↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
115/429

#110 強者揃いの決闘部

ベッドの上で、皓が足をぶらぶらさせながら、やけに胸を張った。


「そういや玲磁、お前もう聞いてんだろ?

 ——俺ら、決闘部入ったからな」


「ああ。魅亜からも聞いたし、

 前にお前、自分でも言ってたろ」


わざわざ改めて言うほどのことでもない。

皓はこういう“報告”が好きなだけだ。


陶之介は壁にもたれ、腕を組んだまま淡々と口を開く。


「決闘部は……確かに荒れてるが、悪くねぇ。

 右京先輩が仕切ってるだけあって、練習の質は本物だ」


「右京会長が部長だもんな。そりゃ人気出るわ」


「あの人は強すぎるんだよ」


皓が即座にそう言う。


「お前はもう少し考えて戦え。

 格上相手にも同じように突っ込みやがって」


「うるせえ、考えてるわ!」


「それで雷みたいに直進してるから言ってんだ」


相変わらずのやり取りに、俺は小さく息を吐いた。


「そういえば右京会長、なんだかんだで合研部にも顔出すことになったぞ」


「マジかよ……オーバーワークすぎるだろ」


「疲れ知らず、とも言うな」


陶之介は鼻で笑う。


「才能に溢れてるくせに、決闘部でも一番努力してやがる。

 そういうやつは、正直タチが悪い」


その横で、瑞翔が小さな声で付け足した。


「……決闘部、見に行ったことはあるけど、

 確かにあそこだけ空気が違うな。

 俺には絶対無理だけど」


「お前帰宅部だもんな!」


「落ち着くからね、寮」


「静かすぎんだよ! 汗かけ汗!」


「汗かきたくて決闘する人、そんなにいないよ……」


俺はその会話を聞きながら、肩をすくめた。


「で? 結局、楽しんでんの?」


「楽しすぎる!」


皓は即答だった。


「弥来もいるしさ。

 兄妹でやると、なんだかんだ燃えるんだよな。

 あいつ、実技で俺の次くらいに速いし!」


「弥来は強いよな。

 魅亜も入ったって聞いたけど」


「ああ」


陶之介が少し間を置いてから答える。


「だが魅亜は……まだ魔力が安定してねぇ。

 火の扱いで躊躇がある。

 素質は本物だが、無茶できる状態じゃない」


「でもさ、雰囲気は明るくなるんだよな〜」


皓が笑う。


「あいついると、空気がほぐれる」


「魅亜は誰とでも仲良くなれるからな」


「……まあ」


陶之介が少し視線を逸らす。


「あそこで浮いてる俺にまで話しかけてくる。

 妙なやつだ」


「それ、評価低くない?」


「褒めてるんだよ。俺にしてはな」


「……たぶん褒めてるね、それ」


瑞翔が淡々と補足する。


その流れで、皓が勢いよく身を乗り出した。


「決闘部ってさ!

 やっぱ“ぶつかる場所”があるっていいんだよ!

 殴り合いじゃなくて、“魔法”でさ!

 ストレスが全部吹っ飛ぶ!」


「皓はそういうとこあるよな。

 良くも悪くも真っ直ぐ」


「真っ直ぐというか……単純というか……」


陶之介が続ける。


「雷みたいに直進しかしねぇ」


「お前また言ったな!?

 そこは褒めろよ!」


「褒めてるんだが?」


「絶対嘘!」


俺は笑いながら椅子に腰を下ろした。


「でもまあ……

 お前らが楽しそうなら、それでいいよ。

 決闘部、絶対似合うしな」


瑞翔が、いつもの落ち着いた声で締める。


「……俺は静かに過ごすけど、

 見てて飽きないよ。

 お前らは、毎日なにかしら動いてくれるから」


「お、珍しく褒められた?」


「いや、観察対象って意味だろ」


「その通りだよ」


「言い切ったな!」


三人の笑い声が重なって、

瑞翔は肩をすくめながらも、ほんの少し嬉しそうに微笑んだ。


——こうして、“決闘部”の話題で、

赤ノ寮の夜は、にぎやかに更けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。