第四十三話 波動の極致
「さあ、逆転開始だ……。」
そう言うと、ニースは爆発的に増えた聖力で損壊部分を一瞬にして再生した。そして、息を荒げているシンドバット王を蹴り飛ばすと、剣に青白い聖力を纏い聖力を飛ばしてきた。魔斬撃の聖力バージョンである。それを防ぐため、シンドバット王のパーティーの一員であるアキレウスは盾に青白い聖力を纏い受け止めた。すると、アリシャールが言った。
「これから王の救出に向かいます。時間稼ぎを頼みます!」
すると、アリシャールはニースに向かって網状に雷撃を繰り出した。目潰しのつもりだろう。一瞬眼を瞑ったニースの隙を突き、俺は六道のスキルで空気を溶岩で一瞬にして浸食させニースの周りを覆った。この溶岩には「シヴァ」の効果も含まれているので、無理矢理こじ開けようと触れようものなら即座に消滅する。これならそう簡単に出れまい。
だが三秒後、覆っていた溶岩の一部が吹き飛ぶと、そこからニースが出てきた。
「いやー、まさか消滅させるスキルとはね。危うく死ぬところだった……。ねえ、アリシャール君?」
そう言うと、ニースは人差し指に五百円玉程度の青白い聖力の弾丸を生成するとアリシャールに向かって放った。
「アリシャールさん!」
俺は叫びながらも再びシヴァを纏った溶岩の壁を生成したが、弾丸は溶岩の壁を打ち抜きアリシャールへと飛んで行った。
「大丈夫。」
そう言うと、アリシャールは雷撃で弾丸を消し飛ばした。そして、続けた。
「今、ニースが使ったのは波動を合致させることによるスキル無効化、聖力貫通攻撃。戦闘中、波動をコロコロ変えながら戦うようにとルジュナ師匠に教わったのはそういうことです。本当はもっと早く教えればよかったのですが情報統制のため教えていませんでした。ですが、彼は天才的センスで修得してしまったのでしょう。さて、やられっぱなしも嫌ですからね。見せてください、あなたのパーティーの連携を。」
「俺たちが?」
「ええ。今、ニースに倒せる見込みが一番高いのは君達です。心配しなくても君たちは十分に強い。さあ行きなさい、新時代の風よ!」
その言葉に押されて俺たちはニースと対峙した。とはいえ、どうしたものか……。圧倒的身体能力、莫大な聖力量、最高峰の聖力操作を持つニースに対する打点が全く思いつかない。だが、アイリスはあることに気づいた。
「ねえ、何で殺さないのかな?」
「え?」
「だって、シンドバット王のことを蹴らずとも殺すことも可能だったはず。なのに、殺さなかった。いや、殺せないのかも……。」
それを聞いたニースは高笑いをした。
「波動を合致させたからこそ分かるんだが、そいつはもう戦う力も残されていない。それに、もうすぐ死ぬ者にわざわざ留めを刺す必要は無いだろ?だが、お前たちは違う。殺されたくなければ連携とやらで俺を超えてみろ!」
殺せない理由が無かったのは残念だが、今の時間で策を思いつけた……。
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