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第十六話 魔導学院

 翌日、いよいよ魔導学院入学式を迎えることになった。


 魔導学院は城のような作りになっていた。また、魔術演習場も兼ね備えており広大な敷地を有している。それに、戦士学院とも隣接しているそうで交流も時々あるらしい。


 入学式を終えると3年生のルドルフ先輩に男子寮へと案内された。


「ようこそ、一年生諸君。ここがバグダッド国魔導学院男子寮だ。入学式の時に生徒証の裏に部屋番号が記載されているだろ?僕の案内が終わったら各自部屋に戻るように。」


 そして、寮の案内がされた。簡単に寮の説明をすると一階に食堂や談話室などの共同スペースが、二階以上が各々の部屋らしい。


 説明が終わりひとまず自分の部屋でゆっくりすることにした。そのうち男子寮で定められた食事の時間がやってきたので食堂に降りた。食堂ではカレーのようなスパイスの汁に、ご飯ではなくナンのような小麦粉を引き伸ばしたものが出された。味はかなりスパイシーだが、手が止まらないほど美味しい。


 翌日、早速授業が始まった。クラス分けは一般入試組上位陣がAクラス次いで推薦組がBクラス、一般入試下位陣がCクラスだ。そのため俺とアイリスは同じクラスになることができた。隣同士になるように席に座りしばらくすると、茶髪の女性の先生がやってきた。


「初めまして、ジール・ガルコンと言います。」


 そう言うと、この学院の説明を始めた。この学院のクラスは一年次までは固定で一年次の期末試験後、成績順に再編成されるとのこと。その後、卒業までの六年間は一年ごとに試験を繰り返し、クラスを編成していくという。


 さらに、二年次からは最短で魔導学院にたどり着いた者は年齢的にギルド許可証というクエストを受けることが出来る許可証を発行することができる。


 年齢的には中学生ぐらいで取得できるようになるが、この世界は体の成長が前の世界と比べてかなり早い。そのため、年齢が中学生でも肉体的には高校生ぐらいになっているので倫理的に問題なく発行できるという訳だ。


 そして、授業ではより高度な魔術を扱う。例えば時空間魔法と精神魔法を組み合わせて構築する対魔獣使役封印術や、付与魔法と支援魔法を組み合わせて力が湧き出る指輪等を作成することが出来るようになるそうだ。


 その魔法のレベルから卒業後はS級からC級までの冒険者ランクの内B級からスタートする事が出来るようになるらしい。ちなみに各階級の説明を簡単にすると


 ・S級 単独でA級パーティーに匹敵することが出来る。国の最高戦力であり、単独で戦況を変       えるほどの力を持つ。その規格外の力から尊敬と畏怖の二つの感情を抱かせる存在である。また、S級以上の階級はない為S級の中でも実力がかけ離れているケースもある。


 昇格条件パーティーもしくは単独でダンジョンの最終ボス討伐。パーティーの場合は全員がS

  級認定される。S級クエストクリア、S級魔獣の討伐など。


 ・A級 単独でB級パーティーに匹敵することが出来る。多くの冒険者の目標とされる。


 昇格条件パーティーもしくは単独でダンジョンの上層ボス討伐。パーティーの場合は全員がA

  級認定される。A級クエストクリア、A級魔獣の討伐など。


 ・B級 単独でC級パーティーに匹敵することが出来る。最も多くの冒険者が所属する。


 昇格条件パーティーもしくは単独でダンジョンの中層ボス討伐。パーティーの場合は全員がB

  級認定される。B級クエストクリア、B級魔獣の討伐など。特例として戦士学院もし

 くは魔導学院の卒業証書を提示の場合も可。


 ・C級 初期階級。


 昇格条件アカデミー卒業証書提出、身分証提出


 さて、ここまで話を聞き一つの疑問が生まれた。本当は、魔術師地味だと馬鹿にされるような職業では無いのではなかろうか。むしろ、戦士よりも器用に物事を進めることが出来、戦闘においても十分主力戦力として戦えるのではと……。


 そのことが気になり職員室へ先生に聞きに行った。


「魔術師が地味だといわれる理由?そりゃあ、戦士のほうが戦闘で重宝するからに決まっているからだろう。」

「ですが……。」

「言いたいことは分かる。時々君みたいな生徒がいるからね。魔術師は地味だ、女性専用の職業だのと情報ばかりが先行して、アカデミー時点では戦士と魔術師との差を感じられない。なのに、男が魔術師を目指すと言うと馬鹿にされる。そこに疑問を感じたのだろう?」

「はい。」

「なら、いいものをやろう。」


 そう言うと、先生は机の引き出しから紙を出した。


「これは戦士学院への入構許可証だ。実際に見てくるといい。」

「見れば分かると。」

「そういうことだ。だが、それだけじゃない。戦士にできて魔術師に出来ないことを見つけてくるといい。もし見つけられれば世界の常識をひっくり返す一歩を踏み出すことが出来るはずだ。かつて、ニースが対魔獣使役封印術を開発したように……。」

「分かりました、ありがとうございました。」


 そう言って職員室を後にした。にしても、ニース(父さん)が対魔獣使役封印術の開発者だとは驚いた。この術式のお陰で魔獣の特性を利用した幅広い戦術を取れるようになり、魔術師は戦闘において有用性を高めることに成功した。


 だが、開発者の名前は今まで不明だった。世界的三大凶悪犯、略して三凶が開発者となればせっかくの希望の種が忌み嫌われ、魔術の発展を阻害してしまう。そのため、何者かが隠蔽したのだろう。


 だが、先生はリスクを負ってなぜ俺に明かしてくれたのだろう。まさか……、とは思ったがひとまず戦士学院へ見学しに行くことにした。


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