第三十九話 敵
ダビデは超重力と反重力の組み合わせて高速の連撃を叩き込んだ。すると、巨人はよろけながら大地に膝をつきゆっくりと倒れた。気づくとポケットの中に入れた神器が輝いていた。その神器に触れると何者かの記憶が流れ込んできた……。
そして、そこでダビデの記憶が終わった。
「ダビデさん、初代の記憶を覗いた後はどうなったんですか?」
「どういうことだろう……、俺の時は記憶すべてを見れたのに。本当はここからが大事だったんだけど、しょうがないから口で説明するよ。」
俺は頷いた。
「さて、初代の記憶を覗いた俺は魔人王を倒してはならない事に気づいたのだけど、憎悪に身を任せ進撃する魔人王をこのまま放置するのも不味い。だから俺は大陸の中央に大陸を人界と魔人領域を「創造者」で二分する結界を作ることにしたんだ。その際、結界を貼っている最中に攻撃されては面倒だから魔人王を少しの間交戦不可能な状態にすることにしたんだ。そのために、魔人領域最前線にいる魔人王を撤退させるべく魔人王のところに向かったけど……。あの時の俺は重大な勘違いをしていたんだ。」
「勘違い?」
「まず、魔人王は人間を憎んでいなかったんだ。」
「憎んでなかった!?魔人王の行動のどれをとっても憎んでいるようにしか……。」
「ああ、初代の記憶でも確実に人間を憎んでいた。だが、いざ対峙すると魔人王は“待っていたよ“なんて言い出したんだ。聞けば、恨んでいるのは人間ではなく世界だと。心の闇が力になるなんてシステムが憎いと。だから、今回の戦争は神器を求めて人間同士の戦争から対魔人王に切り替え、共通の敵として認識させるためだったそうだ。だけど、人間の希望である特異点が現れれば軍を引くことが出来る。だから出た言葉だそうだ。」
「そういえば、星空の空間で最後の特異点だって言っていたけれど……。」
「そう、問題はそこなんだ。俺で最後だと思っていたのだけれど、君が存在している。それに、魔人王が俺との去り際に“もしまた特異点が現れたら、次の特異点を連れてきてやろう”なんて言っていたんだ。」
一体魔人王はどこまで知っているのだろうか……。
「にしても、共通の敵を失ったら結局人間同士で戦争をまた始めるんじゃ……。」
「開戦直後ならまだ国力にも余裕があるからそうなりかねなかったけど、もう各国限界を迎えていたからね。魔人王が引いた時点で休戦条約をむすぶように各国の斡旋をしたら各国直ぐに承認したよ。それから、俺は人界と魔人領域を隔てる結界を作り出して魔人の脅威は去ったと思わせたんだ。」
それから、俺は地上に出て二代目と別れを告げて魔人王のもとに向かった……。
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