新人職員オリエンテーション午後の部
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よし、それじゃあ午後のオリエンテーション始めるぞ。俺はエージェントの黒岡ってんだ。お前らのインストラクター役を請け負うことになった。
いいか、この場にいるってことは、お前らには見込みがあるってことだ。単なる間抜けじゃなく、わけもわからねぇ方法で殺戮してくる得体のしれねぇバケモンを収容し研究するのに使えるかもしれねぇってことだ。
まず基本的なところから説明してやろう。お前らの仕事は、得体の知れない代物を見つけ出して連れ帰るか持ち帰るかして収容することだ。それがエージェントの基本的な仕事だ。お前らが必死になって収容したものを防弾ガラス越しに観察しながら研究するのが研究者の仕事ってわけだな。一応ここにはエージェント志望のやつも研究者志望のやつもいるから一つだけいいこと教えてやる。油断は絶対にするな、そして常識を疑え、さもなくば死ぬぞ。いや、死ぬだけじゃ生ぬるいそれ以上の地獄を下手したら味わうことになるぞ。そうなったやつをたくさん見てきた。これだけはエージェントも研究者も変わらねぇ。
ここには研究者とエージェントを両立するであろうやつもいるな。おそらくそいつは機動部隊という特殊な部署につくだろう。まぁ大体のやつは俺みたいな回収部隊か収容部隊ってことになる。上に情報部ってのがあるが新人のお前らには関係ない話だ。まず、情報部の連中が出て行って、手掛かりを探し、情報を収集して、お前らに命令をくれるってわけだ。
ろくに役に立たねぇ情報なんか受け取った日にゃ異国情緒あふれる旅行が待ってるぜ。行く先がどこだろうと、情報部に行けと言われたらとにかく行く。行ったら、まずはお前らよりもずっと偉いエージェントが聞き込みをして状況を探る。何もひがむことはねえよ。もしヤバいことになったら、真っ先にひどい目に遭うのはそいつだからな。そいつがゴーサインを出したら、残りのメンバーも行動開始だ。後はできるだけ目立たないようにNCOを回収すればいい。
それでだ、やつらはそう簡単にこっちの希望通りに動いてくれるとは限らねぇ。ほとんどの場合は簡単なケースさ。しかしな、おとなしくする気なんてみじんもなく、それを押し通せる手段を持つやつが相手ってこともある。そういう時は力ずくでやるしかねぇ。本来なら情報部がどこまで奴らが耐えられるかをきっちり突き止めてるんだが、たいていは何もわからない状態で素手から始めていろいろ試すことになる。
場合によってはやつらを捕まえるか、自分で歩いて帰るか、片方しか選べねぇときは迷わず後者を選べ。逆のことを言うあほもいるだろうがな、奴らをちゃんと捕まえるのが一番大事ってのは確かだが、きつい仕事をちゃんとこなせるエージェントはそう簡単に見つかるもんじゃねえ。生きて仕事を続けたほうが、結局捕まえられるNCOの数は多くなるんだ。まあ、一番いいのは逃げちまうことだな。そうすりゃ、誰か他の奴が派遣されてくる。それができなくて本当にヤバい状況に追い詰められたら、そのときは銃を抜くんだ。その状況になったということは、銃が効く可能性は低いがとりあえず奴らにぶっ放し続けろ、しこたまぶっ放せば何とかなることがあるからな。ただな、最後の一発だけは残しとけよ。その後はまぁいわんでもわかるな?やつらに捕まったら生き地獄をあじあわされる前にそれで頭吹っ飛ばせ、そのほうが身のためだ。
いっとくが「エージェント・黒岡が言ってたから、動くものは何でも撃っていいんだな」なんて考えんなよ。今のはやむ得ない場合の話だ。本来の目的は、できるだけ無傷でオブジェクトを確保することだからな。どうしても無理なら、残骸を研究するだけでも仕方ねえって話にはなるが。
回収の仕事の基本的な説明はこんなところだ。残りは収容の仕事だな。
収容の仕事は、ある意味ではもっと楽だ。オブジェクトがどこにあるのかはわかってるし、うまくすりゃやつらの能力や性質、おまけにそれを封じ込める方法についてもヒントがつかめてるだろう。だが、面倒なところもある。
まず、やつらの知性の程度によるが、向こうもこっちを観察してる可能性がある。俺たちが何をどこまでできるのか、ヒントをつかんでるかもしれねえ。制服の意味もわかっていて、武装してるのはどんな服の奴かってことまで理解してるかもしれねえ。こっちに対して怒ってる可能性もある。
脱走事故が起こったときも厄介だ。専用サイトで収容してるなら話は別だが、そうでなきゃ他のオブジェクトの脱走にもつながって、気がついたら5体も6体もやつらのを相手にしなきゃならねえってことも考えられる。オブジェクト同士で大喧嘩を始める可能性もあるが、そうしたらお前らはその中に割って入って止めなきゃならねえし、仲良く遊び始めるってこともないだろうしな。
それと、回収はほとんどの場合は簡単なケースだって言ったのを覚えてるか? 収容の仕事はそうはいかねえぜ。もちろん、収容されてるオブジェクトの中には安全なものだってある。だけどお前らの頭をもぎ取って脳みそをかき出そうって奴もいるし、おまけにそいつらの近くにずっといなきゃならねえんだ。特に、さっき言った専用サイトの場合は危ねえ。それだけのリソースを注ぎ込んでる以上、やることは自動販売機の監視とかじゃ済まねえからな。
まぁ、俺らの仕事ってのはこんな感じだ。
一応機動部隊ってのを説明するぞ。機動部隊ってのはそれぞれの部署のスペシャリストが集まる集団でオブジェクトの収容ややつらの中に入って探索することもある。あとはうちらに攻撃を仕掛けてくる奴らの対処や収容違反が起こった時に動くやつもある。
何?攻撃仕掛けてくる奴もいるのかって?まあ、敵対組織がうちに攻撃仕掛けてオブジェクトをぶんどっていくやつらもいるぞ、うちでは要注意団体って呼んでんだが、世界から戦争がなくならないように、異常扱ってるやつらがみんな、仲良しこよしってわけにもいかねんだなぁ。
一応説明が終わったが、なんか質問あるか?
よし、そこの最前列の髪長いやつ。医療保障についてか?
ここの医療はすげーぜ。生きて帰りさえすれば、ここの技術でたちまちに治してくれるぜ。ここの医療班には世界最高の医者が集まってんだ。主要器官が残ってんならなんとかしてくれるさ。
次は後ろのお前だ、俺が今までで出くわしたやばいやつは何かって?そうだな、オブジェクトをサイト内にはなって遊ぶイカレタ博士が一番かなお前らもきをつけろよサイトをぶっ壊すやつもいるからな、そいつがサイトの管理者なんて笑えるだろ。
よし、最後列の姉ちゃん。この仕事のいいところか?給料がいいのと、表で脚光浴びることはねえが、世界が滅びるのを止められるのを食い止められるってことだな。誰かがやらなきゃならねぇ仕事なんだ。これはジョークじゃねえぜ。これをジョークだと笑い飛ばす奴がいたらそいつはながくはもたねぇぜ。お前ら、生きて明日迎えたいと思わねぇか?俺もだ。
よしそこの太いの何が聞きたい?なんだ?食堂に二次元から飛び出してきたような少女がいたがそいつは職員かって?
あぁそいつは、ここにいるはずなんだが見当たんねぇな、まあいいや。そいつも職員だがお前みたいなやつはあんま関わらんほうが身のためだぞ。なぜかって?あいつはお前みたいな乗りのやつが嫌いだからな。関わりたいならそのだらしないからだ鍛えて、めんどくさい乗りしそうな雰囲気治せ。
【館内放送】
緊急通達。
サイト83にて
管理等級:C-2
特殊指定:UNSTABLE
NCO-53-JP
収容区画より脱走。
職員は持ち場を維持してください。
「えっ?」新人全員がざわつき始める
ため息。
「……だから言ったろ。」
「ここじゃこれが日常だ。」
数秒後
放送。
「訂正。
NCO-53-JPは食堂厨房にて発見。
現在、おやつを与え再収容しました。」
黒岡
「……あいつか。」
新人
「え?」
黒岡
「サイトの看板猫だ。」
さてと、これで午後のオリエンテーションは終わりだが、最後までちゃんと聞いたご褒美がある。優しい俺がお前らのためにウィスキーを用意しておいてやった。まあ、ほかのやつらはコーヒーとケーキなんだが、でもな……誰にも言うなよ。こっちには下剤は入ってねぇぜよかったな。
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「いやーここの職員は偉い気前良いんやな。まだ就業してもねぇのに酒なんか用意してもろて、部屋に戻ったらゆっくりと楽しみましょかね。酒のアテは何にするかねー。せや!澪はんもさそうかーそういや澪はんは酒飲めんのかいな?後で会ったら聞いて見ましょか」
「おい!ここに新木慎介というやつはいるか?この後話があるからここに残っていろ!」
「なんやうちなんかやらかしてもうたかな?」
午後のオリエンテーションが終わって各自自室に戻って明日に備えようとそそくさと部屋を出ていく人々を尻目に新木はまだ部屋に残っていた。
「さて、ここ片付けて次の会議の準備をっと。あれっ?まだ人が残ってる?もうとっくにオリエンテーションおわってるはずなのに……」「あのー」
「はい?なんか用ですかいな?」
「ここ会議で使うので外に出てもらえますか?」
「なんかうちだけ用があるからここに残ってろ言われたんで残ってるんですわ」
「ここの片付け一人でするんか?大変やない?よし、うちも手伝いますわ。え?申し訳ないって?かまへんかまへんうちはこの後用事なんて何もあらへんので そうや、うちはな新木ゆうてな今後もよろしゅう高砂はん」
「なぜ私の名前を知ってるんですか?」
「なぜってあんた、午前のオリエンテーションで助手してましたやろ?それで覚えてたんですわ。こう見えてもうちは人のこと覚えるの得意さかい」
「というとあなたは新人職員ですね。見たところあなたも私と同じ職種みたいですし、何か知りたい事があったら何でも聞いてください。」
「じゃあなぜ高砂はんはここに勤めることになった経緯は?」
「私は数年前に異常関連の事件に巻き込まれてね、その時に認識災害やミーム災害などの耐性を持ってる事がわかって、それが縁でここに勤めることになったのよ。この様子だとあなたも認識災害もミーム災害も知ってるでしょ」
「えぇ知ってますわ。うちはここの関連企業でも働いてましたのでね」
「そこでねこんな研究をしてまして…………」
「これで大体は会議の準備ができました。新木さん手伝っていただきありがとうございました。」
「早くおわったようでなによりですわ それにしても用事ってなんやろな」
手伝いも終わり、一人で会議室で待つ新木しびれを切らしていったん外に行こうとした矢先に人が飛び込んできてその後に食堂で会った人物が入ってくる。
「うぉっと?!あれっ?澪はんやないか、どないしてんここで?」
「それはこっちの台詞....私はここで会議があるから来たの。にしても新木あんたはなぜまだここにいるの?オリエンテーションはとっくに終わってるはずなんだけど.....」
「それはな、ちょいとここでオリエンテーションの片付け手伝ってたさかいこの時間まで残ってたんや」
「まぁいいわ、もう会議の時間だから話があるなら後でね」
次回予告
機動部隊γ-9("マジックナンバーズ")
9月5日18時投稿予定




