↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異常世界の歩き方 MDE(国際異常研究機構)  作者: 神代千早


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/84

NCO-53-JP電子猫

オブジェクト番号:NCO-53-JP


正式名称:電子猫(Electronic Cat)


異常分類:BIO(生物)


管理等級:C-2(管理級)


危険等級:H-2


影響規模:L(Local)


研究優先度:B


特殊指定:UNSTABLE / VEIL


概要


NCO-53-JPは、一見すると一般的な家猫(Felis silvestris catus)と区別のつかない外見を持つ猫型アノマリーです。


外見・体格・行動の大半は通常の家猫と同一ですが、本個体は特定条件下において物理法則を無視した挙動を示します。


現在確認されている主な異常性は以下の通りです。


通常状態では、生物・物体を問わず一切の接触を受け付けない。

鉛を一定以上含有した物体のみ接触が可能。

密閉空間から物質を破壊することなく脱出する。

高温・低温・高圧・真空・放射線環境下でも生存可能。

電子機器周辺で行動が活発化する傾向が確認されている。


現在までに知能は一般的な家猫と同程度と推測されています。


収容プロトコル


NCO-53-JPはサイト83、生物収容棟第2区画にて飼育・管理を行います。


収容室は鉛を内包した特殊複合素材により構築し、出入口には二重隔壁を設置してください。


担当職員は毎日2回健康状態を確認してください。


給餌は通常の猫用飼料で問題ありません。


なお、対象は極めて人懐こい性格であり、職員へ自ら近寄ることがありますが、鉛製保護手袋未装着で接触を試みてはなりません。


発見経緯


20██年██月██日。


東京都██区において


「触れない猫がいる」


との複数の通報が警察へ寄せられました。


当初は悪質ないたずらと判断されましたが、防犯カメラ映像において、対象が閉鎖された建物内へ壁面を通過して侵入・退出する様子が確認されました。


その後IARO東京支部が調査を開始。


対象を保護し、NCO-53-JPへ指定しました。


実験記録

実験001


内容


素手による接触。


結果


接触不能。


被験者の手は対象を透過した。


実験002


内容


鉛繊維製保護手袋を装着して接触。


結果


接触成功。


対象は通常の猫と同様の反応を示し、研究員の腕を引っ掻いた。


実験003


内容


完全密閉容器へ収容。


結果


対象は約17秒後、容器外へ出現。


容器に損傷なし。


監視映像において通過過程は確認できず。


実験004


内容


超低温・超高温環境への曝露。


結果


異常なし。


対象は環境変化を気にする様子もなく毛づくろいを継続した。


実験005


内容


強放射線環境。


結果


影響なし。


照射終了後、研究員の膝上で睡眠。


研究主任コメント


初めて見る職員は「かわいい猫」と認識しがちだが、相手はれっきとしたアノマリーである。


接触不能という性質は収容上の問題である一方、敵対性が低いことから管理は比較的容易だ。


……なお、担当職員の私物を寝床にする癖がある。


鉛入りクッションを予算で申請したところ却下された。


———主任研究員 クレイン博士


更新履歴


20██/██/██


対象が研究棟内で子猫3匹を連れて歩いている姿が確認された。


なお、子猫3匹も同様の異常性を有していたため、それぞれNCO-53-A、NCO-53-B、NCO-53-Cとして登録された。


親猫は現在も子育てを継続中であり、研究員間では「サイト83の看板猫」として親しまれている

次回予告

新人職員オリエンテーション午後の部

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。