第二章予告・登場人物紹介
「私は良いことだと思います。価値のある死が、最初から決まってるなんて」
それは、苦痛を宝石に変える少女への、無垢で残酷な羨望。
中央軍・第七観測戦術部隊に編入された新たな個体、コードネーム【EMBER】。
燃え尽きることを前提とした出力を誇る少女・ミラは、絶望を資源として消費するこの部隊の在り方に、異質な「光」を投げかける。
救済か、あるいは壊れ方の変更か。
クロウが燻らせる緑の煙が、因果の境界線を曖昧にしていく中で、「残されるもの」と「燃やし尽くすもの」二人の少女は、分かち合えない痛みの先で初めて、互いの輪郭を見つめ合う。
【炎炎編】火を灯せ。いずれ灰になるその時まで。
■ミラ・ヴァレンタイン(Mira Valentine)
コードネーム:EMBER
第七観測戦術部隊(クロウ班)に配属された、戦線復帰直後の戦術要員。
■外見的特徴:
10代半ばのあどけなさが残る少女。くすんだ金髪の内側に、燃える炎のようなオレンジのインナーカラーが覗く。瞳は赤く、片目は戦闘による過負荷で濁っており、焦点が定まっていない。
その華奢な身体には、継ぎ接ぎだらけの外骨格が強引に接続されており、関節の軋みや露出したケーブルが、彼女の身体が限界に近いことを無言で物語っている。
■特性:【過剰燃焼】
精神的負荷や痛みを、爆発的な戦闘出力へと変換する。テオドーラが痛みを「宝石(物質)」として遺すのに対し、ミラはそれを「熱量」として即座に使い切る。そのため、後に何も残らない「消費の個体」とされる。
■性格・精神性:
非常に明るく、純粋で、どこかズレている。自分が「使い捨てのヒーロー」として戦い、誰かの役に立ってゴミになることに心からの価値を見出している。
悪意なく「死」や「損耗」を肯定するため、生きることに執着する者や、苦痛を抱えるテオドーラにとっては、その無垢さが時に鏡のような鋭い刃となる。
■関係性:
指揮官であるクロウの戦術的合理性を信頼しつつも、彼の「秘密」や「無駄な動き」に敏感に反応する。ラプラスからは「因果の偏りに干渉する不安定要素」として注視されている。




