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アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

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#90 勉強会の気配

昴と並んで寮の玄関をくぐると、

談話室の奥のテーブルで、二人の姿が目に入った。


慈音寺(じおんじ) 貴満(たかみつ)。

意志神(いしがみ) 鉄駔(てつま)。


ここに理紅虎(りくと)もいればガリ勉トリオ…いや三賢組の完成だ。


「お、貴満と鉄駔か」


俺が声をかけると、貴満は本を閉じて丁寧に会釈した。


「天竜くん……篝火くんも。どうも」


昴が近づきながら軽く手を上げる。


「おお、お前らもここで勉強か? 自室じゃなく?」


貴満は静かに微笑んだ。


「ええ、まあ。気分転換も兼ねて、ですね。

ところで……天竜くん。神無月くんはまだEクラスに?」


「ああ。あいつは今ごろ、教科書と睨めっこしてるだろうな」


「……そうですか。ありがとうございます」


すぐに鉄駔が立ち上がった。


「行くぞ、貴満」


「はい」


二人は談話室を離れ、学校側の廊下へと足早に消えていく。


昴が腕を組みながらつぶやいた。


「なるほどな。三賢組で勉強会ってわけか」


「ガリ勉トリオの集会だな。貴満なんて見た目からして頭良いし、鉄駔も変な奴だけど気が合うみたいだな」


昴は苦笑しながら肩をすくめる。


⸻


「さて。俺は部屋戻って勉強するか。

どうだ玲磁、お前も一緒にやるか?」


「いや、今日は眠いから寝るわ。また明日」


「……まじかお前」


昴は本気で呆れた顔をしている。


でも俺にしてみれば、

飯食って風呂入ってちゃんと寝るのは

“普通の生活”だ。


試験前だろうがなんだろうが、それは変わらない。


俺は手をひらひら振って階段の方へ向かい、

昴は「ほんと信じられねえ……」とぼやきながら自室へ戻っていった。

さっさと部屋に戻る玲磁。

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