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アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

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#54 今更すぎる気付き

「そういえば」


俺はふと思い出して、大河に声をかけた。


「天針さんの家って、六大魔法名家のひとつだったよな」


「おー、そうらしいな! 医療と宗教担当だって聞いたけど……俺もよくわかんねえ!」


「いやわからんのかい」


「だってよ、大事なのは生まれじゃなくて人だしな!」


その言い方があまりに大河らしくて、思わず笑ってしまった。


「まあ……それは確かに」


「それで言うならよ、幸崎家も六大魔法名家だぞ?」


「いや幸崎家くらい知ってるし。治安・軍事担当の幸崎家だろ? 有名じゃん」


「おいおい本当か? お前、仲良いだろ? 皓と。幸崎 皓だよ。それに妹も」


「……あ」


ようやく自分の頭の鈍さに気づく。


(待て。皓も弥来も、“幸崎”って苗字じゃん。

 戦闘術の幸崎轟一先生だって知ってたのに……なんで今まで繋がらなかったんだ俺)


良くも悪くも、皓が庶民的すぎた。


俺の脳が勝手に日常カテゴリに放り込んでいたらしい。


「な? 名家なんかより、大事なのは人だろ?」


大河が肩をすくめて笑う。


「……言われてみたら余計に分かる気がするわ」


そう答えたところで――


「おー、玲磁」


後ろから声がかかった。皓だ。


玄機くろきも一緒って珍しいな。なんの話だ?」


「あー……いや、お前、全然名家らしくないよなって」


皓は胸を張るようにして、得意げに笑った。


「だろ? 俺の親父の教え。伸び伸び育てるんだってさ!」


「褒められてると捉えるのが皓らしくていいな」


「どういう意味だそれ!」


そんな皓に、横からスッと影が差し込んだ。


陶之助だ。


「確かにこいつは名家の風上にも置けねえな」


「うるせーよスエ!」


皓が噛みつく。


そのやり取りに、大河が豪快に笑い出し、

つられて俺も笑ってしまった。


このメンツが揃うと、

いつもの騒がしさに戻る――

そんな安心感が、なんだか悪くなかった。

六大魔法名家


1.佐々さざみね

魔法名家の中では最も歴史の古い家系。祖先は初めて属性という概念を提唱したとされ、現代の魔法体系の根幹を作った。血縁からはあらゆる属性に適性を持った者が生まれ、幅広い才能を持った魔法使いを輩出している。

担当:研究・教育

父 佐々さざみね 源流げんりゅう

適性 土

母 佐々さざみね 鎭羽しずは

適性 風

長女 佐々さざみね 莉亜りあ

適性 水

次女 佐々さざみね 紫亜しあ

適性 闇

三女 佐々さざみね 魅亜みあ

適性 火


2.鷹波たかなみ

魔法名家を束ね、導くリーダーの一家。実質的には佐々峰家と同格にして最上位クラスであり、権力を2つに分散させることで独裁を防いでいる(二権分立)。風属性に適性を持つ者が多く、世界でも稀な空属性の子もたまに生まれるという特徴がある。

担当:リーダーシップ・軍政

父 鷹波たかなみ 凰次おうじ

適性 風

母 鷹波たかなみ 金加きんか

適性 光

長男 鷹波たかなみ 右京うきょう

適性 空


3.幸崎こうさき

先祖代々、雷属性を継いできた一家。六大魔法名家の中では唯一、現行で教師を務めている(幸崎 轟一)。また、生活圏が一般家庭と隣合わせであり、庶民と名家の橋渡し的な存在。自由で伸び伸びとした教育をモットーとした一家。

担当:治安・軍

父 幸崎こうさき 轟一ごういち

適性 雷

母 幸崎こうさき 美幸みゆき

適性 土

長男 幸崎こうさき ひかる

適性 雷

長女 幸崎こうさき 弥来みらい

適性 雷


4.天針あまはり

血縁者の半数以上が聖職に就く一家。光属性に適性を持った魔法使いが生まれやすい。解呪魔法・浄化魔法・回復魔法の第一人者の家系。基本的には大人になるまで家庭独自のカリキュラムで徹底的な学習と訓練をするのが習わしとなっており、天針 琉月がアルテリア魔法学校に通うことになったのは異例である。

担当:医療・宗教

父 天針あまはり せん

適性 水

母 天針あまはり 琉御るみ

適性 光

長女 天針あまはり 琉月るな

適性 光

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