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異常世界の歩き方 MDE(国際異常研究機構)  作者: 神代千早


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42/83

NCO-318-JP 「おかえりなさいの小鳥箱」

毎日21時投稿

金土日18時、21時、2本投稿予定

この章は10分ぐらいで読めます

よかったらコメント感想聞かせてください!

NCO-318-JP

「おかえりなさいの小鳥箱」

MAES評価

項目評価

管理等級(Containment Rating)C-3(封鎖級)

危険度(Hazard Rating)H-3(高)

影響規模(Effect Scale)E-3(地域)

調査優先度A

特別収容プロトコル


NCO-318-JPは、サイト83地下異常物品収容区画・第4高危険物保管室に収容されています。


対象は厚さ50mm以上の耐衝撃性複合ガラス製収容ケースへ収納し、ケース内部は常時窒素雰囲気を維持してください。ケースの開放には、サイト83管理責任者および異常心理学部門主任の承認が必要です。


収容室への入室は必ず三名以上で行ってください。入退室時には互いの人数を目視確認するとともに、生体認証記録と照合し、入室人数と退出人数が完全に一致していることを確認してください。


人数に不一致が発生した場合は、収容区画全体を直ちに封鎖し、認識災害対策班および異常存在確認班による再確認が完了するまで、いかなる理由があっても区画への立ち入りを禁止します。


対象から半径20m以内では、職員同士を氏名ではなく、事前に割り当てられた番号で呼称してください。個人名による呼びかけは禁止されています。


対象を視認した職員に、以下のいずれかの兆候が確認された場合は、直ちに対象から隔離し、72時間以上の心理観察を実施してください。


「帰らなければならない」と繰り返し発言する。

家族の人数を誤認する。

「ただいま」「おかえり」という言葉を理由なく口にする。

「誰かが家で待っている」と訴える。


現在まで、NCO-318-JPの完全な破壊・無力化には成功していません。


説明


NCO-318-JPは、高さ約27cm、幅19cm、奥行18cmの木製小箱です。


外観は一般的な小鳥用巣箱と酷似していますが、正面の入口は内部へ通じておらず、X線撮影および解体調査では、内部容積が外観から推定される容量の約18%しか存在しないことが確認されています。


材質はヒノキ、スギ、ケヤキ、クスノキなど複数種の木材が継ぎ目なく接合されており、現代の木工技術では再現困難な加工痕が確認されています。


箱の表面には、小鳥を模した手彫りの装飾が施されています。


しかし、この彫刻の羽数は一定ではありません。


静止画、監視映像、目視記録を比較した結果、同一日時であるにもかかわらず鳥の数が異なっていた事例が複数確認されています。


現在確認されている最大数は██羽、最少数は██羽です。


変化する法則性は判明していません。


NCO-318-JP最大の異常性は、「帰宅できなくなった人物」を帰宅させるという性質にあります。


現時点で再構成対象となる条件は以下のいずれかを満たす人物と推定されています。


行方不明者

死亡者

長期間帰宅していない人物

「家族」と認識されている人物

NCO-318-JPの影響下で消息を絶った人物


再構成された人物は、生体情報、DNA、指紋、虹彩、歯列、声紋に至るまで元人物と完全に一致する場合があります。


また、性格や記憶、専門知識も高精度で再現されるため、通常の医学検査や心理検査では本人と区別できない事例が多数確認されています。


しかし、長時間の観察では以下のような共通点が確認されています。


特定の思い出だけを思い出せない。

存在しない出来事を幼少期の記憶として語る。

家族構成を誤認する。

自宅住所を██県██村旧████家住宅と回答する。

深夜になると玄関方向を見つめ続ける。

「まだ帰ってきていない人がいる」と独り言を発する。


これらの異常は断続的に発生し、本人に自覚はありません。


現在まで、再構成された人物が元の人物と完全に同一存在であるかについて、MDEは結論を得られていません。


発見経緯


NCO-318-JPは、██県██村に存在した旧████家住宅から回収されました。


最初の異変が報告されたのは██年██月██日です。


██警察署へ、一人暮らしの高齢女性から一本の通報が寄せられました。


その内容は、


「三年前に亡くなった息子が、昨日の夕方、『ただいま』と言って帰ってきました。」


というものでした。


当初、警察は精神疾患や高齢による認知障害を疑い、通常事案として処理しました。


しかし、その後二週間の間に、同様の内容を含む通報が周辺地域で十一件確認されます。


「戦死した祖父が帰宅した。」


「失踪した娘が突然帰ってきた。」


「四十年前に姿を消した兄が夕食を食べていた。」


通報内容は異なるものの、共通していたのは**「帰ってきた人物を家族全員が本人だと認識している」**という点でした。


警察による聞き取り調査では、近隣住民も違和感を抱いておらず、戸籍、写真、学校記録、勤務履歴などもすべて本人と矛盾しませんでした。


一方で、「帰宅するまで何をしていたのか」という質問に対しては、全員が曖昧な回答しかできず、数年間から数十年間に及ぶ記憶が不自然に欠落していました。


異常事案の可能性を認めた██警察署は、情報管理局を通じてMDEへ調査を要請。


サイト83から第一次調査班が派遣されます。


調査班は聞き取り調査の結果、すべての関係者が共通して旧████家住宅を訪れていた事実を確認しました。


住宅内の仏間中央には、小さな木製の小鳥箱が静かに安置されていました。


それが、現在NCO-318-JPと指定されている対象です。

 旧████家住宅は、██県██村の山間部に位置する木造平屋建ての住宅でした。


建物自体は築七十年以上と推定されていましたが、外壁・屋根ともに保存状態は極めて良好であり、長期間放置されていたとは考えにくい状態でした。


近隣住民への聞き取りでは、住宅の所有者一家は十数年前に一家離散し、最後の居住者であった██氏も五年前に死亡していることが確認されています。しかし、それ以降も住宅から生活音や灯りが確認されるという証言が複数寄せられていました。


夜間には玄関の引き戸が開閉する音や、食器の触れ合う音、複数人が談笑する声が聞こえることがあったものの、翌朝には人の気配は一切なく、玄関には誰のものとも判別できない靴だけが整然と並んでいたといいます。


こうした証言は長年「幽霊屋敷」の噂として扱われていましたが、失踪者の帰還事例が相次いだことで、初めて異常事案として注目されることになりました。


第一次調査班が住宅へ到着したのは██年██月██日午前九時四十二分です。


住宅内部には侵入や荒らされた形跡は見られず、居住者が今も生活しているかのような状態が維持されていました。


居間の卓上には、湯気の立つ味噌汁と焼き魚、炊きたての白米が二人分配膳されていました。


しかし、食品の温度を測定した結果、調理から既に十時間以上経過していることが判明しています。


仏壇には毎日新しい花と線香が供えられていましたが、花粉の付着状況や監視の結果から、供えた人物は確認されませんでした。


台所の流しには使用直後と思われる茶碗や箸が残されていましたが、付着していた指紋はいずれも照合不能でした。


調査班は住宅全域を捜索しましたが、生存者・侵入者ともに発見されませんでした。


異常現象は仏間で確認されました。


部屋の中央には、高さおよそ一メートルの木製台座が設置され、その上に小型の木製小鳥箱が置かれていました。


対象の周囲には、鳥の羽毛が円を描くように散乱していましたが、そのすべてが異なる鳥類のものであることが後の分析で判明しています。


小鳥箱に接近した隊員全員が、「誰かに見られている感覚がある」と証言しています。


また、室内には風の流入経路が存在しないにもかかわらず、対象周辺のみ断続的に木々のざわめきや小鳥のさえずりが録音されました。


録音された鳴き声を解析した結果、国内外合わせて二十種以上の鳥類の鳴き声が同時に混在していることが確認されています。


生態学的には、同じ地域・同じ時間帯に同時発生することはあり得ない組み合わせでした。


調査班が対象を回収するため台座を移動した際、台座底面に焼印が刻まれていることが判明しました。


刻印内容は以下の通りです。


鬼灯産業株式会社


家族帰宅支援設備


施工番号:HS-27-318


保証期間:永久


「――いつでも、帰ってこられる家へ。」


この刻印は、過去に回収された鬼灯産業株式会社関連異常物品の施工表示と加工方法、字体、焼印深度が完全に一致しています。


また、「保証期間:永久」という表記は、鬼灯産業関連案件で複数回確認されている契約文言と一致していました。


現時点では施工番号「HS-27-318」が示す意味については判明していません。


対象の収容作業は問題なく完了したように見えました。


しかし、住宅から搬出を開始した直後、調査班員の一人が無線で次のように発言しています。


「……隊長、俺たち、最初から七人いましたっけ?」


隊長は即座に名簿を確認し、「六名編成である」と返答しました。


しかしその場にいた全員が、「七人いた」という違和感を共有していたことが後の記録から判明しています。


人数確認が再度実施された際には、現場にいた全員が六名しか確認できませんでした。


この事象は一時的な認識異常として処理され、作戦は継続されました。


対象は同日午後、サイト83への搬送が開始されました。


一方、住宅内に残留し追加調査を行っていた第一次調査班は、その後も周辺環境の測量および異常現象の記録を継続していました。


午後四時十三分、調査班から最後の定時連絡が送信されます。


通信内容に異常はなく、隊員全員の生存も確認されていました。


しかし、その十一分後。


午後四時二十四分を最後に、第一次調査班との通信は突如途絶しました。


通信機器の故障は確認されておらず、GPS信号は住宅内部を示したまま静止。


救援部隊が現地へ到着した時、住宅内に調査班の姿はなく、争った形跡や出血痕も発見されませんでした。


現場には調査機材のみが残されており、隊員六名は現在に至るまで発見されていません。


なお、救援部隊が住宅から撤収する際、玄関には七足分の靴が整然と並べられていたことが記録されています。


所有者不明の一足については、現在も特定には至っていません。


本件を受け、サイト83対策本部はNCO-318-JPの危険度をH-2からH-3へ引き上げるとともに、第一次調査班の行方を最優先調査事項に指定しました。


失踪までの詳細な通信記録および音声解析結果は、**補遺318-1「第一次調査班通信記録」**に記載されています。


補遺318-1

第一次調査班通信記録


記録日時: ██年██月██日


担当部隊: サイト83 調査部 第一異常調査班


指揮官: 調査主任・伊吹 真人


参加人数: 6名


記録注記


以下は第一次調査班の無線通信、ボディカメラ音声、携帯端末記録を時系列順に再構成したものである。


文中の「隊員1~5」は個人情報保護および遺族配慮のため匿名化されている。


音声の欠落箇所は【通信断】、判読不能箇所は【不明瞭】として記載した。


09:42


伊吹

「現場到着。これより旧████家住宅へ進入する。」


隊員2

「周囲異常なし。」


隊員4

「住宅周辺、動物反応なし。鳥の鳴き声もありません。」


伊吹

「了解。映像記録開始。」


09:49


(玄関開放)


【引き戸が開く音】


隊員3

「……思ったより普通ですね。」


隊員5

「生活感がある。」


伊吹

「油断するな。異常は"普通"に見えることが多い。」


09:58


(居間)


隊員1

「味噌汁、まだ温かそうに見えます。」


隊員2

「でも温度計は二十度……?」


伊吹

「触るな。写真だけ撮れ。」


10:07


(台所)


【食器の触れ合う音】


隊員5

「誰かいます?」


【応答なし】


隊員4

「今、奥で音しませんでした?」


伊吹

「確認する。」


(住宅全域を捜索)


【異常なし】


10:16


(仏間)


隊員3

「これですか。」


伊吹

「……小鳥箱。」


隊員2

「思ってたより小さいですね。」


【約八秒間の無音】


隊員4

「……なんか。」


伊吹

「どうした。」


隊員4

「見られてません?」


【誰も返答しない】


10:22


(対象撮影開始)


隊員5

「鳥、何羽います?」


隊員2

「十一。」


隊員3

「いや、十二だろ。」


隊員1

「十羽じゃないですか?」


【沈黙】


伊吹

「……写真確認。」


(写真確認)


隊員2

「……十一羽。」


隊員3

「俺、さっき十二羽見たんだけど。」


伊吹

「気のせいだ。」


10:38


(対象周辺測定)


【小鳥の鳴き声】


隊員5

「録音しました?」


隊員2

「しました。」


隊員5

「家の中ですよね?」


伊吹

「続行。」


10:51


隊員4

「隊長。」


伊吹

「何だ。」


隊員4

「さっきから、玄関で誰か靴脱いでません?」


【全員沈黙】


【遠くで木製床を歩く音】


コツ……


コツ……


コツ……


隊員3

「……誰ですか?」


【応答なし】


11:04


(住宅全域再確認)


異常なし。


侵入者なし。


外周監視班より、


「住宅へ出入りした人物は確認されない。」


との報告。


11:18


隊員5

「隊長。」


伊吹

「どうした。」


隊員5

「俺たち……」


【三秒沈黙】


「七人でしたっけ。」


【全員沈黙 約十一秒】


伊吹

「名簿確認。」


【紙をめくる音】


「六名。」


隊員2

「……ですよね。」


隊員4

「でも。」


隊員3

「なんで七人いる気がしたんだ。」


11:19


【人数確認】


伊吹

「点呼。」


隊員1

「一。」


隊員2

「二。」


隊員3

「三。」


隊員4

「四。」


隊員5

「五。」


伊吹

「六。」


【確認終了】


異常なし。


11:20


【ボディカメラ映像解析】


後日の映像解析により、この時点の映像右端に調査班の記録に存在しない人物が約0.8秒間映り込んでいたことが判明した。


人物は調査班と同じ防護装備を着用していたが、ヘルメットの識別番号は判読できなかった。


映像内では誰一人として当該人物へ反応していない。


11:42


対象搬出開始。


異常なし。


12:17


搬送車出発。


住宅内には伊吹隊を含む六名が残留し、追加調査を継続。


13:51


【通信】


隊員2

「家の中、広くなってません?」


伊吹

「何。」


隊員2

「廊下です。」


「歩いても終わらない。」


伊吹

「位置報告。」


【通信途絶 4秒】


隊員2

「……戻りました。」


14:36


隊員5が「誰かが居間で食事をしている」と報告。


確認班派遣。


異常なし。


しかし食卓には、


七膳の茶碗


が並んでいた。


15:09


隊員3が住宅内で子どもの笑い声を録音。


解析の結果、


音声には以下の発話が確認された。


「あと一人。」


15:47


住宅全域を再捜索。


異常なし。


16:13


定時報告。


伊吹

「こちら第一次調査班。


現時点で人的被害なし。


追加調査を継続する。」


16:21


【緊急通信】


隊員4

「隊長!」


「また七人いる!」


伊吹

「落ち着け!」


隊員4

「違う!」


「一人増えたんじゃない!」


「最初からいた奴が分からない!」


【複数人の足音】


【無線混信】


隊員2

「点呼!」


「早く!」


「一!」


「二!」


「三!」


「四!」


「五!」


「六!」


「七──」


【約六秒間の無音】


伊吹

「……誰だ。」


【通信記録終了】


解析結果


16時24分を最後に、第一次調査班との通信は完全に途絶した。


救援部隊到着時、住宅内に隊員の姿はなく、争った痕跡や血痕も確認されなかった。


一方、玄関には泥の付着した七足分の安全靴が整然と並べられていた。


鑑識の結果、そのうち六足は調査班員のものと一致した。


残る一足については、サイズ・材質ともにMDE支給装備と同一規格であったが、支給記録・製造番号・所有者はいずれも確認できなかった。


補足


この通信記録を確認した職員のうち9名が、「最後に数えられた"七人目"の声を知っている気がする」と証言した。


しかし、その声が誰のものであったかを具体的に説明できた者は一人もいなかった。


本件は重大な認識異常および存在改変事案として再分類され、サイト83所属機動部隊『マジックナンバーズ』への引き継ぎが決定された。 


# 補遺-13-JP-A 事案終結報告


**記録日:** 20██年██月██日

**記録担当:** サイト83 情報管理部


---


## 事案結果


NCO-██-JP「十三羽目」事案は、機動部隊γ-9による異常構造内部への侵入作戦、および異常人格との対話・認識分離処理により終結した。


事案終結に伴い、以下の現象を確認した。


* 異常構造「家」の自己管理機構が完全停止。

* 「十三羽目」管理システムの消滅。

* 帰還対象登録の全解除。

* 国内外で確認されていた同種帰宅異常の自然消失。

* 収容下にあった十二件の関連異常構造は全て崩壊し、残留人格は保留領域へ移送された。


救出された人格の多くは重度の記憶欠損を伴っていたものの、生存および人格維持に成功している。


---


## 異常人格「澪」


コード:AP-13-01


紅林澪奈を基に生成された複製人格。


人格結晶として安定化に成功。


現在は人格保護区画において長期観察中。


現時点で異常性の再活性化は確認されていない。


なお、覚醒時には自らを「澪」と名乗り、紅林澪奈とは別人格であることを一貫して主張している。


担当研究員は人格独立性を認め、別個体として取り扱うよう勧告している。


---


## 異常人格「道」


コード:AP-13-02


事案終結直前、「家」が自己定義を書き換えた結果発生した人格。


当人格は自らの名称を「道」と申告。


人格固定処理に成功し、結晶媒体内で安定状態を維持している。


現在までに自発覚醒は確認されていない。


担当研究員 新木慎介は以下の所見を提出している。


> 「『家』をやめた瞬間に人格として成立した珍しい例や。

> 帰属先を持たへん人格なんて前例がない。

> 下手に定義したら、また別の異常になる可能性がある。」


そのため、本人格への不用意な認識付与は禁止される。


---


# 補遺-13-JP-B 東雲重工業株式会社に関する調査


事案に使用された異常設備の一部から、要注意団体「東雲重工業株式会社」の製造記録を確認。


押収資料より、本事案は東雲重工業が研究していた「試作十三号帰還管理システム」を、別勢力である鬼灯産業が独自改造した可能性が高いと判断された。


東雲重工業側施設は既に放棄されており、多くの資料・設備は事前に撤収済みであった。


現場責任者であった嵯峨野宗一は身柄を確保。


現在も事情聴取を継続している。


なお、本件を受け、東雲重工業の危険度評価は一段階引き上げられた。


---


# 補遺-13-JP-C 千鳥に関する人事記録


保護対象として収容されていた千鳥は、心理評価および身体検査終了後、自らMDEへの所属を希望した。


複数回の面談において強制・洗脳・認識誘導の影響は確認されず、本人の自由意思による申請であると判断された。


これを受け、管理評議会は以下を決定する。


---


**決議番号:83-HR-214**


対象:千鳥


所属:


サイト83

異常人格保護部門


役職:


研修職員


権限:


職員レベル1(限定)


携行装備:


通常職員装備のみ


備考:


異常人格・人格結晶との高い意思疎通能力を有するため、専門補助員として育成する。


---


担当教官には紅林澪奈を任命。


生活支援担当にはメアリーを配置。


教育担当には神楽を指定する。


なお、荒木真介および新木慎介については本人の強い希望により「相談役」として登録された。


人事部は「相談内容より漫才の割合が多い」と報告している。


---


# 補遺-13-JP-D クレイン博士コメント


> 「家は、人を守るために作られる。

>

> けれど、人は家のために生きるわけじゃない。

>

> 我々の収容も同じだ。

>

> 守ることと閉じ込めることは、紙一重である。

>

> 今回救われたのは人格だけではない。

>

> 我々自身の在り方だったのかもしれない。」


---


## 現在の収容状況


NCO-██-JP本体は消滅。


再発兆候なし。


ただし、「帰る場所」という認識概念を媒介とする異常現象については、類似事案発生の可能性を完全には否定できない。


本報告書は、異常構造・人格帰属・認識固定現象に関する重要参考資料として、サイト83標準教育課程へ登録された。


---


**事案状態:終結**


**収容状態:終了**


**監視状態:継続**


**文書記録終了**

 

次回予告


『十三羽目』

第一章 召集


9月26日21時投稿予定

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