第十三話 フレイランス・ニース
家に帰って、諸々をシオンに報告するととても喜んだ。そして、一息ついた後語り始めた。
「今からとても大事なことを話すからよく聞いてね。リルのお父さん、フレイランス・ニースについてよ。」
そう言うとシオンは俺に精神魔法をかけて魔法学院生時代の母の姿を見せた。すると、遠くから青い眼をした顔立ちの整った青年が近づいてきた。
「ねえ、君。俺といいことしない?」
「しません!私急いでいるので。」
「つれないな~。こう見えても俺、戦士学院の序列1位なんだよ?」
「知っています。そして、あなたが学院史上最悪の生徒だということも知っています。」
当時、戦士学院は年に一回ある序列決定戦というトーナメント戦があって、その順位で学院内での序列が決まっていたの。序列が高ければ高いほど学院内での権力も高くなって、1位ともなれば大半の事は出来たわ。
それに加え父は歴代最強と謳われるほど強くて、先生も何も言う事は出来なかった。けど、当時のお父さんはかなり荒れていて、やりたい放題しているのは有名だったわ。だからそんなお父さんを困らせてやろうと思ったの……。
「いいじゃないか、別に~。」
「しつこいですね。それなら今度魔導学院で行うトーナメント戦で優勝出来たらいいですよ。」
「分かった、受けるよその賭け。ちょうど退屈だったし。」
それから少しして、あの難関の魔導学院の一般入学試験に合格したって聞いたときはとっても驚いたわ。ただ、今までの生活態度もあって先生や生徒にいい扱いはされなかったみたいだけど……。
しばらくたってトーナメント戦をやることになって、お父さん対策として直接攻撃は禁止ってルールが加わって行うことになったの。
「よお、シオン。約束は果たせそうだな。」
「決勝戦まで来たからってあまり調子に乗らないことね。」
「悪いが負ける気がしないんでね……。」
そう言うと、ニースは魔斬撃を飛ばしてきた。この魔斬撃というのは武器に魔力を纏わして魔力を飛ばすというものらしく、構築を必要としない分ほぼノーモーションで放つ事ができるものだ。
そのため反応できずに多くの魔術師が魔法で防ぐのが間に合わずそのまま食らっていた。だが、すでにシオンは聖術を使うことが出来たので回復して攻撃に転じた。
「その年でもう聖術を……。」
「その言葉からすると、もしかして使えないの?」
「そう思うか?」
すると、ニースは高速で接近して来た。おそらく、聖術を使って身体能力を向上させたのだろう。そして、シオンの背後を取り、杖を構えた。
「こーさん!私の負けよ……。」
「じゃあ……、約束を果たさせてもらうよ。」
そう言うと、ニースは口づけをした。
それからお父さんと私は冒険者として様々な国を旅しながら愛し合っていったわ。しばらくして十分なお金が貯まったから、私の両親と一緒にシャルラ村でのんびり過ごすことにしたの。しばらくして、リルを身ごもることが出来た時はとても幸せだったわ。
だけど、そんな幸せな日々は突然終わりを迎えることになってしまったわ。私が街から帰るとお父さんが……、私の両親を殺していたの。
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