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第十二話 雷鳴

 去年と同じくアイリスは構築速度の速さを、俺は魔力量と模眼を駆使して順調に勝ち進むことが出来た。そして、決勝戦の時がやってきた。


「あの時は引き分けだったけど、今度こそ勝つわ」

「俺もそのつもりさ」


 そして、先生が試合の合図を鳴らした。


 すると、先制攻撃で風と火の複合魔法に圧縮技術を組み合わせた炎圧弾を連射してきた。昔TVでみたダイナマイトレベルの爆発で、一年次に作ったような土壁では塵も残らない。


 仕方ないので走って躱すことにした。


 そこで逃げる際に爆風を防ぐためにウォーターウォールを貼りつつ、熱を利用して霧を起こして視界を濁らせる。さらに、魔力感知をされないように土人形をいくつかダミーとして設置した。


「二年前と変わらないわね。もう同じ轍は踏まないわ」


 そう言うと、風で霧を吹き飛ばした。魔力をほぼ使わず霧を払われたことでカウンターを狙う作戦は潰れたが、土と火の複合魔法による溶岩の巨龍を構築するのには十分な時間だ。


「それは俺も同じだよ」


 溶岩の巨竜を見たアイリスは火と風の複合魔法による火炎の巨竜を構築した。すると、アイリスは火炎の巨竜を溶岩の巨竜の下にもぐらせ、下腹をかませてそのまま空に持ち上げてしまった。


 このままどんどん上昇すると操作が利かなくなり爆発してしまうのだが、それはアイリスも同じだろう。一度状況のリセットを計っているのだろうか。


「二年前、試合が終了した時のこと覚えてる?」


 と、アイリスがいった。すると、高度限界に達したので空で大爆発した。少しすると雨がぽつぽつと降ってきて、次第に雨が強くなり雷鳴が響く……。すると、アイリスは風魔法で飛び上がり雷柱を空に放った。そしてその雷柱に雷が当たると直径30メートル、長さ700メートルほどの柱状に膨らんだ。


雷撃砲(ケラウノス)


 そう唱えると、こちらに向かって雷撃砲(ケラウノス)を放った。あれを受ければ確実に死んでしまうので、ダメージ覚悟で自分に風圧弾を打って緊急回避。すぐに雷撃砲(ケラウノス)は地面に直撃し凄まじい爆発と雷撃をそこら中に放った。


 もしあそこで相殺なんてしようものなら地面から感電して仏様だったはずだ。すると、雨は上がり雷雲も消え去りアイリスは地上に降りた。あれほどの莫大なエネルギーをコントロールして魔力の限界なのだろう。アイリスは息を切らしながら片膝をついた。


 だが、アイリスは最後の力を振り絞り、炎圧弾を放った。完全に油断していた、その攻撃をもろに受け火傷により戦闘不能になってしまった。


 という夢を今頃見ているだろう。以前のように覚醒されてはかなわないので精神魔法で夢を見せることにした。


 精神魔法は相手と魔力の波長を合わせ魔力の流れを操作して精神に作用させる魔法で、魔力操作で簡単に防ぐことが出来てしまう。なので、魔力が枯渇して魔力操作が緩くなるこの一瞬を狙ったというわけだ。


 そして、試合終了の合図が鳴った。試合が終了したので精神魔法を解くとアイリスは目を覚ました。


「ん?私はなんで寝ているの?」


 起きたアイリスに事情を説明するとかなり落ち込んでいた。というのもこのトーナメントで優勝すると成績に大きく影響し事実上、魔導学院の推薦権を取得することができる。だが、現役であることも条件なので落ち込んでいるのだ。


 だが、結果発表を見るとなんと俺とアイリスは同率一位だった。訳を先生に聞くと試合には俺が勝ったが魔法のレベルとしては推薦に十分値するからだそうだ。これにアイリスはとても喜んでいた。


 家に帰って、諸々をシオンに報告するととても喜んでくれた。そして、一息ついた後語り始めた。


「今からとても大事なことを話すからよく聞いてね。お父さんについてよ。」

「面白かった」


「続きが気になる、読みたい!」


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