魔法のようなものだって言ってましたよね。もしかすると、聖力でも魔法のようなことが出来るんじゃないかって思うんです。じゃないと、魔封印結界下で時空間魔法が使えた事に説明がつかない。」
すると、シンドバット王が言った。
「もう一度、再開してみる価値はありそうだな。かつて不可能と結論付けられた聖力の魔法式研究を。」
「わかりました、再開の手配をしておきます。」
「急ぎで頼むよ。もう、あまり時間がなさそうだ。おそらく持って一、二年だろう。」
「……、分かっています。」
それから夏も終わり秋となった。そう、魔導学院卒業試験の時期だ。試験内容は実技試験のみである。というのも、俺は五年生の時点で必要単位数を満たしているからだ。つまり、このトーナメント戦で上位300名に入ることが出来れば晴れて合格となる。だが、まず合格だろう。現在、魔導学院にいる学生でS級なのは俺とアイリスの二人だけだからだ。
そして、その日が訪れた。試験会場は緊張感が漂っており、なんだかこちらまで緊張してしまうほどだ。その後、トーナメントが始まった。学生たちはそれぞれの思いの中、死力を尽くして戦っている。その思いを俺が踏みにじるような行為は許されないので全力をもって戦うことにした。
とはいえ、殆どの試合は俺の“シヴァ”の性質を混ぜた溶岩攻撃により一瞬で終わった。中には異空間魔導書呼応術を駆使して一矢報いようとした者もいたが“未来視”をもってすれば攻撃を躱すなど造作もない。そうして、決勝戦まで勝ち上がった。
「こうして本気で戦うのは六年ぶりだ、アイリス」
「そうね。今度こそ負けないわ。」
「そうはさせない。」
学生たちの大歓声のなか試合開始の笛が鳴った。先制はアイリスからだ。異空間魔導書呼応術により、一瞬で雷撃を俺めがけて放ってきた。俺は体に聖力を纏い“シヴァ”で消滅させて防御。それと同時に足場を奪うため地面をマグマと化した。すると、アイリスは“天照”により足を白炎と化して上空へと上がった。
その時、観客の目から俺がアイリスの天照に撃ち抜かれる姿が"未来視”で見えた。まさか、波動の合致を……。そう思った刹那アイリスの指先が白く輝いた。
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